沖縄県発注工事談合事件

沖縄県発注の土木工事をめぐる談合問題の記事から
談合問題に関する業界内の声には反省と反発がある。
反省:「今後談合しようとすれば、必ずまた業界内で通報される。もう同じ仕組みを構築するのは無理だ」
反省:「社会制裁を受けた以上、おかしいことは改める」
反発:「国同士でも外交交渉がなければ、常に戦争になる。建設業界でも適正な話し合いは必要だ」
反発:「県や天下りのOBも談合を黙認してきた。違約金は軽減すべきだ」

私も公共工事を資源配分と考えた場合、談合=悪とは考えていない。しかし上記の反発の声は全くおかしな話である。他業界の企業が猛烈な競争を行っている中、仲良く餌を分け合っていては公共工事が縮小され淘汰されていくのは目に見えている。
反省の声もおかしい。
「もう構築できない」⇒「できるならやりたい。」
「社会制裁を受けた以上」⇒「ばれなければまたやりたい。」
結局何の解決にもなっていないのではないだろうか・・・

工事成績の関係者評価

 IT化が遅れているといわれている建設業界の中でも基幹業務や設計業務などを中心にIT化が少しずつ進展してきている。前者では予実管理、後者ではCADの導入が主流だ。
 今日取り上げたいのは予実管理を用いた評価制度について。
 営業段階から完成引渡までを1つのプロジェクトと考えると営業部門、設計部門、施行部門等様々な部門で複数の人員が関わりを持つ。工事の採算性といえば施行部門の予実管理ばかりが注目されるが、短期的視点、長期的視点などからすべての人員がプロジェクトの出来によって評価されるべきものである。その例を示すと・・・
 1.営業部門
 (短期的)・見積積算結果から適正な粗利率を確保できたか。
       ・顧客満足度調査は一定の点数を確保できたか。
 (長期的)提案作業等で過去の成果物を利用し、作業時間の短縮に努めたか。
 2.設計部門
 (短期的)施行結果との積算精度が一定水準を確保できたか。
 (長期的)過去に蓄積したCADデータの再利用に努めたか。
 3.施行部門
 (短期的)実行予算を組み、発生原価を予算内に納めることができたか。
 (長期的)将来的に他工事で利用・流用できる経験則を残したか。

 これら以外にも購買関連なども評価対象になると考えられる。目先の粗利も大切であるが、企業の存続を視野に入れると長期的な視点での評価項目も必須である。定量的な評価基準を設定し、工事実績データから自動算出できるようにし、定性的な評価を加えることで総合評価できる仕組みが出来上がると考える。

前田建設工業の耐震補強技術

日経産業新聞より
『進化する建設技術』のコーナにて前田建設工業の耐震補強技術が紹介されていた。この技術自身は同社が昨年の12月に発表したものである。簡単に説明すると中高層の建物にて耐震補強を行う技術の1つで、従来であれば建物内部に改修を加えなければならないが、同技術は建物の両側に鉄骨製フレームを付設するもの。従来工法と比較して居住者の一時退去が不要であることや工事の際の騒音を大きく抑えることができることになる。

耐震強度偽装問題で既存中高層建物の安全性への注目が高まっている。また改正建築基準法の施行前に建てられた建物がマンションだけで約150万戸あることから、こういった先進的な技術が一機に普及する可能性は高い。

マンションみらいネット

以前、このブログでも紹介したことのある『マンションみらいネット』の登録受付開始についての発表が国土交通省からあった。
以下、発表記事の抜粋である。
「本事業については、平成17年度に試験運用のための無料モニター登録を行う管理組合を募集しました。この度、試験運用結果を踏まえ、システムの改善を行った上で、本格運用を開始することとなり、4月3日(月)より登録申込受付を行います(閲覧開始は7月からを予定)。
また、本システムでは、5月15日(月)から、新規分譲されるマンションについても登録申込受付を開始する予定としています。 」
閲覧開始は7月からであるが、登録申し込みは殺到することも予想されるので検討している場合は早い目に対応しておきたい。
同記事から画面例がPDFにて紹介されている。中身をのぞいてみるとかなり詳細な情報まで掲載されており、マンションの信頼性・資産価値を高めることに有効であると考える。

ショールームHP上に開設

 日経産業新聞より
 クリナップがホームページ上に仮想ショウルームを開設する。仮想(バーチャル)といえばどうしても3DのCGが全面に押し出される傾向がある。クオリティの高さばかり追求するあまりショウルームとしての商品説明や事例紹介など本来あるべきものが欠けていることが多い。今回の仮想ショウルームでは音声、文字を使ったマルチメディア対応で注目できる。(個人的には3DのCGクオリティにもう少し凝ってほしかったと思っている・・・)
 技術的にはFlashとJavaアプレットが利用されており、アプレットの方で3Dブラウザを実現している。3次元ソースの形式は不明だ。昔VRMLという言語形式で3DCGを扱ったことがあるが、今となってはとても懐かしい。

経営事項審査の改正 防災に貢献する建設業者への加点

経営事項審査の改正が間近(2006年5月1日)に迫ってきました。改正内容はもう把握されていますでしょうか。今回の改正点は4つになります。
1.X1項目(完工高)の評点テーブルの見直し
2.防災に貢献する建設業者への加点
3.加点対象となる技術者の追加
4.加点対象となる資格の位置づけの改正
制度的なことも重要ですが、私が今回の改正で一番好き(?)な項目は2です。私も以前書きましたが、災害時に地域に大きく貢献する建設会社はもっと社会から大きく評価されるべきです。今回の改正ではP点ベースで最大3点の加点対象となりました。加点対象になったことで形式ばかりの防災協定が増加することはどうしても避けて欲しいのですが、真剣に取り組んでいる企業が評価されることに今回の改正の大きな意義を感じます。

錦帯橋

 錦帯橋とは岩国市の岩国城敷地内にある日本三名橋のひとつに数えられる橋である。何故この橋の話をするかというと、再三紹介している書籍『図解 よくわかる建築・土木―しくみと基礎知識』の橋梁技術で紹介されている日本最古のアーチ構造の橋だからだ。(非常に美しい写真がこちらで見れます。)
 技術的な興味から転じて最近は有名建築物を実際の目で見てみたいとの願望にかられています。出掛ける先々の有名建築物をあらかじめ調べておいて実際の目で確かめる。特に歴史のある建築物などは少しノスタルジックな感情にも浸れるので気分をかえるのにも良さそうです。

組織運営術

 本日、日経産業新聞にて千葉ロッテが一躍人気球団に浮上したワケをフロントの組織運営術として紹介している記事が掲載されていた。監督・選手が活躍する現場と対立することなくファンの心をつかむ仕掛け作りに真摯に取り組んだ成果が現れているようだ。
 組織運営のポイントとしていくつか紹介されているが、建設会社にも適用できるものとしては1.責任分担と情報共有の両立、2.領空侵犯の奨励、3.現場に耳を傾けるの3点であるように思う。3点に絞ったのは理由がある。監督・選手が活躍する現場は建設会社における工事現場に他ならない。その意味で組織形態が似ている部分がある。その組織形態の弱点を補完するポイントがこれら3点なのだ。
 1つめのポイントは情報共有の中でも特に課題共有をすすめたい。現場監督の任務は予定通り品質を保ちながら工事を進めること、経理スタッフの任務は1日でもはやく月次試算表を完成させること等々。それだけでは視野が狭すぎる。自分の任務が会社全体の目的や課題解決にどうリンクしているかを常に意識させることが本当の「共有」である。
 2つめの「領空侵犯」は上述の「課題共有」が実現できなければそもそも無理な話である。会社全体として解決しなければいけない課題を理解していなければ他部門がどのように動いても入力と出力さえ整合性があっていれば関係ないのである。他部門の処理をブラックボックスにしていては全社的な課題解決はありえない。逆にホワイトボックスになれば自ずと他部門への意見も出るものである。
 3つめは現場をないがしろにしないということ。顧客との接点を一番多く持つ現場の意見は顧客満足の視点に立っていればかなりの的を得ているはずである。(単なる現場のわがままとは区別しなければならない。)このポイントは課題発見や改善効果の測定などに多いに役立つはずである。
 組織運営と言ってもまず先決なのは全員の士気を高めること。全員が一丸となって全社課題に立ち向かえば少なからず良いアイデアもでるであろう。

ニチイ学館、介護サービス受託

 日経産業新聞より
 ニチイ学館、介護サービス受託事業を開始する。
 来月、介護保険制度が改正され、介護付き有料老人ホームや介護付き高齢者専用賃貸住宅のデベロッパーが介護サービスを外部委託できるようになる。デベロッパーなどの事業者は住宅整備に特化でき、専門性の高いサービスを外部調達することが可能となる。
 ニチイ学館の強みは全国展開している既存の訪問介護事業にある。そこから介護サービスを提供する介護職員を訪問させることで対応することができる。
 デベロッパーとしてはニチイ学館と提携し、介護サービスの調達までフォローする介護付き高齢者専用賃貸住宅の建設を地主に提案することもできる。
 この提携事業は今後大きく成長すると予測する。

TOTOのユニバーサルデザイン

 福祉住環境コーディネータの学習でユニバーサルデザインの部分があった。小さな文具から大きな住宅機器まで幅広くユニバーサルデザインは広まっている。福祉住環境でも重要な概念であるが中でも水周りの設備についてはよく検討する必要がある。
 「まずはトイレ・・・」と考えTOTOの関連サイトを探してみた。そして見つかったのが『TOTOユニバーサルデザイン』。企業としての取り組みについて紹介があり、トイレ、浴室、洗面所、キッチンの製品ラインナップもある。また関連サイトとして『楽&楽計画ドットコム』ではバリアフリー関連を中心に情報提供を行っている。なかでも良かったのが大人も使える介護ベッドを設置した全国おすすめの公共トイレ情報の紹介である。大阪で探してみるとATCエイジレスセンターにあった。今度見に行ってみようと思う。