見積条件を明確にすることで施工効率をあげる

建設工事やITシステム開発など受注型オーダー制作の分野においては見積条件の提示が十分でなく、合見積で企業間に大きな開きが出たり、あるいは完成後に言った・言わないのトラブルにつながることが非常に多い。

そうしたなか、建設生産システム合理化推進協議会『総合工事業者・専門工事業者間における工事見積条件の明確化について ー「施工条件・範囲リスト」(標準モデル)の作成ー』の第4版をこの3月に発行した。(PDFで全文が取得可能

各種専門工事において施工条件に入るのか入らないのかを〇・×で記入できる。記入は発注側と請負側とが同じ用紙内でチェックできるため、記入後にコピーを取って双方で保持するとよい。

また、発注後に現場で条件に変更が起きた際に、仕様変更などの手続きの手順や、その際に取り交わすべき変更契約書の書式も記載されている。

こうしたリスト(チェックシート)を使うことのメリットは大きく2つある。

  • 双方の工事範囲の意識の差を減らすことにより、契約面でのトラブル防止はもちろん、施工ミス、手直しも減らすことができ工事原価の削減及び施工品質の向上につながる。それはすなわち施主のためになる。
  • このチェックシートをもとすることで発注する側の業務の標準化を図ることができる。発注業務は積算業務や設計業務とも綿密につながっているため、社内作業の標準化が進み、品質・効率性を高め、こちら側も原価低減とミスの防止につながる。それはすなわち施主のためになる。

こうしたチェックシートは企業によってはそのまま使えないといったケースも多いが、そこは少しアレンジして使うといいだろう。是非活用してほしい。