岐阜で開催された年に一度の大切な診断士の集まりに参加してきました

私が開業して間もなく始まった、私にとってとても大切な年に1度のイベントがあります。

兵庫県淡路島からはじまり、東京、札幌、倉敷、そして今回は岐阜で5回目になります。このイベントはだいたい5月ごろ。それを終えると間もなく開業日を向かえあと1ヶ月で丸5年となります。

Dscn3079 岐阜駅で集合していよいよ始まりです。好天にも恵まれました。

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最初に訪れたのは本格醤油の醸造元である山川醸造株式会社さん。アイスクリームにかける醤油など様々な商品を提案されていますが、奇抜なだけではありません。ベースには本物にこだわった醤油作りがあります。

工場内を山川社長自身に案内して頂きました。中は醤油の香りがただよっています。(私は煎餅が苦手なのですが煎餅が食べたくなりました。)

しかし醤油造りも大規模化・合理化の波が激しく、国内に残っているこうした醸造会社は少なくなっているとのことです。私の地元より少し南の和歌山には湯浅という醤油どころがありますが、事情は同じです。どんどん作り手が少なくなってきています。診断士としてではなく日本人として守るべき産業だと感じました。

Dscn3104 次は岐阜城。途中ロープウェーがありますが、観光案内はテープ放送が多い中、ちゃんとガイドさんが案内してくれました。なんだかとてもうれしかったです。外国の方も多く来られていました。途中、写真撮影を依頼されたのですが、どうしても外国の方だとしりごみしてしまいます。「チーズ」というのは日本だけかな・・・と考えながら無事撮影完了。そのあと鎌倉・奈良の大仏と並んで日本三大大仏と称される大仏様を拝見しました。鎌倉・奈良に比べるとひっそりと控えめな場所にあり観光客もまだら。でもそれがゆえにゆったりと拝見することができました。

Dscn3119 これなんだかわかりますか?

ピンボケですが、「鵜」です。そうです。夜は長良川で鵜飼いの見物です。時期と天気がよかったせいもあり、この日は大盛況だったようです。厳かな雰囲気の中、真っ暗な川面に炎の明かりで照らされた鵜匠と鵜の独特の動きはとても印象深いものでした。

Imag0268 翌日は長良川国際会議場で参加者が集まって近況報告。それと地元企業の経営者にお越しいただきプレゼン大会が開催されました。プレゼンを聞かせて頂いたからには質問や感想で返すことが礼儀。実はそんなことも教えて頂いたのはこの会でした。

Imag0273 最後は「美の壱」さんで釜飯を頂いて解散です。来年は金沢での開催となりました。来年も必ず参加します。

と、こんな報告ですと結局観光旅行に出かけただけかと思われるかもしれません。実は写真や活字の間にその何倍もの情報交換や意見交換が行われています。それがものすごい刺激となって私に来年までのエネルギーを与えてくれます。

今までの4回と比べて得られたエネルギーは大きいままで変わりません。それでも自分の中では色々と課題が見えた会となりました。来年までにその課題を見つめなおし克服して金沢に乗り込みたいと思います。

岐阜県の有名建築「ハイタウン北方」を訪問してきました

最近は遠方に出かけたときにその箇所の有名な建設物(建築・土木問わず)を訪問するようにしています。

今回は岐阜市の方に出かける用事があったのですが、JR大垣駅から樽見鉄道に乗り換えてハイタウン北方を訪問してきました。S1棟からS4棟がロの字に配置され真ん中には集会所があります。それぞれ異なった建築家が設計したこともあり意匠も様々異なります。ぱっとみた感じではそれでも統一コンセプトを感じさせる仕上がりでした。北方町の町並みとはそぐわない印象ですが、ハイタウンエリア内では統一感があります。

Dscn3061 これはS1棟。北方真桑駅から向かうと最初に飛び込んでくる建物です。外に張り出した階段がとても印象的です。

Dscn3064 少しわかりにくいですが、廊下側に面した壁は水色、ピンク、薄緑色などカラフルな波板形状のものが施されています。ただ、手摺外側の網目が外側から見た場合にそこまでうるささを感じさせない印象を与えていました。

Dscn3067 これはS3棟。縦方向にも横方向にも歪んでいるように見えますが決して錯覚ではありません。この特異な形は内装にも現れます。詳しくはホームページから間取り図をご覧下さい。

S1棟を見たときは「すごい!」、S3棟を次に見たときは「こっちのほうがすごい!」が第一印象でした。(建築の専門家ではありませんので幼稚な感想、ご容赦ください。)

Dscn3070 これはS4棟。「さらにすごい!」と圧倒されます。S1棟と同じく張り出した階段が印象的ですが、S4棟は柄杓のような形をしています。私には蛇のように見えました。

Dscn3074 そしてこれがS2棟。もう例える言葉も見つかりません。中はどうなっているのでしょうか。この写真右側上部の「人差し指を突き上げた」ような開口部は拡大するとこんな感じです。

Dscn3073 これはバルコニーの出入り口なのでしょうか・・・

Dscn3077 これはS2棟側からS2棟とS1棟の両方を撮影したもの。同じエリアの建物とは思えませんがそれは建築家とそのコンセプトの違いですから違いを楽しむ方がよさそうです。

全体を通して気になったのは生活感です。これらの建物はオブジェではなく住居です。しかも県営住宅です。当たり前ですが、こちらには生活をされている方がいるわけで、建築家が目指したコンセプトと実際の乖離をどうしても感じてしまいます。

物置とかした共同バルコニーや印象的な階段に干された布団やGパンなど。でも建築家と居住者を結ぶ「生活する」というパワーは圧倒的に感じることができました。

※居住者を配慮して、(といいますか当たり前ですが)敷地内には立ち居らず周りから撮影させていただきました。そのため真ん中の集会所は近くで見れませんでしたが仕方がありません。もし将来、ここに住むことになったら集会所をレポートしたいと思います。

建設業経営者セミナーと木材会館

27日は東京豊洲にて建設会社向けの経営者セミナーをある企業様が企画いただき、講師を務めました。

Imag0225 セミナーは午後から。前日に原稿の最終チェックを済ませて、当日の朝は会場の隣駅新木場にある木材会館を見学してきました。

木材会館は去年の7月に竣工した建物で東京木材問屋協同組合によるものです。構造は鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、一部木造でまさに木と鉄とコンクリートの融合した建築物ということになります。

新木場駅からすぐのため駅からも見えます。駅を降りるとさすが新木場。まわりは木材に関する企業が多く木屑のにおいがただよっています。そうした町並みのど真ん中に位置する木材会館はもうまさに地域資源以外の何者でもありません。

Imag0230 エントランスから中は入れませんが、窓越しにのぞくとしっかりとメンテナンスされている最中でした。

Imag0231 木は自然のものです。だから温かみがあり人に馴染みます。そのかわり面倒もみてやらなければならない。面倒臭い奴です。だから愛着もわきます。

とてもこの建物のことが好きになり、そして「建設業大好きコンサルタント」はセミナー会場に向かうのでした。

講演内容は写真には取っていません。今回は3部構成で1部と3部を私が担当しました。1部は建設業の現状と今後の行方からはじまり、勝ち残りのための様々なヒントを散りばめた総花的な内容。3部はその中でも「サービスを提供する」という戦略にスポットをあてて提案営業の方法とセットで話しました。

会場には数人規模の小さな企業から数百名規模の大企業まで様々です。そういった意味では総花的な内容は的をすべて外すことは無いのですが皆さんの満足度を高めるために受講者の様子を伺いながら、臨機応変に事例を交えつつ。

類似する内容で7月にも大阪・福岡・名古屋・東京でセミナーの講師を務めます。詳しくはまたこちらでも紹介いたしますが、今回よりもさらにレベルを高めて満足いただける内容にしたいと思います。

建設業許可業者数は減っていない

建設業許可業者数は減っていない。

そんな統計結果を国交省が発表しました。「建設業許可業者数調査の結果について -建設業許可業者の現況(平成22年3月末現在)-」

先日建設業に従事している人の数は大幅に減少したことをこのブログでも記載しました。従事者が減って許可業者数が減っていないということは単純に考えれば倒産等の企業減少を伴う従事者減はわずかでそれ以外の企業の1社あたりの従事者が減ったということであろう。リストラにより企業規模を縮小させ建設市場の需要にあわせてきたという企業の姿が見て取れます。

不良業者・不適格業者を排除すべく入札制度の改革などが行われています。しかし業者数は減っていません。不必要な競争を巻き起こしただけで技術などの優位性以外のところで不良業者・不適格業者は生き延びているのではないでしょうか。そしてそうした弊害が無駄に優良な建設会社の体力を奪いリストラ・人材流出を招いているのではないでしょうか。

端的にこう結論付けるのは強引かもしれませんが、原因の1つには違いないと確信しています。

建設業従事者数がとうとう500万人を割りました

建設業従事者数がとうとう500万人を割りました。

先日、総務省統計局から「労働力調査(基本集計) 平成22年3月分(速報)結果」が掲載されました。建設業は489万人と前年比33万人の減少です。これは全産業でみても最大の減少幅で減少率もトップです。1978年(昭和53年)より500万人を下回ったことがありません。30年前と同規模になったということになります。

建設投資は2010年度は40兆円を切る見込みだということは先日のブログでも記載しました。市場が縮小するなかで企業淘汰が進み従事者が減少するのはある意味しかたがないのかもしれません。しかし他産業に流出した人材が戻ってくることは殆どありません。こうして建設技術者が持つ優れた技術・経験が失われていくのです。

昨日、大阪府内で建設業の勝ち残りをかけてというテーマでセミナーの講師を務めました。私は建設業大好きコンサルタントであり、社会インフラの整備を担う建設会社や建設技術者を尊敬しています。微力ながら建設業の発展に尽力していきます。1社でも、1人でも優れた経験・技術が失われるのを防ぎたいものです。

ツイッターに着目した防災情報収集サイトが開発されました

独立行政法人防災科学技術研究所(国交省)が防災情報収集サイトを開発しました。(まだ公開されていませんが、リリース記事からたどれるPDFファイルに画面イメージが掲載されています。)

これはツイッターのつぶやきを自動収集して「地震だ!」などのツィートを地図上にマッピングしようとするもの。そのつぶやきの位置情報はジオタグ等の情報以外に登録者のほかの情報から推測するとのこと。

ツイートを地図にマッピングするものは他に渋滞情報などがあります。

建設業界においては土地情報(資産活用)などでの利用も可能性がありそうです。

平成22年度の建設投資は40兆円を割る見通しとなりました

RICE 財団法人建設経済研究所が平成22年度の建設投資の見通しを発表しました。(発表は4月20日付けです。)

そのなかで、平成22年度の建設投資の額は40兆円を割り込んで38兆5100億円とのことです。金額ベースで昭和52年度と同程度とのこと。しかもこの数値は上方修正された結果の数字です。

以下報告要旨の抜粋です。

【政府】
2010 年度は、国の公共事業関係費の大幅減により15 兆6900 億円と予測。なお地方単独事業費の減少幅縮小により、前回予測から8100 億円上方修正
【民間非住宅】
機械設備投資は2010 年度に上向くも、民間非住宅建設投資の回復は見込めず2010 年度の民間非住宅建設投資は、10 兆円を割り昭和51 年度の水準へ
【民間住宅】
2010 年度も引き続き低水準で推移
2009 年度77.1 万戸、2010 年度83.1 万戸

(抜粋ここまで)

景気回復を受けて設備投資が進むと考えられていますが、新工場建設といった大規模なものは見込めません。設備投資にともなう設置工事などが中心となるでしょう。住宅については2009年度予測で80万戸を割り込むと業界を騒がせましたが2010年度は少し回復するみたいです。ただ回復理由は、贈与税非課税特例枠の拡大や住宅版エコポイントの導入といった住宅取得支援策の効果とのことで、継続的な回復は見込めそうもありません。

こうした市場縮小が続く中で建設会社の倒産も多く発生しています。しかしそれでも業者数、従事者数は過多の状態にあり案件の取り合いが過剰な価格競争を生んでいます。価格以外の付加価値・優位性を見出さなければ、今後も市場縮小に伴い厳しい経営を強いられることになるでしょう。

設計・図面作業に強い味方!?指で押すだけで持ち上がる定規

日経ホームビルダーに新製品情報として掲載されていた商品が「ステンレス定規」。

定規が今さらなに?と思ってしまうが、写真を見たとたん、「これはいいアイデア!」とうなってしまいました。写真掲載可否は問い合わせてないのでここには掲載しません。是非、こちらのホームページを見てください。

小さなアイデアが盛り込まれた商品は見ているだけでワクワクします。自分で図面を書くことはないのですが・・・欲しい。

インターネットからの問い合わせだけで営業している工務店がいるなかで・・・

インターネットを活用して見込み客からの問い合わせや現場見学会などのイベントへ誘導する工務店が多いなか、逆にホームページを設けたもののいまひとつ効果が得られないと悩んでいる工務店はさらにその何倍もいるのではないでしょうか。

インターネットで営業するために必要なポイントはいくつもありますが、その中の1つに検索ニーズを知りキーワードを絞り込むことがあります。

例えば、私が住む貝塚市で営業している工務店があったとします。工務店の経営者は近隣の見込み客を発掘するためにホームページを設けました。そのホームページを訪れる人のほとんどは検索エンジンを使うわけですが、見込み客が検索エンジンで投入するキーワードと工務店のホームページ内で構成されるキーワードが一致しないとうまくホームページに誘導できないわけです。

そこでキーワードを考えてみるのですが、「貝塚市 工務店」、隣の市町村で「泉佐野市 工務店」、「岸和田市 工務店」、「熊取町 工務店」などはすぐに思いつきます。「工務店」を「モデルルーム」や「現場見学会」に置き換えてもいいでしょう。またこうしたキーワードは直接的に関連があると思い浮かびますが、「貝塚市 小学校」はどうでしょうか?市内の小学校のことを市内の人が調べることもあるでしょうが、近い将来、貝塚市に越してくる予定の人も考えられます。引越し先が賃貸なのか・・・それを期に住宅購入を考えているのか・・・と推測は広がってきます。

まずはキーワードを知ること。そのために便利なツールがバージョンアップして公開されています。Google キーワードツールです。無料で利用できますのでとりあえず利用してみてください。使い方は簡単です。よくわからない場合は「単語又はフレーズ」の欄に「住宅」や「工務店」と入れてみてください。

Untitled1 これは実際に使ってみた様子です。私が運営する別サイトで試してみました。キーワードは「経営事項審査」です。関連キーワードが提示され、それぞれのキーワードが月間でどれくらいの頻度で検索されているのかなどが得られます。

インターネットを活用した販路開拓。色々とご支援しておりますのでよろしければお問い合わせ下さい。

メール:yasucon@ea.main.jp

工務店等(戸建て木造住宅のつくり手)による維持管理業務への取組みに関するアンケート調査

「工務店等(戸建て木造住宅のつくり手)による維持管理業務への取組みに関するアンケート調査」の結果が国土交通省の国土技術政策総合研究所のホームページで公表されている。

全国の約450社のアンケートの結果である。新築を手掛けた工務店の多くが無償点検業務で住宅の品質チェックを行いつつ既存顧客の囲い込みを行っている。(このアンケートはリフォーム営業に対するアンケートではなくあくまで維持管理業務が対象)

また、維持管理について予め管理計画を立てている企業や、維持管理を想定してメンテナンスしやすい設計・構造にしているといった企業も多かった。長期優良住宅の制度が浸透しより一層そうした維持管理のための設計・構造を採用する工務店は増えるものと考える。

今後は建設投資全体で維持管理の割合が増えていく。今一度維持管理業務を見直したいのであればこの調査結果を一読することをお勧めする。