建設会社における5S

 5S活動というものがあります。整理・整頓・清掃・清潔・しつけの頭文字Sをとったものです。

 主に製造業の生産工場などで行われる改善活動ですが、同じ「ものづくり」という面では建設業でも活用できる側面があります。木工所や加工所など社内生産加工を行っている場合はもちろんですが、現場でも5S活動は大切です。
 ただし、現場の責任者は元請企業ですので下請専門工事会社などが独自に現場で5S活動を進めることは不可能です。しかし各社が5Sを心がけ実施することで現場全体に5Sが行き渡るようになります。逆に現場の責任者だけが5Sを心がけていても実作業を行う側の協力がなければ効果は現れません。
 建設現場はその都度作業を行う人員が異なるためチーム意識の醸成が難しくQCや5S活動が根付かないといった意見がよく聞かれます。それを補うために活用すべきは安全協力会といった協力会社組織でしょう。この協力会も元請会社主体ではなく、各社が自社の5Sの取り組みを紹介し提言していくような積極的な関与が大切です。この積極的な関与が元請企業にとって掛け替えのない協力会社になっていくわけです。

 建設現場における5Sは作業効率の向上以外にも安全対策の効果もあります。資材の整頓やゴミの掃除、重機などの整備点検、決められたことを守って実行するというしつけ。どれも欠かせないものばかりです。各人・各企業が意識的に取り組むことで少しずつ効果が現れてくるものです。皆さんの現場での5Sはどうですか?

建設会社の朝は早い。7時の朝礼目指して5時半出発!

 和歌山県内の建設会社の経営支援を行っています。全10回のスケジュールで今日は2回目です。

 建設会社の現場の多くは8時開始。そのため建設会社の朝の始まりは7時というのが案外多いです。7時に社内朝礼を済ませ移動し8時からの現場朝礼に間に合わせるといったスケジュールです。今回の支援では従業員のモチベーション向上がテーマの1つになっており、従業員の方々にも顔と名前を覚えてもらおうと朝礼からの参加を依頼しています。その7時の朝礼に間に合わせるために事務所を5時半に出発です。支援は7時から10時までの3時間。日によっては10時から仕事開始のときもあるのですが、今日の10時は一仕事終えた充実感に浸っていました。

 今日はこのあとは和歌山大学での講義。お昼から夕方まで2本の講義、がんばります!

大阪府岬町商工会での経営相談

今日から年度末にかけて4回に渡り、大阪府岬町商工会にて経営相談を担当します。

岬町といえばみさき公園、ビーチバレー、海釣り公園など自然と深くかかわった施設・サービス・イベントが多い印象があり豊富な地域資源に恵まれた地域といえます。
しかしながら幹線道路は国道26号線のみで朝夕の渋滞は慢性化し、なかなか広域対象のビジネスは展開しづらい位置にあります。私も和歌山大学へ通う際には必ず通るのですが渋滞も多く、また道路沿いも大型店や商店でにぎわう様子はありません。

こうした中、少しでも力になりたいと思っています。お近くで日程があいましたら是非ご利用ください。

※具体的な日程についてはこちらでご確認ください。

福祉住環境コーディネーターのベーシックセミナーに参加し住環境整備の基本を学ぶ

この週末18日、19日は福祉住環境コーディネーターのベーシックセミナーに参加してきました。内容は住環境整備の基本についてで住宅建築の基礎知識や法規、さらには住宅改修の図面、見積作成と盛りだくさんでした。

開催はNPO法人ユニバーサルデザイン推進協会(通称:ゆにばっぷ)です。1級建築士でもある講師の方に体験も踏まえた活きた知識を植えつけていただきました。実際に図面作成や見積作成も演習しましたが、私が行うソフトウェア開発のそれとは大きくことなり、床面改修や手摺取付といった基本的な改修工事でさえ作成するのに一苦労でした。しかし実務体験はやはり貴重です。

また、同じ講習会に参加されていた鹿児島の大工さん、東大阪の内装屋さんと交流できたことも良かったと思います。これから親睦を深められたらと。

※最近、こうした建築系のセミナーに参加していると同じコンサルタント仲間の方から「安田さん、それって趣味じゃないですか?」と聴かれたりします。趣味じゃありませんよ。仕事です。ただ仕事が大好きなだけです。

CPDS対象講習会の講師として和歌山県紀美野町へ

 昨日は和歌山県紀美野町へ建設業の経営事項審査について話しにいってきました。紀美野町商工会さんでの講習会です。

 20年度の経営事項審査改正は和歌山県においては来年度から具体的な影響を持ち始めます。また、和歌山県では新業者評価制度という経営事項審査とあわせて評点計算する仕組みがあります。この二つをあわせた講習会です。この新業者評価制度は今までランク分けされ、ランク外の工事は入札に参加できない仕組みである程度小規模建設会社が守られる仕組みがありましたが、新制度導入により上位ランク者は下位ランクの工事に入札できるようになりました。(土木は直近下位ランクのみ)すなわち、下位ランクの企業は今まで競争してこなかった自分より大きな規模の企業との競争にさらされることになり、より競争は激化することになります。小さな企業においては収益の源泉ですが、大きな企業側にとっては閑散期に少し稼働率をあげるための目的だとか若手技術者に経験をつませる場といった目的で入札に参加してくる場合もあるでしょう。

 今後より厳しい状況におかれるため、攻めも大切ですが守りの体制強化も必須になるでしょう。

和歌山大学でのソフトウェア工学演習講義、今日は要求獲得がテーマでした

10月からはじまった後期。昨年も担当した先端ソフトウェア工学?に加え、今年はソフトウェア工学演習も担当します。

先週はガイダンスでしたので実質今日が1回目の演習となります。今日のテーマは要求獲得。演習の題材となる簡単な資料を手渡しグループでいかに要求をうまく聞きだすか・探り出すかを検討しました。そして私がシステム開発を依頼した部長役。皆さんが聞きたい質問に対して役になりきって返事をしていきます。
課題としてはやはり業務とITの知識バランスが大きくIT側に偏っていることと、その不足を補うための知識・ノウハウが欠如していることでしょうか。これは望むほうが間違っているかもしれませんが、相手はITの素人、業務のプロと考え、業務の最適化などはやはり先方に聞き意見を仰ぐのが吉。皆さん、今日の体験を活かして実務に役立ててほしいと思います。

ある経営者の悩み

 昨日は大阪市内のある建設会社の経営者より経営相談の申込があっていってきました。この経営者、今年になって先代から代表取締役を引き継いだそうで色々と悩みを抱えているようでした。

 しかもいわゆる同族会社ではなく就任した社長も先代社長と血縁関係があるわけではありません。今の社長は30代。社長より年上の職人さんも沢山おられるようです。相談は多岐に渡りましたが、その年長さんと結束を固めるためにオススメした方法を1つ紹介します。

 それは皆一緒になって「自社の良いところって何だろう?」と考えることです。固く言えば競争力。でも中小企業にあたっては「うちに競争力なんて無いよ!」と言う方が多い。
 「それじゃあお得意さんは何故あなたの会社に発注をくれるのか?」
 「それはつきあいが長いからじゃないか?」
 「つきあいが長いだけでこの不景気の中、仕事がまわってくるもんでしょうか?」
 「そりゃあうちだってミスをしないように○○○、信頼を損ねないように○○○、・・・」
 この○○○が実は競争力になっていることに気がつかないんです。
 「こんなこと他でもやってるんでしょ?」
 「とんでもない。」
 ということで自社の良い点1つ気がついてもらいました。こうしたディスカッションを私と経営者ではなく、経営者と従業員で行い、それを1つの報告書にまとめる。決算書なんかにあらわれてこない競争力をまとめる作業をすることで結束を固められるチャンスになります。こうした報告書を知的資産経営報告書と呼び、経済産業省も作成を啓発しています。
 また、「自分の会社って実はすごいんだ」と認識することで従業員のモチベーションもあがります。また誇りをもつことでまわりにも良い影響を与えます。これはオススメです。

完成図の無い建築物が多い中、11月から完成図の保存が義務化

 建物は図面をもとに作製してきます。でも工程が進むにつれて現場の状況により変更が行われ図面と違った施工を行うこともよくあります。しかしその変更は図面に反映されることが少なく、完成した建築物と正しく対応した図面(完成図)が無いことが多いのが現状です。

 そうした中、建設業法施行規則が変更され、完成図及び打ち合わせの記録、施工体制図の保管が義務化されることなります。施行は11月28日から。設計段階ではなく施工段階で各専門工事会社と打ち合わせて変更になった内容は正しく図面に反映される必要があります。そのためにも発注主との打ち合わせ記録だけでなく工事担当者内での打ち合わせ記録、及び完成図面への変更の必要性の有無など、さらには反映させたかどうかチェックできる体制・仕組みが必要になってきます。特に2次下請け、3次下請けなど階層が深くなるとこうしたチェック体制が行き届かなくなるのでさらに注意が必要です。

雑誌「建築知識」の付録DVDで現場管理の社内講習はいかが?

 大手企業であれば現場の工程ごとのチェックポイントは標準化され、チェックシートやモバイル端末を使った点検・チェックが行われている。しかし、中小企業は属人的なチェックに留まっていることが多く、また一人についても各現場で場当たり的なチェックしか行っていない場合にはチェック漏れなどが発生する。しかし各人、経験を活かしたチェックのコツを持っているのも確かであり、これらを社内で共有化することは品質向上、手直し工事の防止に有効である。
 『建築知識 2008年 09月号 』には木造現場管理のチェックポイントを凝縮したDVDが付属している。同誌は毎号ではないが、こうしたDVDを付録としてつけている。1時間ほどの時間でチェックポイントを現場で具体例を指し示しながら紹介している。活用方法としては社内勉強会の場でこのDVDをみんなで見て、意見交換することが効果的だ。必ず意見交換の時間を採る事が大切で、見るだけでは何も生まれない。まとまった時間が確保できなければ1時間のDVDを半分、または20分ごとに区切って数回にわけるとよい。もちろん毎回かならず意見交換の時間は設ける必要がある。参考になる部分だけを盗んで現場管理の向上に役立ててほしい。

中小企業診断士の更新研修にて経営革新への取組支援を学ぶ

今日は午後から中小企業診断協会大阪支部にて中小企業診断士の資格継続のための更新研修を受講してきました。テーマは経営革新への取組支援について。

中小企業診断士は資格取得後も5年ごとの更新が必要で、更新の都度、研修の受講回数や診断実務実績の要件を満たす必要があります。
更新研修はいくつもテーマがあってどれを受けるか悩むのですが、今回は岸和田市のものづくり支援コーディネート活動のこともあり経営革新の取組支援を選択しました。経営革新は世の中にないような新しいことを行うものではありません。皆さんの企業の業績に寄与するような新しい取組を支援するものです。そうした意味ではどんな企業にも経営革新の可能性はあると思います。