品質で団塊世代囲い込み

 日経産業新聞(2006.7.31)より
 TOTOがユニバーサルデザイン製品の開発を加速させている。トイレ、バス、システムキッチンなど専用スタジオで試作段階製品をモニタに実際に利用してもらうなど、使いかってを徹底的に追求する。
 ターゲットは2007年以降に大量退職する見込みの団塊世代ということだ。
 中小工務店において、製品開発を行うことはあまり無いだろうが、自社がターゲットとする顧客の特性を把握することは重要である。戸建激安物件を目指すなら30代、家族は3~4人。年収は・・生活スタイルは・・・と想定して間取りや使用する製品をメニュー化する。逆に今回のような団塊世代ということであればすでに家のローンも払い終えつつあり、退職金で払い終えたら残ったお金を有意義に使いたいとしている。傷んだ部分のリフォームであったり、古くなったキッチンや浴槽の交換などである。こういった顧客には安いものというよりは品質・使いかってが良く、納得のいく価格で提供することに心がける。先の例よりもパターン化は難しい。夫婦二人暮しか息子夫婦と同居していたり、当然老後の住環境についても考慮しなければならない。しかしパターン化が難しいから大手企業の画一的な営業が難しくなり、中小工務店の出番が多くなる。この時期、大きなチャンスなのである。

やっぱり書いておくことが大切

 訪問を開始して半年になるとある建設会社での話。
 情報システムを利用して、経営課題だった原価管理の強化と収益性の向上を図ろうという会社だった。半年前に最初に訪問した際にいただいた社長の名刺の裏に「予算実績管理率70%、粗利ベースで5%アップ」と書いておいた。今のところシステムも無事稼動してきたのであるが、重要なのは安定稼動なのではない。
 「社長、そろそろ効果のほどを評価してみませんか?」と一言。ここで多くの会社は「評価ってどうやって何を評価するの?」と聞いてくる。この建設会社はその大多数ではなく少数派であった。社長席のノートパソコンに貼られた無数の付箋紙から1枚取り出して「これでしょ?」と差し出してくれた。最初の打ち合わせのときにお願いして記入していただいた付箋紙だった。名刺の裏に書いた「予算実績管理率70%、粗利ベースで5%アップ」と同じことが書いてある。
 もう経営改善が持続する仕組みができているようで、情報システムは道具の1つでしか無いことを理解していただいている。自分が提供したノウハウは微少なものであったが、今後も末永くお付き合いしたい会社の1つである。
 

リフォーム時のバリアフリー対策

不を解消するためのリフォーム。特に「不便」の解消はその中でも一番重要で優先される項目である。人によって「不便」を感じるところは異なるし、また同一人物であっても時の経過とともに「不便」と感じる箇所が変化する。
バリアフリーは段差の解消など対応内容が先行しがちであるが、基本的には居住者の「不便」を解消することが目的であることを忘れてはならない。そのため、バリアフリー対策も画一的な対応では無理が生じるのである。
ホームプロのホームページ『全面リフォーム時に考えるバリアフリー』にはトイレや浴室などの場所ごとのバリアフリーポイントが記載されている。しかし、どうしてそれがポイントとなるのか説明が無いのが残念である。このリストによって利用者の要望が限定されると本当の「不便」が見出せない場合も考えられる。利用者側の要望に隠れた本当の「不便」を追求できる工務店の対応が重要だ。

インテリアコーディネータの組織化

 日経産業新聞(2006年7月25日)より
 フランスベッドがインテリアコーディネーターの資格保有者の組織化に乗り出す。インテリアコーディネーターが顧客に対して行うコーディネート活動の中で、同社のインテリアの購買につながった場合に仲介手数料を支払う方式だ。
 アイデアとしては面白いのだが、問題は新しい販売チャネルとしてどの程度パワーがあるかだ。インテリアコーディネーターは建築系資格の中でも群を抜いて資格保有者が多い。しかし、それを実際に生業にしている人間はどれぐらいいるだろうか。商業施設などの建築を手がける建設会社の社員、または設計士、設計事務所の社員などは本業の補助的な資格として位置づけている場合が多い。逆に店舗内装などを専門に手がけ、繁盛店を多く排出する人は逆にインテリアコーディネーターの資格を持っていないケースもある。資格が無くてもできる商売だからだ。
 実際にコーディネートし、顧客がその意見に従いインテリアを決定する・・・このケースが年間どれぐらいの規模なのか非常に興味があるところである。

建設投資、1.2%減と上方修正

建設経済研究所が『建設経済モデルによる建設投資の見通し』を発表した。2006年の建設投資を1.2%減と上方修正している。原因は民間の非住宅系の投資が堅調に推移しているためだ。民間の住宅系投資もプラスで推移している。2007年度においても1.8%減と、全体としては縮小傾向なのであるが民間建設投資はプラスの見込みである。
民間が好調に対して政府系公共投資の減少傾向は今後も続き、公共工事主体で営業する建設会社は今後さらなる厳しい経営環境を強いられることになる。

岬町商工会にて経営事項審査対策セミナー

今日は大阪府最南端の岬町にて岬町商工会主催の建設業の経営事項審査対策セミナーを行った。内容は5月からの改正についての説明と評点アップ対策について。今回の改正は対策というほどのものはなく、再申請の対象であればX1評点がベースアップするために一定の評点アップはどの企業についても対象となる。そのため今回のセミナーは改正の内容とは関係なく、昔から言われている評点アップ対策について総ざらい紹介する内容とした。 続きを読む

いかに経営者の思いを伝えるか・・・

 個人経営や少人数企業の場合、経営者が自らの経営方針を語り従業員に対して徹底させることは大規模企業に比べて行い易い。組織構造も単純で風通しも良いからだ。一方企業が成長し、様々な性格の従業員も混ざり経営者との意思疎通がうまくいかなくなることがある。また、建設業のように現場に出かけることが多いと経営者と語る機会も減り同様の問題が発生する。
 経営者の考えが伝わらないと組織力が発揮できなくなる。単なる個人の集団となってしまうわけだ。そこで経営者な何としても組織を一致団結させようとする。
 それでは具体的にはどんな方策が考えられるだろうか。
 1.年頭挨拶や研修会で自ら訴える
 2.社内報や社員向けメールを活用する
 3.事業所や各現場を訪問し語りかける
 4.経営方針の浸透を自らチェックする
 概ねこういったところだろうと思われる。ちなみに私が一番お勧めなのは原始的ではあるが経営方針、経営理念を暗記させることである。朝礼などで唱和することがあるが、手帳や壁紙を見ながら読み上げるのでは形式だけで浸透しない。社員全員に暗記を義務付ける。義務なので押し付けっぽいが、頭の記憶に残ることでそれなりの効果は期待できる。そしてなるべく時間をみつけて上記3、4を継続的に行うことである。自分の口で語りその浸透をチェックする。これは経営者の重要な任務ではなかろうか。

ホームページをブログに

 現在、自分のホームページのブログ化作業中。MTを使ったホームページ構築について学習の意味も含めて進めている。もう少しで公開できそうなのだが隙間時間をみつけて進めているので中々大きくは進まないでいる。
 企業の中でもブログの検索エンジンに対する優位性に注目してホームページをブログ化しているものを最近多数見かけるようになった。もちろん、日記風なのではなく一見してもわからない作りになっている。
 やりたいことをやる時間がない・・・でもその時間の大半はやりたいことに費やしている。やりたいことが多すぎるのか自分がノロマなのか・・・

今日から新年度合格講座

 先日、2006年度診断士合格を目指す講座の担当分が終了したと報告したが、今日からはやくも2007年度の担当分がはじまった。他の科目はもっと前から始まっているので来年の1次試験にむけて1年以上向き合うことになっている。
 今年の担当は財務・会計から入り、あとで経営情報システムも担当する。今日は初回ということもあって科目の特徴や勉強の仕方、自分の体験談なども交えて話をした。少し気になったのはクラスの受講生同士に会話がないこと。まだ馴染んでいないということで、次回は昼食を一緒にとって交流を深めることを約束した。
 1年以上同じ資格にむかって学習することは並大抵のことではない。モチベーションも保てなくなることが多い。そんなメンタルな問題を解決してくれるのは受験仲間なのである。せっかく通学講座に通っているのであるから、そのあたりのメリットも活かしてほしいと考える。

表面的な問題を解決する・・・

 新しい顧客と話をするときに、顧客がかかえる問題点に対していかに解決策を提示するかが難しいとこのところ頻繁に感じる。人が気付いた現象は「本当の問題」自身ではなく、そこから派生した「小さな問題」であることが多い。ヒアリングをしていてもそこを強調してしまうあまり、即時的で効果のある対策を提案することができなくなる。また組織としても答えを求めるのではなく、考える組織を育成したいという願いも根底にある。
 それでも、顧客は初めて私という人間と話をし、いまかかえる問題点に対してどうにかしたいと感じている。
 1.目の前にある問題点をとりあえず解決する
 2.根本的な解決ではなく様々な再発が起こる可能性があることを示す
 とりあえずここまででいいのかとも考えた。自分という人間を信用してもらい次につなげるには・・・
 次のステップはじっくりと腰を落ち着けて対応しなければならない。そう望まれなければ単なる押し付けにもなってしまう・・・なかなか・・・なかなかである