接客や商談でのコミュニケーション

 日経産業新聞より
 コミュニケーションを行うにあたりその方法は様々である。方法といってもほとんどの場合意識することなく自分を出している。ただし、接客や商談では同じ方法ではダメである。相手に「この人、なんだか自分と合わないなぁ」などと思われては商談失敗である。また逆に初めての人と話すことが苦手な営業マンもいるかもしれない。うまく話ができずに要件も聞き出せなかったとなってはせっかくの接客商談機会を無駄にしてしまっている。
 少し前にNLPセミナーを受講したときに教わったものと近いものが記事になっていた。一番基本的な方法は以下の3点だ。
 1.相手の表情、身振り手振り、座り方を似せる
  相手が椅子に深く腰掛けていたら自分もそうする。
  相手の身振りが大きかったら自分もそうする。
  相手が真剣な表情で話してたら自分もそうする。などなど。
 2.相手の話すスピード、声のトーンを似せる
  スローなペースで話す人なら自分もそうする。
  高いトーンで話す人なら自分もそうする。
 3.相手の言葉を繰り返す
  いわゆるオーム返し。これが私としては一番のお勧めだ。
 さらにはこ1、2を相手によって使い分けることができる。
 A.視覚タイプ・・・早口、ジェスチャーが多い⇒1
 B.聴覚タイプ・・・はっきり言葉にしないと気になる⇒2
 C.体感覚タイプ・・・ムードを大切にする⇒1、2
 ちなみにそれぞれのタイプを簡単に見分ける方法を先のセミナーで紹介してもらったことがある。少し答えにつまるような質問をするのである。例えば「あなたがもっとも大切としている価値観はなんですか?」その質問をされて即答する人はまずいない。悩んでいる間の目の動きに注目する。上方向で何かを見ているような感じであればA。左右に目をやっているのであればB。下向きならばCということである。一概には言えないと思うが、実践してみて当たることが結構あるのでこれはお勧めしたい。
 住宅リフォームなどに進出するために初めて営業に出かける方々にまずお勧めしたい方法である。とりあえず3からスタートしてみては?

来期目標の設定にあたって

 今の時期、来期の計画を立てている会社は多いと思う。そしてその焦点は当然、来期の売上目標、利益目標である。あなたの会社ではどういった目標の立て方をしているだろうか。「来期はがんばって今期より3%アップ!」あるいは「来期は設備関係の過渡期であるから何とか現状維持!」など様々であろう。この言わば希望的・スローガン的な目標は大切である。さらに欲を言うならばなぜ「3%」、「現状維持」なのか理由付けが欲しいところだ。「3%アップすると○○円借入金の返済が可能だ!」といったところだ。
 さて、目標が設定できたらそれを段階的に細分化していく必要がある。目標売上、予算、目標利益は全体目標。各部門別などに割り振る必要がある。ここで単純に頭割りなどするとあいまいな目標設定になりがちである。あいまいな目標は正確な目標よりも尾を引いて軌道修正が困難である。何故なら設定があいまいなため、表面的な数値しか評価できないからである。それではどうすればよいか?このあたりから必要になってくるのが過去のデータとの比較分析である。過去数年分の売上、原価、利益の関係を洗い出し、目標達成できる数値を割り出すのである。何も変化していないのに目標だけ上がっている場合はそもそも破綻している。目標は1年後には実績になる。「目標を上げろ!」と言われると鉛筆をなめながら「3%アップにしておくか・・・」となるが、「実績を上げろ!」と言えば何か策を捻出しなければならないという意識が芽生える。「売上実績を3%上げる策を考えろ!」である。営業支援ツールを導入して訪問顧客数を増やそう・・・案件が増えると施工担当者が多く必要だ・・・今のうちからA君を現場担当として集中的に教育しよう・・・が一例となる。企業における1つ1つの活動が全体目標に向いている必要があるのである。それを確かめるには全体目標から個々の活動に落とし込むことがやっぱり不可欠である。

当事務所のメールマガジン

 宣伝になるが、安田コンサルティングはメールマガジンを発行している。ブログとの両立でなかなか毎日発行とはいかないが、月2回のペースで何とか続けている。発行部数も順調に(?)推移してようやく50を超えるか超えないかである。業界に特化していることもあって、爆発的に部数が伸びることはないが本当に必要としている方々に有益な情報を提供したいと思っている。
 メールマガジン(あるいはこのブログ)で取り上げてほしいテーマがあればリクエストしてください。

 

選ばれる工務店

 リフォーム関係の書物には2種類ある。リフォームに失敗したくない消費者向けのものとリフォーム業を営む(又はチャレンジしようとする)工務店向けのものである。しかしそういった書物に必ず登場するトピックは「信用される(信用できる)工務店の要件」である。
 その要件をいくつか書き出してみる。
 1.見積書は一式ではなく明細である。
 2.工事契約は必ず書面で取り交わしている。
 3.契約書の他に設計図面、仕様書を添付している。
 4.工事の変更・追加の可能性とその取扱いをあらかじめ説明している。
 5.工程表とともに工事の計画を提示している。
 6.顧客要望に応じて工事中でも見学・打ち合わせに応じる。
 7.打ち合わせ内容は必ず記録を取り、共有している。
 8.現場の整理整頓・職人のマナーなどが教育・徹底されている。
 9.引渡し時にはチェックリストとともに顧客とともに立会いチェックを行っている。
10.アフターサービス、瑕疵担保等の契約内容が明確になっている。
11.建築関係の有資格者がいる。
12.建設業の許可を受けている。
 そのほかにも施工実績や立地、電話応対、店舗などチェックされる項目は多数である。上述の代表的な12項目のうち、あなたの会社はいくつ○がついただろうか?

建材と防犯・防災一体で

 日経産業新聞より
 三和シャッター工業ホーチキが業務提携し、簡易型ホームセキュリティーを販売する。三和シャッターの窓シャッター、玄関ドア、ホーチキの火災警報器をシステムにて制御する仕組み。
 火災報知器は消防法の改正により平成18年6月から新築住宅向けに設置が義務付けられるだけにセキュリティ意識の高い家庭などに販売効果があがりそうである。
 三和シャッター工業の関連記事はこちら
 昨年9月に業務提携した両社。提携第一弾の成果が楽しみだ。

建設業経理事務士 受験票届く

 建設業経理事務士の受験票が届きました。
 会場は摂南大学寝屋川キャンパス。寝屋川だと自宅から1時間以上かかりますが、今回は財務諸表だけなので開始が12時からということでそんなに早起きではありません。
 いよいよという感じです。試験対策も今は問題演習を中心に行っていますが、大体移動中に行うので電卓が必要な試験勉強は周囲の目が気になります・・・でも問題集を開き電卓をたたいていると段々集中できていつのまにか乗り過ごすこともあるのですが・・・
 今は仕事の都合で週一回は京都まで行きます。片道2時間です。またときおり宮崎にも行きます。飛行機、特急列車等を乗り継いで片道5時間です。この移動時間が勉強時間になります。5時間だともう隙間時間とは言えませんが・・・
 とにかくがんばります。

意外と行われている24時間対応サービス

 リフォーム顧客に『アフターメンテは24時間サポートです!もちろんすぐに手直し工事ができないケースもありますが、サポートダイアルは24時間応対いたします。』と言えれば安心感を与えることができ、受注に繋がる確率もあがるだろう。しかし『大手企業のサポートセンターではあるまいし24時間サポートなんて・・・』と考える工務店は多いと思う。
 中小規模の会社で実現可能なのが、サポートダイアル用の携帯電話を用意し、もちまわりで24時間所持する方法である。もちまわりなので365日24時間、サポートダイアルの緊張がつきまとうこともない。
 この方法、私の単なる思い付きではなく、自分の顧客でも実行している会社が結構いる。また、書籍にも紹介されている顧客満足度をあげる有効な方法だ。
 そして大切なのはサポートダイアルをアピールする入り口ではなく、かかってきた際の対応(出口)だ。深夜に電話がかかってきて、補修はできなかったとしても『すぐに様子を見に行きます!』とお伺いするだけで、顧客はどれだけ安心するだろうか。
 少々骨が折れるかもしれないが、顧客満足は自分で動いて汗をかくことも必要だ。

地域密着が勝負のリフォーム

 『大手もいいけどアフターフォローや緊急時対応が心配・・・』
 こう考えているリフォーム希望者は多い。先に紹介した本『リフォーム業者選び50のコツ』にも掲載されているが、自宅から30分~1時間の距離にある工務店などを選ぶのも1つの手である。これを工務店側から読み取ると・・・
 住宅地図や県内地図を用意し自社の位置から30分~1時間で移動できる圏内を地図上に表してみよう。ちょうど宅配のピザ屋さんが宅配地域として地図をメニューに掲載しているイメージだ。
 圏内地図ができたら自社で施工したOB客に印を入れる。このOBマップは印の位置をあやふやな領域にかえることで営業ツールにもなる。『近隣でこれだけの施工例があります!』と言えるわけだ。もちろん、見学可能なOB客はマークを替えるなどすると良い。
 この営業ツール。きれいで格好の良いものでなくても良い。要は情報量。作る手間さえ惜しまなければ良いものが必ずできるので挑戦してほしい。

災害時の事業継続計画

 日経産業新聞より
 大手ゼネコンが災害発生時の「事業継続計画」策定を急いでいる。大手ゼネコンは金融や製造、ライフラインなど様々な業界・インフラに関わっている。そのため事業継続計画を策定し、顧客に対してアピールすることができるのである。
 地域の建設会社、工務店ではどうだろうか。今度の経営事項審査の改定で防災協定など社会貢献活動が評価対象に加えられるが、公共工事に関わりのない企業も対策は必要だ。例えば住宅建築やリフォームを行っている企業の場合、災害発生時、自社の体制を最低限整えたら、すぐさま顧客宅に直行してほしい。困っていることはないか、リフォームした箇所が大丈夫かチェックするなど、そのときにしかできないアフターサービス(サービスと意識するしないは別)が山ほどあるのである。
 以下は新聞に掲載されていた事業継続計画のポイントである。参考にしてほしい。
 事業継続計画のポイント
 ・本社など重要拠点の機能確保
 ・役員代行者を選ぶなど権限委譲基準の設定
 ・指揮命令系統・意思決定機能の明確化
 ・資金確保など財務対応策
 ・業務要因マニュアルの整備
 ・原材料調達の確保
 ・代替生産手段の確保
 ・製品サービスの供給体制の確保
 ・建物・設備の耐震強化
 ・優先復旧順位の設定
 ・バックアップシステムの整備
 ・社員教育、通信・緊急連絡網の整備
 ・情報システムの保存・二重化
 ・地域貢献・相互扶助

リフォーム業者に読んでほしい本

リフォーム業者選び50のコツ
ホームプロはNTT東日本、西日本、大阪ガスが提携して運営するリフォームのポータル・マッチングサイトである。そこの「ホームプロ成功リフォーム研究会」が出版した書物である。この本はリフォームを考えている消費者向けに書かれているが、リフォームを行う工務店であれば自社の経営を正すチェックシートとして使うことができる。悪質リフォーム業者に市場を荒らされ消費者の信用を得ることは並大抵のことではない。受注を拡大していきたいのであればなおさら他人事ではない問題なのだ。
チェックシートとして社内活用できたならば、次は営業ツールとしても活用できる。50のチェックに満点に対応できているのであれば、営業先の顧客に是非この本をプレゼントしよう。
消費者の目線に立って考えることが大切。それを実行することは案外難しいが消費者向けに書かれている書物を読むことはとても簡単で参考になる。