建設専門工事業はブログで情報発信を

先日、専門工事業を営む企業に支援のため訪問してきました。この企業は優良な得意先がいくつもあるのですが、建設投資全体の冷え込みから売上利益ともには減少傾向です。ただ、得意先が安定しているところから営業に積極的に動けていないところが逆に弱点ともいえます。さらにコスト面では新規に営業マンを入れることも現段階では難しいです。
もちろんトップの社長は営業は行っているのですが、既存顧客からの案件情報収集が中心になっています。また現場パトロールも行っており、そうした安心感が当社の強みにもなっている・・・
こうした企業は全国にも多いと思われますが、改善すべき点は2つです。1つは情報発信を行うこと、もう1つは施工における現場管理能力の向上とさらに施工班による案件情報の吸い上げです。案件情報の吸い上げとはコミュニケーション能力が大切で質問力などがポイントとなってきます。このあたりはまた後ほど触れたいと思います。
今回の企業支援は情報発信がテーマでした。ホームページも持たない当社にとって手間や時間がかかる方法よりも簡単にすぐできる方法があっています。そのためにブログの活用を提案しています。0からブログの仕組みやビジネス活用のポイントを伝えながら立ち上げと運用方法の説明までおおむね2時間あれば完了します。さらに無料であるところも大きいですね。
気軽に継続できる仕組みとしては携帯電話の活用が欠かせません。スマートフォンを使いこなしていれば更新用アプリを導入。簡単なメールしか送信できないという方向けにはモブログ(写メールでブログを更新する仕組み)を使ってもらいます。
今回もモブログとスマートフォンアプリの導入までいけました。
最後のポイントはやはり継続です。毎日投稿する必要はありません。自社の強みが活きた現場や施工班の写真に加えた簡単な説明を入れるということを続けていくことが必要です。
 

CPDS認定講習「入札制度の動向と対応について」というテーマで語ってきました

和歌山県龍神市民センター 大ホールにて、CPDS認定講習「入札制度の動向と対応について」の講師を務めてきました。
講演の内容は国や和歌山県の入札制度動向や国交省発表の「建設産業の再生と発展のための方策2012」について説明しながら、今後の対応のあり方について解説するというものです。
総合評価方式の見直しが進んでいることや、施工能力以外に社会的な貢献がランク付けに重視されるようになってきたことなどいくつかのトピックを織り交ぜて話してきました。
和歌山県はダンピング対策としては進んでいるほうで、制限価格価格や調査基準価格の設定レベルも高いほうです。ランクダウンなどの基準設定にもさまざまな工夫が見受けられます。
こうした動きは「不適格業者を排除し、建設業界を守る」方向に動いています。社会から求められる建設会社のあり方が具体化され、それは建設会社にその対応を求めることとなり、ついてこれない企業はふるい落とされることになります。
ただ、行政が求めている企業像は決して高いレベルのものではなく社会保険加入など義務的に求められているものにすぎません。ただ、そうした義務的なものまでそぎ落とさなければ存続が危ぶまれる状態であることも確かで、これは企業努力だけでなく行政はもちろん、利用者となる地域も含めて全体で対応していくべき課題です。
講演の帰りに台風12号の災害現場に寄り道しました。災害の爪痕はすさまじいですが、どんなに大きな災害でも、その地域には果敢に復旧・復興に挑む建設会社、そこで働く人たちの勇気あふれる姿があります。
社会のインフラ、地域の安全安心を担う人たちです。自助努力はもちろん必要ですが、守るべきものは必要としている人たち全員で守る必要があると感じた1日でした。

 

和歌山商工会議所の会報に記事が掲載されました


和歌山商工会議所の会報『わかやま月報』12月号で安田の記事が掲載されました。
経営ナビのコーナーでタイトルは『経営事項審査Y評点の8指標についての解説』です。もしよろしければご覧ください!
お持ちでない方のために、、、、以下がその内容です。
経営事項審査Y評点の8指標についての解説
安田コンサルティング
 代表 安田 勝也

建設会社が入札に参加する場合に受審する経営事項審査。様々な評価項目があります
が財務についての評価点数をY評点と呼びます。Y評点を構成する8つの財務分析指
標を解説します。
建設業に関係ない業種の皆さんも是非ご一読下さい。他の業種の方々でも利用できる
分析指標ばかりですし、また取引先が建設会社で経営事項審査を受審している場合に
は審査結果が公開されていますので与信管理などで利用することができます。詳しく
は一般財団法人建設業情報管理センターのホームページをご覧下さい。

1. 純支払利息比率
売上高に対してどの程度の利息負担があるかを表します。改善させるには利息負担を減少させる。すなわち負債の減少、条件が改善する借換えの2つがあります。
2. 負債回転期間
ここで負債とは借入金だけでなく仕入債務や各種引当金等も対象です。この指標を改善させる方策は大きく2つ。売上を伸ばすか、負債を減らすかです。売上増を図る際には仕入債務が増えすぎないように配慮が必要です。手形を減らし支払サイトを短くすることも有効です。
3. 総資本売上総利益率
この指標を改善するには収益性を高める(売上総利益の増加)か、効率性を高める(売上高の増加又は総資本の圧縮)といった2つの方法があります。売上総利益は売上高の増加又は売上原価(工事原価)の減少により改善します。受注を伸ばしても仕掛工事が多い場合は総資産が増加するためにこの指標は悪化する可能性があり注意が必要です。
4. 売上高経常利益率
収益性を分析する際に利用されます。改善させる方法は3つあります。1つ目は完成工事原価の減少。2つ目は販管費の減少。3つ目は営業外費用、すなわち支払利息の減少です。完成工事原価、販管費を減少させることで価格競争力を高め、得られた利益により借入金を返済し支払利息を下げるという手順が王道です。
5. 自己資本対固定資産比率
純資産と設備投資との比率です。設備投資資金の調達が借入か自己資金かを表しています。この指標を大きくするには自己資本を増やすか、固定資産を減らすかです。
「固定資産を持たない建設会社が評価されるのはおかしい」とよく話題になる指標です。
6. 自己資本比率
自己資金と借入金の資金のバランスを表します。改善方策としては1.自己資本を増やす2.借入金を減らす3.全体の資産を減らすの3つが考えられます。自己資本を増やすための方策としてはさらに「利益を出す」ことが基本となります。
7. 営業キャッシュフロー
本業でキャッシュがプラスになっているかを測ります。増加させるには?引当金・減価償却を増やす1.売上債権を減らす2.仕入債務を増やす3.棚卸資産を減らす4.未成工事受入金を増やすなどが考えられます。
8. 利益剰余金
利益剰余金は貸借対照表の純資産の部に含まれる項目です。改善方策はもちろん利益を出すこと。そして配当など社外流出を抑え内部留保を厚くすることが大切です。

以上です。財務分析の参考にしてください。

安田コンサルティング 安田勝也( yasucon@ea.main.jp http://yasucon.jp )

経営指針書2013


来年度の経営指針書が完成しました。今週末、経営者仲間に発表してブラッシュアップする予定です。

経営指針書は経営計画書と読んだほうがわかりやすいかもしれません。ようは来年度どうするということを書いているものです。
ただ、単なる計画に留まらず、経営理念からおりてくるビジョン、そしてビジョンに到達するための方針、方針のもとに定められた計画、これらが合わさっているのが指針書です。

指針書を作成することのメリットは色々あります。社員と意識を揃えるためとか、あるいは経営者自身のよりどころとか。
私にとっては自分のこれからの一年が理念を追求する一年であることを確認し進めるためにあります。

2013年が経営理念にのっとり、多くの経営者を元気にし、そして次の世代のためによりよい社会とするための1年であること。

それを指針書の最終ページに約束し、ブラッシュアップのあと署名捺印して本当の完成です。