経営者の覚悟と父親の覚悟

先日、ある工務店に経営相談のために出かけてきました。先代から引き継いだものの職人気質のせいか営業ベタでなかなか業績が上がってきません。
色々な販路開拓のアイデアを提供し、口ベタ、営業ベタでもできる方策を考えました。「これなら何とかできそうだ」とヤル気が少し芽生えたのですが・・・
後日、電話にて「色々と事情があって・・・」ということで、さきほどのヤル気はどこへやらという状態でした。その事情も聴かせていただきました。それは家族(お子さん)に関することで、そこに思い悩み仕事に集中できないというものでした。
企業ではない家業で事業を営む場合に、こうした問題は少なくありません。事業は家族を守ることと直結しているからです。血縁以外の社員もいなければ当然色濃くその傾向が表れてきます。
「仕事は仕事として割り切って・・・」という言葉は意味を成しません。
私がその方に望むことは、「その難しい事情もひっくるめて、家族を守る」という父親として覚悟と、「その糧を得るために仕事に懸命に取り組む」という覚悟です。家族を守るための仕事ですが、選択肢は様々で必ずしも「工務店」でなくても構いません。しかし守り通すために一番可能性の高い仕事が「工務店」である以上、そこから逃げずに向き合う必要があります。
仕事に集中できるかどうかは時期やタイミングの問題もあります。しかし「何がなんでも家族を守る」という覚悟は早く決めなければなりません。
またお会いして、そのことを伝えたいです。伝える一方で、その方の悩みをしっかり聴きたいです。悩みを聴くことしかできないけれど、「あなたの味方です。あなたを支えたいのです。」と伝えたいです。