今年の漢字「偽」を少し考える

 大方の予想通り今年の漢字は「偽」となった。多くの偽装問題が起こった年であった。
 この「偽装」について振り返れば殆どの場合「そんなはずは無い」「知らなかった」となり「仕方が無く・・・」と落ち着く。自分の罪を隠そうとするあまり目先の対応に追われ傷を広げてしまう。多くの消費者は「すぐばれるのに・・・」と記者会見に臨む経営者の応対を冷ややかに見つめる。
 こうした経営者は最初からそうした偽装をやろうと商いを始めたわけではない。(と思いたい。)しかし経営上様々な問題をかかえいつのまにかそうした状態に陥る。これは経営者がもつ理念・ポリシーと企業を取り巻く問題との葛藤の結末の1つである。理念・ポリシーが負ければそうした結末となる。
 こうした問題は今後増えるのでは無いだろうか。M&A、企業買収が活発に行われているなかで、理念・ポリシーの源となる夢を持たず、投資や合理化の目的・手段として事業を行う経営者が増えている。特に合理化やコストダウンはその意味を履き違えれば偽装につながりやすい。今一度初心に立ち返って、何故自分はその事業を行っているのかを考えてみる良い機会に違いない。

今年の漢字「偽」を少し考える」への1件のフィードバック

  1. 偽装が増えたのは、昨今の経営環境が厳しい故に、弱い経営者が手を染めて増えだしたのか?それとも以前から頻繁にされていたことだが、内部通報のチャネルが増えたことで明るみになる数が増えただけなのか?どちらなんでしょうか?

コメントは停止中です。