今年最後

 今日はのんびりと過ごしている。朝8時に目が覚め、それから今までずっとお節料理作りの手伝いをしている。18時には紅白歌合戦が始まる。それまでにお節作りを完了して番組の開始から最後までゆっくりと見ていられるかが今年の締めくくりとなる。
 そろそろ来年の抱負をと考えているが、実はやりたいことが多すぎでどれにするか悩んでいる。あれもこれもと欲張ってはすべて中途半端になってしまいそうであるが、中途半端でもすべてに取り組みたいと欲張りな1年になりそうである。

連続群論入門

 『連続群論入門
 この本は私の大学の恩師に頂いた本である。大学院を修了し入社した会社では画像処理関連のソフトウェア開発を行っていた。3次元の回転行列に関する数学的な相談を持ちかけた際に頂いた本である。そのときは必要な箇所だけを抜粋して読んだだけであった。
 この本、必要なずっと前から読んでみたいと思っている。今となっては現役時代もたいしたことはなかったがすっかり錆付いてしまった数学的な頭を取り戻すための1つの玉手箱のように開かれずに本棚にしまってあった。今年、公務員向けに数的処理の講義を行い、3級からではあるが数学検定の受検を開始し、自分にとってみれば久しぶりに数学に触れた1年であった。
 本の裏表紙には購入した日付であろうか昭和49年10月25日と記してある。定価は当時550円であったらしい。ノスタルジックな感情とは無縁の数学に対してその両面から向き合える私にとって宝物となっている本である。

昨年のカレンダー

 事務所の整理をしていたら、昨年使っていた壁掛けカレンダーがみつかった。開業日の7月1日から出かけ先や作業内容などがびっしりと書き込まれている。私のわがままで退職させていただいた会社からの発注があったからである。今も含めて大変お世話になっており感謝してもしきれないぐらいである。
 よくよく考えてみればホームページの自己紹介も開業日前までで止まっている。年末年始の余暇を利用してその後今年の末までの活動内容を取りまとめたいと思う。

第三者機関が虚偽の報告をすれば何を信用するか

住宅品質確保促進法に基づく性能評価書で虚偽の報告がなされていたことが発覚した。虚偽の報告をしていたのは福井県建築住宅センターである。
住宅の性能を購入者が独自に検査することは色々な観点から不可能である。そのため欠陥住宅をつかまされるのではという心配は常につきまとう。とある住宅販売会社の社長は「住宅を販売することで重要なのは購入者の不安をいかに払拭するかである」といっている。もっともだと思う。ハード的な面はもちろん住宅ローンなどの金銭的な面も含めて多くの不安をかかえながらも一家の幸せな生活を夢見て住宅を購入するのである。不安材料の1つをやわらげてくれるのは住宅の性能表示である。
今回の虚偽申請も建築基準法では問題ない範囲としているが、そんなことはどうでもよい。この制度自身の信頼性を損ない業界全体が受ける悪影響がどれほどのものか真摯に受け止めてほしいものである。

大阪府の決断

 大阪府がすべての指名競争入札を廃止する方向性を示した。2007年度は1,000万以上の工事を対象とし、2008年度からはすべての工事が対象となる。廃止後は原則電子入札による一般競争入札となる。この記事で注目すべきは2点。
 1つは一般競争入札による落札率の低下が懸念されることである。一般競争入札を早くから導入している長野県では74%、京都府では85%と年々下がる傾向にあり、工事品質や技術提案を問う総合評価や施工を保証するボンドの早期導入が課題となろう。
 もう1つは電子入札である。現在大阪府は様々な機会を利用して電子入札体験セミナーを開催している。しかし中小建設会社は「今すぐでなくても・・・」とセミナーを受講するも具体的なアクションを起こしていない企業が多い。また、アクションを起こそうにも自社ではどうしたらいいのかわからない企業も多い。画一的にノウハウを提供するセミナーでは個別対応は無理なのである。企業側で多くの混乱を招きそうであるが少し強引すぎるぐらいの進め方のほうが足踏みもそろう感じもする。
 今後の動向に注目したい。

エクセル簡単ツールで毎日1時間半の効率化

 以前、ワンストップサービスセンター事業を利用いただいた建設会社よりメールを頂いた。相談の際に提供したエクセルの見積ツール(この企業のために完全オリジナルで作成)が僅かではあるが経営の効率化に寄与しているとのことであった。見積もりは毎日3件程度で1件に1時間~1時間半要しているが、このツールでそれぞれ30分は節約されているとのことであった。すなわち毎日1時間半の時間が空いたことになる。
 この企業の経営者は新ビジネスの立ち上げを目標にしているがそれまで時間が取れずにいた。見積もりを行い、現場を回り、会社全体を見なければいけない多忙な毎日だからだ。そこに1日1時間半の時間ができたとなればじっくりと取り組むことも可能となろう。
 ここにIT化の成功例の縮図があるように思う。時間がないという経営課題に対して時間を作るという解決策。ITはたまたま利用したツールにしかすぎない。この経営者はどれだけ時間が空いたかを報告してくれた。これはPDCAのCにあたる。このCを行わずに失敗する例が非常に多いのである。今後もこの企業を応援していきたいと思う。

見積明細は購入者に理解しうるか?

小泉前首相のメールマガジンとホームページの製作費用が5年間で18億円という驚きの価格になっている。ホームページが10億円。メルマガが8億円。1日あたり約100万円という計算になる。ソフトウェアの互換性などを理由にずっと随意契約になっていたらしい。
製作会社なら誰しも高すぎると感じる価格であるが、ソフトウェアの互換性にしろ、特別なセキュリティ対策が必要などと項目を増やして価格を吊り上げることも可能である。(ここで断っておくが実際に請け負った会社がそうしていると言っているのではない)
見積明細についてその内容が理解しにくいのはソフトウェア開発関係もそうなのであるが、建設関係もよく言われるものである。リフォームなど住まいの状況に応じて工事内容が変わる場合などなおさらである。そしてできあがった見積もりで値引きを要請すると端数値引きどころか5万~10万など簡単にまけてもらえるケースが多い。すぐに値引きに応じてくれるのは誠意のない見積もりである証拠ともとれる。
明細のすべてを購入者側が理解することは不可能であるが、それを逆手にとっての商売は人道に反するのではないだろうか・・・

平成19年度国土交通省関係予算について

 国交省のホームページで平成19年度国土交通省関係予算についての発表があった。総額は前年比3%減の6兆626億円。一般公共事業費も同率で5兆3,893億円となっている。もう経常化している公共事業費の減少は来年も続くのである。
 この現実を直視し様々な取り組みを行う建設会社がある。そういった企業を国交省、経済産業省は施策でもって支援している。その一方直視しないで「景気が回復してきたから公共工事も・・・」と度の過ぎた楽観視を続ける建設会社もある。公共工事一筋を悪いと言っているのではない。「あそこも公共工事でやってるではないか?」と聞くことがあるが、裏で行ってるコストダウンなどの取り組みが見えていないだけである。周りの会社は皆やっている。そう認識して危機感を高めて欲しいと思う。

「儲かる経理」に30日で変わる究極の方法

 今日は久しぶりに書籍の紹介をしたい。『「儲かる経理」に30日で変わる究極の方法』である。実はこの本、古書屋で発見した。私も顧客と経理部門が単なる裏方ではなく営業や施工部門と同じく戦力として立ち上がる方法について話をすることが多いためタイトルが気になったので購入した次第だ。
 ここに記載されていることの多くはとても有用なことばかりである。
 ・現金を扱わない
 ・帳簿は毎日つけない
 ・領収書も必要以上に整理しない
 ・ITを利用する
 これらのことは経理部門の省力化・合理化に寄与する。あなたの会社の中でも上記のことに是非チャレンジして欲しい。(とってもそれだけでは取り組みようが無いので本書を見るか私にたずねてもらってもかまわない)
 ここまでの話だけなら経理部門の管理者から反対攻撃にあうだけである。本書においても経理スコアラーと称して新たな役割を提言している。財務会計の専門家が簿記業務ばかりに時間を取られてはもったいないのである。そこでどんなに頭をひねっても会社は儲からないのである。管理会計を駆使し、そして経営者や現場スタッフにわかりやすいよう資料を工夫しながら提言する。これが儲かる経理(私は「戦う経理」と呼んでいる)の姿なのではないだろうか。
 本書は会計の解説書ではない。ただ経理人としてあるべき姿が紹介されている。この本を読んで一皮剥ければ自分が本当にやるべきことが見えてくるように思う。

経営事項審査の虚偽申請防止

 建設ジャーナル12月号の記事に経営事項審査の虚偽申請防止対策についてのチェック項目が掲載されていた。
 1.前期、当期の経常収支比率がいずれも100%未満、かつ当期経常利益がゼロ以上である
 立替期間の長い業界特性を加味したとしても2期連続で資金繰りの経常収支がマイナスになるのはおかしいとの考え方。これは粉飾決算かどうか判断するためによく用いられる基準である。他には以下の4項目である。
 2.総資本回転率の経年変化が異常に大きい
 3.未成工事支出金が月商に対して異常に大きい
 4.特別損失が売上高に対して異常に多い
 5.各勘定科目の金額が総資産の金額に対して異常に多い。

 不適切な会計処理の事例についても5つ掲載されている。
 1.未成工事の売上計上
 2.工事進行基準の不正な適用
 3.費用計上の先送り
 4.回収可能性の無い債権等の資産計上
 5.完成工事原価や販管費の特別損失計上
 特に1や3、5などは散見される事例ではなかろうか。私も経営事項審査の評点アップのセミナーをやることがあるが、上記のような不正行為を助長しないように気をつけている。あくまで評点アップは損をしないようにする策であって、できることには限界がある。それを工事ランクが下がるなどの理由により虚偽申請に走ることなど無理な背伸びはしないほうが身のためである。