元気つうしん 2020年6月号 Vol. 59

~事務所だより~

こんにちは。安田コンサルティングの安田です。少しずつですが、新型コロナウイルスの自粛ムードが弱まってきました。「気のゆるみ」を危惧する声もあがっております。その一方で企業存続のためには早く経済活動を再開しなければなりません。手洗い・うがい等の基本の徹底がやはり大事です。

皆様の事業への影響はいかがでしょうか。弊所では、1.コンサルティング事業、2.セミナー等講演事業、3.許認可申請事業の3本柱で事業を行っていますが、2.については完全にストップしてしまいました。主催者が講演や研修の中止や延期を決めたため、4月~6月はほぼゼロの状態です。しかし1や3の事業のおかげでなんとかなっております。1つの柱ではなく複数の事業を持つことはリスク分散につながると改めて感じています。リスク分散といえば、最近ご相談で増えてきているのが公共工事への参入についてです。新型コロナウイルスの影響により大きな投資への意欲が低迷して住宅、非住宅ともに着工件数が今後しばらくは減少すると予測されています。この影響は数年続く可能性もあります。その減少分をどう補うかで注目を浴びているのが公共工事というわけです。すでに公共工事の入札に参加されている皆さまには今更の話となりますが、ここで改めて手順をまとめておきます。入札に参加するにはⅠ.建設業許可の取得、Ⅱ.経営事項審査申請、Ⅲ.入札参加資格申請の3つのステップを踏んでいきます。

  1. 建設業許可の取得
    入札に参加するためには建設業許可の取得が必須です。
    取得のための条件は大きく5つあります。

    1.建設業に関する経営経験(経営業務の管理責任者がいること)
    2 資格・実務経験等を有する技術者の配置(専任の技術者がいること)
    3 財産的基礎・金銭的信用を有すること(財産的要件)
    4 欠格要件等に該当しないこと
    5 建設業の営業を行う事務所を有すること

    許可の取得が可能かどうかは、いつでも安田コンサルティングまでご相談ください。

  2. 経営事項審査の申請
    建設業許可制度では、毎年会社の決算が得られるたびに決算変更届を提出することになります。入札参加を希望する場合には、決算変更届に加えて経営事項審査というものを受審します。これは会社の点数付けを行うものです。経営規模、経営状況、技術力、社会性等の項目を総合的に判断して総合評点と呼ばれる点数を算出します。この総合評点をP評点と言うこともあります。そのP評点は以下の式で算出されます。

    総合評定値(P)=X1×0.25+X2×0.15+Y×0.20+Z×0.25+W×0.15
    X1、X2、Y、Z、Wが先ほどの経営規模、経営状況、技術力、社会性等の項目を点数付けしたものになります。

    経営事項審査は決算ごとに行いますので毎年申請することになります。

  3. 入札参加資格申請
    経営事項審査が終わりましたら、各自治体に入札参加資格の申請を行います。自治体ごとに仕組みや提出書類が異なります。申請を一斉に受け付ける定期申請とは別に追加申請や随時申請を受け付けている自治体もあります。申請時期は自治体ごとに異なり、毎年行う自治体や2年または3年ごとに行う自治体があります。まずは地元の自治体で入札参加申請をされる場合が多いです。その後、大阪府や国の省庁といった具合に参加対象を広げていきましょう。
    入札参加資格が得られれば、個別に入札案件に参加することになります。自治体から入札案件の情報が提供されますので定期的な情報収集が欠かせません。

現在進行中の工事がストップしていたり、または営業に出かけられず夏以降の案件数が少ないといった場合、得られた時間を上記の準備に使うというのはいかがでしょうか。「これまで忙しくてなかなか手がまわらなかった」といったことに手を付ける絶好のチャンスといえます。