元気つうしん 2020年2月号 Vol. 55

~事務所だより~

こんにちは。安田コンサルティングの安田です。本日は1月18日(土)に開催されましたBCPセミナーの様子をご紹介いたします。兵庫県宍粟市の商工会さんが主催で安田が講師を務めてまいりました。

今年度になってBCPセミナーのご依頼が増えてきました。災害に強い企業づくりが進むのは地域にとっても、とても良いことです。2時間という短い時間でしたが以下のような内容で説明してきました。

1.BCP(事業継続計画)とは?

2.BCPに含まれる3つの計画

3.BCPの策定手順

4.事業継続力強化計画の認定制度

策定手順の箇所に一番長く時間を割きました。手順は概ね以下の通りです。まずはBCPの目的の検討です。「何のためにBCPに取り組むのか?」を考えます。きっかけは得意先からの要請や補助金の活用などが挙げられますが、やるからには災害に強い企業になりたいものです。

「でも災害ってどんな災害を考えるの?」が2つ目の手順。災害リスクの確認と認識です。災害と言っても地震、水害、台風など様々。地域によっても異なります。山間部で津波の心配は不要ですし、雪の降らないエリアで大雪の心配をしても仕方がありません。(ただ得意先や取引先がそういったエリアにあるのであれば関連はあります。)リスクの把握のために使うのがハザードマップ。市区町村のホームページには必ず掲載されています。私の事務所は大阪で比較的海から近いので「津波の心配は?」と考えてしまいがちです。ただ海抜が20m以上もあるのでハザードマップによると津波の心配はありませんし、近くの川も堤防が高いので氾濫の心配はないことがわかります。自分の思い込みで判断するよりもこうした情報を活用することが大切です。

リスクの認識ができましたら経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)への影響の想定です。私の周辺では2018年の台風で大きな被害があり停電が4日も続きました。事務所の事務機器は使えなくなり、スマートフォンの電源確保も難しい状態でした。そうしたモノへの影響もあれば、パソコンが使えないため必要な情報が参照できなくなることもあります。ヒトの面ではスタッフが出勤できなくなることも考えられますし、カネの面では事業が停止することで資金繰りが悪化するなどの懸念もあります。そうした影響をもれなくピックアップしていくのです。

そしてそうした影響を最小限に留めるためには何等かの対策が必要です。そうした対策を進めていく計画がBCPとなるわけです。

皆さんもBCPの策定始めてみませんか?商工会議所や商工会では関連するセミナーを開催していることが多いので情報収集だけでも進めていくことをお勧めいたします。

 

~建設業ニュース

【国交省 許可申請手続きを簡素化へ】
国土交通省は建設業法に基づく許可申請の書類や手続きを簡素化します。国家資格者等・監理技術者一覧表の提出を不要にし、申請者の過度な負担を軽減します。建設業の大臣許可の申請などに関する都道府県経由事務の廃止を受け、許可と経営事項審査(経審)の申請書類を都道府県経由で国交大臣に提出するとしている規定を削除します。
政府の規制改革推進会議では行政手続部会の取りまとめで各府省に対し、行政手続きコストを20%削減するよう求めています。これを踏まえ国交省は建設業許可事務ガイドラインを改正します。営業所に関する資料(営業所の地図、不動産登記簿謄本または不動産賃貸借契約書の写しなど)と、使用人に関する書類(健康保険被保険者証カードの写しなど)の記載を削除します。