グレートスモールカンパニー―小さな会社に学ぶ「奇跡の企業哲学」

 工務店業界では知らないものはいないといっても過言ではない会社がある。株式会社近代ホームである。この会社、私が会社員時代で東京に勤めていた際に住んでいた箇所の近く。(もっと正確に言えば、その当時一時入院していた病院のそば)にある。その頃から名前は知っていたのだが、これほど素晴らしい会社であることを知ったのは大阪に戻ってからであった。株式会社近代ホームの名前を聞くたびにあの頃のことが思い出されて懐かしい。
 今回はその株式会社近代ホームについて紹介された書籍『グレートスモールカンパニー―小さな会社に学ぶ「奇跡の企業哲学」』の紹介である。人気のある、業績の素晴らしい工務店の経営手法(営業ノウハウや低価格住宅など)を紹介する本とは少し違う。チラシのサンプルやDMの打ち方などは一切書かれていない。ここに書かれているのはそういった枝葉(枝葉ももちろん大切である)ではなく株式会社近代ホームの太い幹の部分についてである。それは経営者である松本氏自身の理念でもある。本書を読んでいると著者である瀬戸川礼子氏もすっかり株式会社近代ホーム、松本氏のファンになっていることがありありとわかる。小手先の方法論ではなく経営とはこうありたいと感じる部分が多い。工務店の経営ノウハウとして参考になる部分は多いが、私自身が学ぶべき部分の方が多かったのではないかと強く感じた。

グレートスモールカンパニー―小さな会社に学ぶ「奇跡の企業哲学」」への1件のフィードバック

コメントは停止中です。