建設業の経営多角化

120626_10_35_02建設業しんこう」6月号を読んだ。特集は「建設業の経営多角化」。

建設会社の新分野進出は国交相・建設業振興基金が長年モデル事業として促進してきた。そのなかで農業、福祉などの分野が有望視され、また本業の建設業においては維持修繕など細やかな対応が必要とされる分野へのシフトが必要とされた。

今回の特集においても農業分野、介護・福祉分野への進出事例と建設業のサービス業化事例、計3つが紹介されている。

こうした事例を表面だけみて「うちの会社でも真似できるかな??」という視点で考えても何も生まれてこない。必要なのは事例企業の経営者が自社の5年、10年後にどういったビジョンを掲げて、どういった方針でこうした新分野進出に至ったのかを検討しなければいけない。

新しい事業を開始するには「3つの『や』」を考える必要がある。1.やりたいか、2.やれるか、3.やるべきか。

表面的な検討は2の「やれるか」だけに留まる。殆どの企業は事例企業と置かれた環境も違うし活用できる経営資源も異なる。それなのに「やれるか」を検討しても「うちとは違う」という結論しか出てこないのだ。

何のための新分野進出なのか。それは企業の存続のためだ。存続のためには持続的な変化が不可欠である。「やれるか」を検討するにしても現状で比較するのではなく、「どうしたらやれるか」まで踏み込むべきだろう。

経営者としてビジョン、方針を掲げて、新分野進出事例を研究し、自社に活かせるところは何か・・・ そうした視点で事例にはあたるべきだろう。