週間ダイヤモンド『ゼネコン時限爆弾』

またまた週間ダイヤモンドの建設業ランキングの季節がやってきました。

ここで危険度が高いとされた企業は得意先や金融機関への説明に追われます。

ここで危険度が低いとされた企業は「週間ダイヤモンドで安全と評価されました!」とPRを行います。

1つの雑誌で一喜一憂する建設会社と、そのランキングを真に受ける読者。ランキングは経審の客観的な数値で行われるので恣意性は低いけれども、ランキングの指標とされているパラメーターの選び方、その数値の本当の意味するところを把握する前に順位が先走るのはいかがなものか。

自己資本比率1つにとってもそう。純資産と総資産を単純に比較しても借入金の中には経営者資金が入っており実際は純資産とイコールとみなせるものもある。支払利息額と借入金の額から利率がわかる。極端に低い場合はそうしたことも考慮すべき。

「そこまで詳細に分析するのではなくパッと見ただけでわかるパラメータ」も大切ではあるが、実態を表していない可能性を大きく説明しておかなければ、ランキングが先走り、顧客は発注を取りやめ企業の収益悪化に拍車をかける。残念ながらこのランキング記事の影響力は相当大きいのである。だから説明責任も大きいはずなのだ。

LEDと有機EL

大阪の繁華街、難波周辺を歩いています。クリスマス直前ということもあってイルミネーションが目立ちます。そんななかひときわ目をひくのがLED照明です。住宅など建物内部の照明としても一般的になっています。
そんななか日経コンストラクションを見ていると有機ELの照明の話が載っていました。
有機ELといえば通常テレビなどの映像装置として使われるイメージがありますが照明としても使えます。技術の進展により薄くしかも曲げられる素材のものも出てきました。
LEDとの違いは面光源であること。壁紙全体が光ることをイメージしてください。ただしLEDにとってかわるのではなく用途によって使い分けられることになります。
やわらかい素材。。。飲食店ではテーブルクロスが光りそう。。。紙鍋があるなら光る鍋もおもしろいか。。。ノートパソコンもくるくる丸めて持ち運び。。。。もちんクリスマスイルミネーションにも新しい表現がうまれそうです。
色々な用途が期待されます。

ストック時代の大改造技術

フローからストックへ。様々なところで言われているこのフレーズは建設業界では尚頻繁にきくキーワードでもある。道路、橋、ダム、トンネルなど社会資本もその多くが改修時期を迎えるものの国・自治体の予算が限られているなか対応が後手後手にまわりがち。それでも緊急度の高い部分の優先順位を高め何とか改修を進めている状況だ。

日本の建設投資は40兆円弱でその25%は維持・修繕工事と予測されている。この割合は今後も高くなり概ね50%程度までは進むと私は考えている。すでに成熟社会を向かいえている欧州の国では55%~70%程度が維持修繕とされている。

そんななか日経コンストラクションでは「ストック時代の大改造技術」という特集を組んだ。

住宅系リフォームでも現場で開けてみなければわからないことがあると言われるが、それは土木系の社会資本も同じ。自然にさらされていることを考慮するともっと複雑に様々な要因がからみあい予想外の対応を迫られることになる。それでも工事を施工する企業は創意工夫をし、コストを抑え、工期を延ばすことなく機能再生を実現している。この特集記事を読んで日本の土木技術の高さとこれからもっと必要とされるであろう維持修繕対応技術の高さを痛いほど感じた。

こうした技術は今後の日本の競争力になる。今は新興国のインフラ新設で世界競争が繰り広げられている。もっと長期に目をやれば再生工事での競争が新設競争を追い抜いていくことは目に見えている。

多くの土木系企業は競争に疲れ技術開発・技術承継どころではない。多くの技術・ノウハウは失われている。それは日本の力の低下である。

自由競争もいいが本来は競争力を高めることが目的ではなかったか。

建設企業の連携によるフロンティア事業

国交省の施策「建設企業の連携によるフロンティア事業」についての情報を得ましたので案内いたします。

平成22年度補正予算関連
「建設企業の連携によるフロンティア事業」と建設業への金融対策の強化に関する説明会
~地域を支える建設業を応援します~

地域の建設企業の連携強化と技能者雇用により、維持管理、エコ、耐震等、今後成長が見込まれる分野での市場開拓を行おうとする取り組みに関して、国土交通省では平成22年度補正予算により事業立ち上げ費用の一部を支援します。
また、建設業の資金繰りを支える金融支援対策として平成23年3月末までを期限に制度化していた「下請債権保全支援事業」と「地域建設業経営強化融資制度」を支援内容を拡充し、平成24年3月末までに期限延長します。

【主 催】 国土交通省 近畿地方整備局
【日 時】 平成23年1月14日(金)10:00 ~ 12:00
【会 場】 國民會館 12階 大ホール
大阪市中央区大手前2-1-2 TEL 06-6941-2433
(大阪市営地下鉄 天満橋駅(谷町線)下車 3番出口を大阪城方面へ徒歩3分)
【定 員】 140名( お早めにお申し込みください )
【対 象】 建設業許可業者等
【申込方法】 参加申込書に所定事項をご記入の上、FAXにてお申込みください。
【内 容】
1.「下請債権保全支援事業」と「地域建設業経営強化融資制度」の拡充と延長に関する説明 10:00~10:30
説明者 国土交通省 総合政策局 建設市場整備課 係長 重見忠宏
2.「建設企業の連携によるフロンティア事業」に関する説明 10:30~11:10
説明者 国土交通省 総合政策局 建設市場整備課 課長補佐 藤條聡
3.フロンティア事業個別相談 11:10~12:00 ※原則事前予約制
相談対応者 国土交通本省、建設業振興基金、近畿地方整備局担当者

【問い合わせ先】
国土交通省 近畿地方整備局
建政部 建設産業課 課 長 補 佐 井尻博之
経営支援係長 今井智
TEL:06-6942-1141(代)
FAX:06-6942-3913

建設企業の連携によるフロンティア事業

  • 建設企業の転業・事業転換支援策の検討・実施(意欲を有する建設企業(1万社)の転業・事業転換)
  • 建設業による収益性の低い部門の撤退・縮小とPPP等の成長分野の開拓(事業構成変更)を支援

地域の建設企業の?連携強化と?技能者雇用により、?維持管理、エコ、耐震等の成長が見込まれる分野での市場開拓を行おうとする取り組みを支援する。

建設業への金融対策の強化

依然として厳しい経営環境に加え、先行き不透明感が増すなど、建設業を取り巻く状況が一層厳しくなることが懸念されるため、建設企業に対する金融支援を強化

下請建設企業への金融支援

  • 下請債権保全支援事業の拡充と延長
    下請債権保全支援事業の拡充を行った上で、事業期間を平成23年度末まで延長する。
    【拡充内容】
    保全対象となる元請建設企業に係る要件の大幅緩和(公共工事受注実績要件の撤廃等)
    下請契約締結時に保証申込を行うことができるよう新たに措置(保証限度枠方式の導入)
  • 本格的な下請債権保全策の導入支援
    支払ボンド等の円滑な導入に向けた支援を行う。
    ・制度の広報普及、保証料負担等の軽減措置
    ・再保証等のための基金の造成等
    ※ これらのため、現行の建設業債権保全基金を拡充する。

元請建設企業への金融支援

  • 地域建設業経営強化融資制度の拡充と延長
    公共工事代金債権を活用した低利融資制度(地域建設業経営強化融資制度)について、対象工事に病院、福祉施設、PFI等の公益的民間工事を追加した上で、事業期間を平成23年度末まで延長する。
    ※ このため、現行の建設業金融円滑化基金を拡充する。

地域商店の振興支援で思うこと

今日、大阪府内のある場所で商店(街)の振興支援を行いました。

通常、商店街の支援といえば空き店舗対策やイベント実施などで活気を取り戻すことを想定しがちですが、今回のケースは全く異なります。

まず、商店街ではなく商店が点在する街であること。個人経営の店舗が多いこと。そして皆が街を愛していることです。

最初に4店舗の訪問をしました。皆さん家族経営です。賃貸経営ではなく店舗付住宅なのでほとんど固定費はかかっていません。そうした最小事業体を限りある売上・利益で維持しているのです。あるいは年金でまかなっているお店もあるでしょう。

そうした店舗に「いかに売上・利益をあげるか?」、「顧客満足の向上は?」、「マーケティングの効果は?」なんていっても意味がありません。そうした方法・ノウハウのニーズが無いのです。

そのため、訪問後の会議の場で、「商店は儲けなければならないという前提を撤廃して話を進めていきます」との一言からスタートしました。皆さん、自分の店を守ること(維持すること)と地域・街を元気にすることが大きなテーマ。そして疲弊し余力の無い状態で何ができるか。どう、この諦めムードを打破するか。

そこでまずは課題の共有。愚痴の言い合いといえばそれまでですが、あくまで振興を前提に意見を言って頂きました。そしたら参加者(個店経営者)と個店の魅力がいっぱいつまった発言がたくさん飛び交います。やはり地域の振興は産業の振興、産業の振興は個々の企業・店舗の振興以外ではありえません。

決して効率のいい方法ではありませんが抽出と共有、そして何よりも何かをしていこうというチームづくり・雰囲気づくりができたのではないかと思っています。

あと3回、こうした会合が続きます。

立派な計画はおそらくできない。それでも「何かやってみた」という最初の1歩を大切にして進めていきたいと思います。

住宅メーカーの海外進出

日経の記事を読んでいます。日揮と積水ハウスがサウジアラビアで省エネ住宅を販売する。
他に住宅メーカーの海外進出事例は大和ハウス工業、住友林業、積水化学工業、三洋ホームズ、パナホームなどがあげられている。
日本の住宅産業は市場の縮小を免れない。大手企業はその大きな経営資源を維持するために需要のある地域を模索する。
メーカーの海外シフトは建設資材業界にも影響を与えるはず。資材も市場を国内から世界に目を向けないとだめだろう。そして価格競争のため空洞化は大きくなる。
中小工務店の影響は限定的。メーカーの系列施工店であっても独自に生き残りをかけた戦略は立てることができるし、その程度の需要は国内住宅市場にも残るからだ。選り好みをしなければの話だが。。。