地域商店の振興支援で思うこと

今日、大阪府内のある場所で商店(街)の振興支援を行いました。

通常、商店街の支援といえば空き店舗対策やイベント実施などで活気を取り戻すことを想定しがちですが、今回のケースは全く異なります。

まず、商店街ではなく商店が点在する街であること。個人経営の店舗が多いこと。そして皆が街を愛していることです。

最初に4店舗の訪問をしました。皆さん家族経営です。賃貸経営ではなく店舗付住宅なのでほとんど固定費はかかっていません。そうした最小事業体を限りある売上・利益で維持しているのです。あるいは年金でまかなっているお店もあるでしょう。

そうした店舗に「いかに売上・利益をあげるか?」、「顧客満足の向上は?」、「マーケティングの効果は?」なんていっても意味がありません。そうした方法・ノウハウのニーズが無いのです。

そのため、訪問後の会議の場で、「商店は儲けなければならないという前提を撤廃して話を進めていきます」との一言からスタートしました。皆さん、自分の店を守ること(維持すること)と地域・街を元気にすることが大きなテーマ。そして疲弊し余力の無い状態で何ができるか。どう、この諦めムードを打破するか。

そこでまずは課題の共有。愚痴の言い合いといえばそれまでですが、あくまで振興を前提に意見を言って頂きました。そしたら参加者(個店経営者)と個店の魅力がいっぱいつまった発言がたくさん飛び交います。やはり地域の振興は産業の振興、産業の振興は個々の企業・店舗の振興以外ではありえません。

決して効率のいい方法ではありませんが抽出と共有、そして何よりも何かをしていこうというチームづくり・雰囲気づくりができたのではないかと思っています。

あと3回、こうした会合が続きます。

立派な計画はおそらくできない。それでも「何かやってみた」という最初の1歩を大切にして進めていきたいと思います。