元気つうしん 2017年7月号 Vol.24

 

無題 ~事務所だより~

こんにちは。安田コンサルティングの安田です。今日は6月6日からの3日間、中小企業大学校関西校にて『決算書の読み方・活かし方』の研修講師をさせていただいた話をご紹介いたします。こちらの研修ですが初めて講師をさせていただいたのが・・・と、過去のメールを辿ってみると平成23年。今年で7回目となります。長く継続させて頂いていること、とても感謝しています。講義の内容を毎年ブラッシュアップして受講者の満足度を高めていく積み重ねがとても大事です。

さて、講義の内容ですが3日間それぞれ9時30分~17時30分(休憩1時間)の長丁場です。損益計算書や貸借対照表の本当の基本的な事柄を「管理会計の視点」を大事にしながら解説していくことからスタートです。もちろん簿記の知識ゼロが前提ですので借方貸方なんて言葉は一切使いません。税務上大切なことでも管理会計の上でそうでなければ説明せず、逆に決算書の紙面に表れてこない裏事情についても重要であればお伝えします。

まずは損益計算書から。「売上高の意味は・・・・」なんて説明は不要ですからずばり「経理マンとして売上高を上げるための方策の考え方」についてお伝えしてきました。売上原価は・・・残念ながら棚卸資産(在庫)の評価によって大きくも小さくもできてしまうこの項目。棚卸をしっかりやっていない企業は「ここの数字はうそっぱち」だと判断していいと説明。でももちろん「申告しなおしてね」なんて言いません。税務上どうかなんて今回の研修テーマではないからです。「うそっぱちの原価で原価率なんて計算しても判断を誤るだけ。だから決算書の数字がどうこうではなくて、皆さんは実態を把握すべきです。」といった具合です。次は貸借対照表。        ぜい肉3兄弟の売上債権、棚卸資産、固定資産。ここのシェイプアップが効率性でもキャッシュフローの意味でも効果的であること。でも「じゃあ、在庫削減だ!」ではなく、自社の戦略が「他社より豊富な品ぞろえ!」だったら「そこは目をつむる」ことが大切です。売上債権を減らす方法も色々と語ってきました。負債の方は「短期借入金はね・・・実はね・・・」というお話も。自社に帰って決算書の内訳明細を見て、もし社長の名前が入っていたら、いつもより気持ちを込めて「お疲れ様です」と声を掛けてあげて下さいと伝えて参りました。他にも決算書を理解する要諦について色々と。

そして次は「決算書を読む」ことについて。「過去の記録なんだから決算書なんて分析してもしょうがない・・・」というのは全くの誤解で、「決算書を読む」とは「過去から未来を知ること」であって、経理とは経営と同じ「経」の字が使われていることから「世代を超えて繋いでいくもの」という意味が合って「理」は「整える」です。だから過去を整えるという簿記の観点はもちろん、未来を整えるという経営者を戦略的にサポートする役割があることを忘れないでほしいと語ってきました。そして数字を使わない財務分析の入り口。定番の財務指標の意味と分析の手順なども。

2日目は付加価値の意味をパン屋さんを事例にして説明したり、3つの事例をグループでディスカッションしてもらいました。研修で集まったメンバーは偶然ですが一期一会。しっかりと交流してもらいたいという気持ちもこめてディスカッションの時間をなるべく多くとりました。

最後の3日目は自社の決算書を使った分析と提案。A4サイズ1枚の改善提案書を作ってくださいと課題を出して1日がんばってもらいました。途中に質問を受けたり経営相談を受けたりと、演習時間ももちろん見ているだけというわけにはいかないのです。でもこのときに出てくる相談は結構深刻だったりして、相談を受ける方も気合いが入ります。

そして最後の終了間際。「利益が必要な訳」と「教育は何のため」という話をしました。利益が必要なのはみんなが幸せになるため

そして    教育は・・・会社の発展のため・・・ウソです。それは2番目です。教育は自らが人生を楽しむためにあります。その次が会社の発展。そんな話をして締めくくりました。

中小企業大学校関西校では様々な研修が実施されています。詳しくはホームページ(http://www.smrj.go.jp/inst/kansai/)をご覧ください。

また「決算書の読み方・活かし方」は拙著「ゼロからの戦略的経理マン養成講座」でも詳しい解説をしております。ご希望の方がございましたらプレゼントさせて頂きますので安田までご連絡ください。

裏

~雑記~

先日、今さらながら人生で初めて手漕ぎボートに乗りました。今までボートと言えば白鳥型のスワンボートしか乗ったことがなく、一度乗ってみたいと思っていました。実際乗ってみると、バランスをとるのが難しく、思った以上に水面に近くて落ちそうで怖い。オールで漕ぐと、下手なのもあって水しぶきがかかる。でも、足で漕ぐスワンボートより、手で漕ぐボートの方が自力で進んでいる感覚があり面白かったです。(Y)

 

~月ごよみ~

7月2日 たわしの日
 1915年、西尾正左衛門が「亀の子たわし」の特許を取得しました。
7月3日 通天閣開業記念日
 浪速のシンボル通天閣が1912年に開業しました。戦争中に鉄材供給で解体さ れ、現在の通天閣は戦後再建されたもので、高さ103mです。
7月9日 ジェットコースター記念日
 1955年に日本で初めて東京・後楽園遊園地にジェットコースターが登場しました。全長1500m、最高時速55kmでした。
7月13日 日本標準時制定記念日
 1886年、兵庫県明石市を通る東経135度の子午線を日本標準時と定め、全国の時間統一が決定、勅令が布告されました。実施は1888年1月1日からです。
7月20日 ハンバーガーの日
 世界最大のハンバーガーチェーン・マクドナルドの日本上陸第1号店が、1971年に東京・銀座の三越一階にオープンしました。世界で1800店目となり、初日に1万人の客がつめかけました。当時ハンバーガーは1個80円でした。
7月26日 ユーレイの日
 日本の代表的な怪談「東海道四谷怪談」が1825年、江戸・中村座で初演されました。