部下の教育

 組織が大きくなってくると階層が深くなり経営者の「思い」が全社員まで行き渡らなくなる。この現象が長引くと組織力が発揮できなくなるのだが、それを阻止するにはどうするべきだろうか。
 最近愛読している書物『元祖ベンチャー松下幸之助に学ぶ「思い」の技術』にそのヒントがあった。ポイントは部下に任せる際の上司の「思い」にある。勿論、部下を育てるために権限・責任を与え仕事を任せることは重要であるが、その際に上司自身がどう思っているかである。「いつでも率先垂範して自分でやってやる」という思い・気迫が大切なのである。その思いをきちんと伝えることによりまかせられた方は「自分はまかせられている。自分は会社を代表してこの任務を遂行している。」という意識が芽生える。これがなければ単に上司が忙しい・面倒くさいなどの消極的な理由で「やらされている」感が払拭できない。
 建築現場で親方が若手に何か仕事をまかせる局面を考えて欲しい。親方は若手の仕事振りをすぐ横で見ながら必要な箇所を随時指導する。「そうじゃない!ばかやろー!」今にでも道具を取り上げられ自分が任せられた仕事が取られそうである。親方は横でじっと見ているので当然原価はかかる。教育しているのだから当然である。ここが認識できていないと単なる丸投げであり品質も低下する。コストは削減できるかもしれないが、品質の低下を伴うコスト削減は「コストダウン」とは言わない。
 今一度、自分の部下指導法を思い起こして参考にしてほしい。

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