成熟社会における建設産業の成長戦略 競争の時代を勝ち抜く、企業の選択と集中を考える

昨日は大阪商工会議所にて「成熟社会における建設産業の成長戦略 競争の時代を勝ち抜く、企業の選択と集中を考える」というテーマのセミナーを拝聴して参りました。

私の事務所は貝塚市になりますが、ご縁があって大阪商工会議所に入会しております。また他にも泉佐野商工会議所、岸和田商工会議所、和歌山商工会議所にも入会していますが、地元貝塚商工会議所は昨年度で退会させていただいたという変な状態になっています。

と余談はおいておきまして、今回のセミナーは大阪商工会議所の建設・建材部会の第5回例会として開催されました。私は部会には所属していませんが、参加可能ということでしたので申し込んで参加してきました。

Imag0304 五十嵐氏は早稲田大学の客員教授で過去には不動建設にも勤められたこともある建設業のプロフェッショナルです。

講演では建設業のこれまでと今後をあらためて確認した上で今後の成長戦略について説明がありました。

日本はストック社会を迎え、今後は欧米型建設業モデルが参考になります。

また環境、観光、健康のいわゆる3K産業が有望であり、そうした成長産業に付随する形で施工・サービスを提供することが望まれます。

維持修繕分野では住宅リフォームやマンション改修だけでなく道路、水道、橋梁といった土木系インフラも更新時期にあることから土木系リニューアルも今後有望視されている。ただし自治体には予算が限られているので低コストはもちろんのこと付加価値の高い施工・サービスの提供が必要です。

といった内容は私もセミナーなどではよくお話させていただくことです。同調できたという安心感を感じつつ・・・

あと興味深かったのは建設(特に建築)投資は今後大きな増減は無いのではないかという分析です。40兆円を切る勢いで減少し続ける建設投資ですが、今後新築が減りリフォーム・維持修繕が増える傾向であるのことは共通認識です。ただリニューアルまでいくと新築とそう変わらないコストがかかります。しかしビルやマンションなどは取り壊して新築してしまうと不動産価値がいったん途切れてしまいます。テナントも休業しますし、再開したとしても帰ってくるとは限らない。そこに大きなリスクがあるということです。

ただリニューアルといっても耐用年数を延ばすだけでは物足りません。経済価値や環境価値を高めるリニューアルが望まれます。そうした意味では求める価値とお金の使い方が変わるだけで規模はあまり変化したいのではという推測もうなづけます。