エンピリカルソフトウェア工学の講義終了

 今日は和歌山大学で講義の日。5週に渡って「エンピリカルソフトウェア工学」というテーマであったが、プロジェクト管理を統計的なパラメータ指標を活用することによりうまく舵取りをしようというものである。パラメータ指標(メトリクス)といえば財務指標やBSCなどで活用されるKPIが思い浮かぶが目的としては同等のものと考えてもらってよい。
 PDCAサイクルの局面では得られたデータをチェックし次に活かす「C」、「A」が重要であるが、「C」のためのデータ収集について意外に無視されているケースが多い。メトリクスを設定するのはいいがどうやってデータを収集するのか・・・今回の講義ではプロジェクト管理(主にプログラミング工程)において収集したいパラメータを得る手段が明確ではなかった。リポジトリの活用といっても市販されているものではそこまで想定されていることは少ない。となればオープンソースのものを変更して・・・となるが、そうなるとデータ収集のためのコストが相当なものとなってしまう。そういった意味では中小のソフトウェア会社がこうした統計データを得ること自体に無理があるのであろう・・・
 建設業のプロジェクト管理においては主に金額や納期日数の指標が多いであろうが、こうした管理は特に重要である。利益を生み出すための体制強化としてBSCなどは活用できるので検討してみてほしい。