親が子供に伝えたい「環境」の授業(2009-7/100)

親が子供に伝えたい「環境」の授業 ――命はつながっている

「環境を考えることは人間の生き物としての生き様を考えること。」という気付きを与えてくれた1冊。俳優・映画監督の津川雅彦氏と旭山動物園の園長である小菅正夫氏の環境に対する考え方・意見を対談形式でまとめている。これは映画「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」がきっかけで実現したものだろう。

環境とビジネスのことを考えると、「エコはお金がかかる」、「貴重な資源がダメになる」といった産業・経済よりな言葉と、「海面上昇により島が沈む」、「絶滅する動物が増える」といった社会面の言葉と聴かれるが、どれも他人事である。自分に降りかかる問題として考えていない。想像力が及ばないから真剣になれない。それが一番の問題のように思える。私個人もどれだけ環境を意識しているかといえば、エコバックは普段から使っているもののマイ箸は持っていない。ノーマイカーデーでも「仕事だから」と車を飛ばしている。

そうした想像力を高めるために本書では動物をキーワード・題材にして著者の二人が人間の生き物としての生き様がこうあるべきだという意見を交わしている。単なる抽象的な議論ではなく動物が間に入っていることでより具体的・現実的になり環境についての想像力を高めてくれた。

昨年から環境を勉強したいと思っていた。でも環境ビジネスのことを勉強する前に本質を理解するために何かヒントを探していた。そんな時期にこのような本が出版されめぐり合えた。本当に良かったと思う。