ジョーコーポレーションの栄華と倒産

3年以上前(私の創業後すぐのころ)に私のホームページにジョーコーポレーションのすばらしい経営姿勢を記述した書籍の紹介をさせてもらったことがある。以下はそのときの書評だ。

松山にある株式会社ジョー・コーポレーションは不況業種である建設業の中で一貫して売上高を年率約20%ずつ伸ばし続けている。請負型の業務から「建設総合メーカー」として変革を遂げ、分譲マンション「サントーレマンション」シリーズなどを提供している。
この書物はその経営手法を特効薬的に記されたものではない。度々書の中で紹介される、「社長」、「経営理念・ビジョン」、「ビジネスモデル」、「システム化・型決め」、「行動環境」の5要素を中心にして経営の1つのあり方を示している。その取り組みについてオープンに記述されているが、他社が真似をしたとしても長期間継続して実となるものばかりである。しかしながら、経営手法の雛形としては建設業に限らず広く応用できるものであろう。一部でもかまわないので取り組める部分から実行してみて欲しい。私としては経営者自身がこの経営手法にある「社長」であるべきところから開始することをお勧めする。人財が企業文化・企業風土を育成するのである。従業員は社長のファンとなることで何倍ものパワーを発揮する。そして会社は顧客満足は勿論のこと従業員の満足までサポートしていくことにより「行動環境」が出来ていくのである。そして顧客は企業のファンと化していく。この形が形成できれば売上・利益は必然的に生み出されるのである。(2005.10.04)

あの頃から建築基準法がかわり今はマンション不況と経済不況がマンション業界を取り巻いている。乱立するマンションも空室が目立つ。それでも良い企画・立地のマンションは売れ行きが好調と思われていたがそれも今は疑問視せざるを得ない。

急成長する企業はフローに対してストックが脆弱であることが多く、ヒト・モノ・カネ・情報の経営資源がついていかずうまく歯車が回らなくなる。今回の破綻もマンション建築費用の多くが借り入れによる調達であり、売れたお金で返すという好調なときには有効に働くモデルが止まってしまったことによるところが多い。

手を止めれば従業員の給料など固定費が支払えなくなる。しかし建てれば赤字がかさむ。売れないものを無理に生産しても増えるのは不良在庫だけでキャッシュフローはすぐさま悪化する。

キャッシュの流出を防ぎ収益構造を改善するためにリストラを行う・・・言葉で記せばこれだけであるが気の遠くなるような作業である。しかし復活のためには・・・というところだろうか。