建設業法令遵守ガイドライン

 建設業特有の重下請構造には違法契約の事例など頻繁にあり多くの場合下請会社や労務外注の役務提供者が損失を被ることとなる。こうした昔ながらの古い商慣習は建設会社が「個人の寄せ集め」から「企業」へ成長するにあたって捨てなければならないものの1つである。また違法な契約実態が明るみに出れば営業停止・指名停止などに発展し経営事態を脅かすことにもなりかねない。
 国土交通省では元請負人と下請負人の関係に係る留意点を『建設業法令遵守ガイドライン』としてまとめている。ページ数にして62ページと少しボリュームがあるが、後半31ページは法律の条文などであり、実務としておさえておくべきことは前半の31ページのみである。社内の職長教育などで活用もできる。また建設関連団体が会員向けに勉強会を開いても良い。
 こうした勉強会は「営業の何の役にも立たない・・・」と敬遠されがちであるが、下請協力会社が安心して働ける現場作りは品質の向上による顧客満足度アップ、作業の効率化による工期短縮・コストダウンに寄与するのである。売上拡大が難しい今だからこそおさえておくべきものだと考える。