元気つうしん 2019年2月号 Vol. 43

~事務所だより~

皆さん、こんにちは。安田コンサルティングの安田です。本号では「不安と危機感」というテーマでお話ししたいと思います。

経営者は社員に対して「もっと危機感を持ってほしい!」と感じています。しかしどうしたらいいのか具体的な手が打てないでいます。そのヒントは「迷子の迷宮」という話に隠されています。
皆さんはショッピングセンターなどで迷子になって泣いている子どもを見かけたことがあるでしょう。その子どもはどうして泣いているのでしょうか?
「そりゃあ、お母さんがいないからでしょ!」であれば、お母さんの居場所を教えてあげれば泣き止むのでしょうか。「泣いている子ども」は「不安いっぱいの社員」のことだと思ってください。話を進めます。
「君のお母さんは2階の手芸売場にいたよ」と教えてあげます。でも泣き止みません。「あっそうか、この子は自分がどこにいるのかわからないから、2階っていっても階を上がるのか降りるのかわからないな。」と気が付きます。「君は1階のおもちゃ屋さんにいるんだよ」と教えてあげます。でも泣き止みません。「あっそうか、1階から2階にどうやっていけばいいかわからないな。」と気が付きます。「そこのエスカレーターを上って、まっすぐ50mぐらい行けば手芸売場だよ」と教えてあげます。でも泣き止みません。途方にくれたあなたは、2階の手芸売場に連れて行ってあげることにしました。一緒にエスカレーターで2階に上がります。そこで50m先の手芸売場にお母さんがいるのが見えました。すると子どもはつないだ手を振りほどき一生懸命に走っていきます。もう泣いていません。一生懸命走るだけです。

話をまとめます。
お母さんのいる手芸売場は「目標、夢、ビジョン」です。自分のいるおもちゃ屋さんは「現状」です。この目標と現状には大きな隔たりがあります。それが「問題点」であり、その問題をクリアする解決策を考えなければなりません。でも先ほどの話でも解決策を示したのですが子どもは泣いたままでした。それは解決策がその子にとって難しすぎたのです。社員に対して「自分でも何とかなりそうだ」と思える具体的な解決策が必要です。子どもは50m先のお母さんを確認して走りました。「一生懸命走る」ことは自分でもできると思ったのでしょう。この瞬間に「はやくしないと、またお母さんを見失うかも」という危機感が生まれます。「お母さんがいない」という不安から危機感に変わった瞬間です。

目標と現状、そしてその人にでもできる解決策。この3点を明らかにしなければ危機感は生まれません。それを考えるのは社員ではなく私達経営者の仕事です。目標・現状・解決策。しっかり社員さんに伝えて危機感を力にして前進していってください。

 

~建設業ニュース~

【民間工事で働き方改革推進(国交省)】
国土交通省は、民間工事で働き方改革を推進するため、2019年度当初予算案に3300万円を計上しました。民間工事における元請け・下請け間の工期設定や発注手続きの実態調査を行う他、現場に週休2日制を導入する民間発注者に専門家を派遣し、契約図書の作成を支援します。
働き方改革関連法が施行される今年4月、時間外労働に対する罰則付上限規制がスタートします。建設業には24年4月まで5年の猶予期間がありますが、建設業法を改正して受発注者に適正な工期を設定する責務を課すなど、猶予期間を待たずに現場の長時間労働是正に取り組む考えです。

【同封物】
先日訪問した企業よりチラシ同封のご依頼をいただきました。軽トラックに取り付けられるカーゴキャリアです。お問い合わせは安田コンサルティング又はメーカーの有限会社エフクラス(連絡先はチラシをご参照ください。)までお願い致します。

外部経営者を招いての第15期経営指針発表会を開催しました

皆さん、こんにちは。安田コンサルティングの安田です。本日は1月28日に開催しました第15期の経営指針発表会の様子を報告します。

経営指針というのはいわゆる経営計画のことです。私が所属する中小企業家同友会では経営理念、ビジョン、経営方針、経営計画をまとめて経営指針と呼んでいます。

今期が始まった1月7日にはスタッフ向けの経営指針発表会を行いましたが、今回は同じ中小企業家同友会の仲間で各自企業経営者でもある皆さんに集まってもらって発表させてもらいました。安田コンサルティングでは初めての取組です。

外部向け経営指針発表会の目的は色々ありますが、主には以下の通りです。

  1. 第3者の目からみた経営指針の評価を得ること
    経営指針を発表したあとは質疑応答や感想をいただく時間があります。「この部分はどうなってるのか?」「ここはあいまいじゃないのか?」「具体的な対策は練られているのか?」など率直な質問が飛び交います。それに答えることはもちろん、明確に答えられない部分を知ることも大切な気づきとなります。これらにより経営指針をブラッシュアップし完成度を高めるのです。
  2. 仲間に自分の夢を知ってもらうこと
    私は様々な目標を仲間に知ってもらうことで、「知ってもらう→認めてもらう→応援してもらう」の段階を経て達成の可能性を高めていくことがとても大切だと思っています。経営指針書に込めた10年後のビジョンは私にとって大きなハードルがたくさんあります。また見えていないハードルもたくさんあります。でも仲間は「この夢、おもしろいやん!応援するわ!」と言ってくれます。それを力にするのです。

初めての経営指針発表会。まだまだ試行錯誤ですが来年はもっと良い発表会、皆に喜ばれる発表会、高い成果が得られる発表会にしていきたいと思います。