中古住宅、ネットで購入、ネットでリフォーム

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日経アーキテクチュア2015年7月25日号の2つの隣り合うクローズアップ記事がおもしろいですね。

アマゾンが住宅リフォームを積水や大和ハウスなどと提携してネット通販に乗り出す。

また、ヤフーとソニー不動産が提携してヤフー不動産というコンテンツを整備して個人住宅の出品をウェブ上で行える仕組みを作るとのこと。

当然、2つを組み合わせればネット上で「あの家いいなぁ!でもキッチンがなぁ・・・よし、購入してからアマゾンでキッチンだけリフォームしよう!」というようなことが起きそうな予感。

もちろん、実現するために様々な問題があるのでしょうけど、中古住宅の流通を広げていきたいのは政策でもあります。ネットで流通するということは色々な障壁がなくなるわけで、そこに新しいものが生まれる期待感もあります。

アマゾンなんかでは、いま本や電化製品のページでもやっているように、キッチンリフォームのページから、様々な関連商品の提案や他の利用者の活用事例も参照できるようにしたらいいですよね。建材を施主が自らネットで探して、ドラッグ&ドロップで実際の据え付け工事が発注できてしまう・・・という世の中を想像してしまいます(^^)

プラント工事業様向けの経営戦略セミナー

ブログでの講演記録も遅れに遅れてすみません。今回は2カ月半ほど前に行った大手プラント工事業様向けの経営戦略セミナーです。
建設業界の動向、プラント業界の動向、コンプライアンスの流れ、政策の動向などを踏まえながら今後10年を生き残る経営戦略の在り方について講演させていただきました。
対象は全国営業所の経営幹部の皆様。集まっていただいた皆さん以外にも拠点とテレビ会議をつないでの大掛かりな講演となりました。
経営戦略の在り方については百社百様なので、一般的なことと企業事例を踏まえつつ、ビジョンと戦略。戦略立案のための環境分析。組織育成とモチベーションなどについて説明しました。また今後必ず対応を迫られることとしてBCPと付加価値潜在力の2つを紹介させていただきました。
講演は2時間という限られた時間でしたが、皆さん何等かの気づきを得たようでした(^^)!

「この10年を勝ち抜く!建設会社のための経営戦力講座!!」

「この10年を勝ち抜く!建設会社のための経営戦力講座!!」というテーマで7月9日に東京都内、10日には仙台市にて講演してきました。
10年後・・・2024年です。2020年には東京五輪が開催され、2021年は東北の震災から10年という時期です。また2020年には建設業の就労者が300万人を切ると予想されそれは2010年の60%程度にあたります。4割の人が建設業から離れるということです。国は国土強靭化の流れを地方に展開し、そしてインフラ構築の力で海外市場を獲得したいと方針を立てています。
こうした外部環境をもとに自社の10年後をどう見るか。誰もが賛同するビジョン・目標を掲げ、自社の強みを伸ばし、競争力を向上させ、付加価値と収益性を高め、さらに強みを伸ばすために再投資するというサイクルを回さなければなりません。
自社の発展、10年先の明るい未来のために「お金」が必要です。だから利益を確保しなければなりません。そのためには目先の工事で客観的な収益管理を実施し、「競争力の種」を生み・育てなければなりません。
戦略は企業によって違います。講演のなかでは今後の変化を鑑みて、建設業では絶対に外すことのできない2つの戦略についても説明してきました。
この講演が受講いただいた方々の経営のヒントにつながってくれることを祈っております。

商工会さんと一緒に建設業振興を考える

先日、イラストのようなかわいらしいユルキャラがいる町に出張に行ってきました。商工会さんと建設業振興のために行われる事業の内容の打ち合わせと、町内の建設会社さんのコンサルティング支援のためです。
今回、商工会の担当者さんはミラサポ(https://www.mirasapo.jp/)の専門家の中で建設業が得意なコンサルタントがいないかと探したところ私を見つけて頂いたとのこと。とてもうれしい出会いとなりました。
商工会さんから事業の概要をヒアリングし、講演や企業コンサルティング、事例集作成などそれぞれに対して意見交換をしました。こうした支援機関の方と建設業界の振興策についてお話ができることは私にとってとてもうれしいことです。建設業支援を通してより多くの経営者に元気になってもらい、より良き社会にしていきたいと考えているからです。
この商工会さんとの打ち合わせの前に1社町内の建設会社さんを支援してきました。中長期的な見通しを立てることに長けている経営者。そのために今経営基盤を固めていきたいという思いがあります。そのために管理会計の導入について支援してほしいとのことでした。数字に弱い経営者をサポートする経理担当者とともに管理会計の初歩的なことから説明。継続的に支援していくことになりました。
というわけで、この町には今年度足しげく通うことになりそうです。新たな出会いの春。私にも素敵な出会いがめぐってきました!!

 

国土が沸く!強靭化法と建設会社の経営戦略!!

3月中旬に東北にて「国土が沸く!強靭化法と建設会社の経営戦略!!」というテーマで講演を行ってきました。
国土強靭化法は災害に強い国造り、特に予防に重点を置いてソフト・ハードともに整備を進めていこうというものです。国土強靭化法は基本的な法律でここには何も具体的な話は載っていません。この法律をもとに落下傘のように広がって方針や計画が描かれていきます。
このセミナーではまず全国、東北地方の建設投資などを踏まえて、国土強靭化法と関連政策の解説を行いました。
紹介した政策は国土強靭化政策大綱、社会資本整備重点計画、インフラ長寿命化基本計画といったものです。こうした計画を見ていると2020年、2030年が一つの節目になっていることに気が付きます。河川、下水、道路などの整備計画、施設個別のインフラ長寿命化計画など、これから様々な計画が立ち上がってきます。そうした中、社会インフラを守る建設会社として知識や技術・経験が活きるところは山ほどあります。計画に対応するのではなく、計画立案段階から提言を繰り返し、自社の利益だけにとらわれない広い視野でこれからのインフラ整備に力を発揮しなければなりません。
またセミナーの中では建設業界の様々な新しい動きも紹介しました。私が特に興味を持っているのはエネルギーハーベスティング技術やコンセッション方式の契約などです。これらの動き、そして強靭化の流れ、最後は建設会社としてとるべき戦略です。
戦略のなかでどうしても外せないのはBCPです。また、早い段階で収益改善スパイラルを回すことです。BCPは「予防・守り」ではなく、「関係強化・攻め」のツールです。建設会社は自社のBCPを策定することはもちろん、得意先のBCPにも名前を入れてもらうべき存在なのです。災害に備え、顧客のBCP策定に参画し、自社の災害ダイヤル、担当者の名前をBCPに入れてもらう。それはまさに顧客との関係強化なのです。
こうしたことを2時間ほど語ってきました。この東北セミナーは3月11日をまたがって開催されました。そのような日に東北にいることに感じるものがありました。何ができるか。やはり私は社会性に富む自分の経営理念の追及に日々一生懸命に進んでいくことしかできることはないと強く感じました。
 

四日市商工会議所にて建設業経営セミナーの講師を務めてきました!

昨日は四日市商工会議所にて「建設業界の勝ち組企業が 心掛ける10個のポイント」というテーマで講演してきました。四日市商工会議所さんは2007年に経営事項審査について講演して以来です。こうして再び講演をご依頼頂けることに感謝しています。

さて、当日は少し早めに到着したので街を散策しておりましたら理容店があったので「時間が少なめだから無理かなぁ・・・」と思いつつ行ってみました。「30分ぐらいでいけますか?」と聞いてみますと「大丈夫ですよ!」と最高の笑顔。カット、顔そり、洗髪、セットまで含めて3人がかりでテキパキと素早い動き。30分どころか20分で完了。私が時計をチラチラ見ていたこともあって、「大丈夫ですよ。あの時計1分ほど進んでますし。」と不安を拭う声掛けまでしてもらいました。とっても素敵な理容店で頭も気持ちもすっきり。最高でした。 ちなみにお店の名前はプラージュ四日市店。近鉄四日市駅からすぐのビル2階です~。

さて、本題の講演です。負け試合には必ず原因があるという野村克也さんの言葉通り、経営がうまくいかない理由も企業様々ですがはっきりしています。その代表的なものを10個にまとめたものを解説してきました。ポイントはいくつかありますが抜粋すると以下の通りです。

・経営理念、経営方針、経営計画、これはそれぞれ別物であって整理しなければならない。
・方針とはゴールを目指す方策であるからゴール(目標、ビジョン)なき方針は意味が無い。
・社員のモチベーションがあがらないのは経営者の責任であって、士気があがるようなビジョンを設定しなければならない。
・計画は現在地からの積み上げではなく、ゴールからの逆算で設定すべき。
・建設会社の強みはQCDSSEの6要素に分類できる。企業規模によって必要となる強みの数が増える。
・人材への投資は時間がかかるものにするべき。コミュニケーション能力向上への投資は現場営業には必須である。顧客から有益な情報を得るには質問をしなければならない。質問力の向上がポイントとなる。
・BCPは安全優位性のために必須。営業ツールとしてもどんどん活用すべき。市町村が発表する防災マップに施工中の現場の場所をピン打ちし避難場所や安否確認方法などについて事前相談すべき。

2時間の講演はあっという間に終わりました。さきほど商工会議所の方とお話ししましたがアンケートの結果も上々だったようです。

ご興味がございましたら是非お問い合わせください。日本全国参ります!!

夢にあふれ人をワクワクさせる商業活性化アイデアに出会いました!

今日はとある地方都市の駅前市街地商業活性化事業の実行委員会でした。
駅前を魅力的な商業集積地にして集客を図るとともに利用者、市民の利便性を図ろうという狙いです。実行委員会の部会が主となってアイデアを考え建築の専門家がパース図を書きます。
今日はそのパース図が初めてお披露目されました。その絵を見ての第一印象は、「これが実現できたらすごい!!」というもの。夢があふれるアイデア満載です。しかし「これは無理じゃないか?」というマイナス意見も出てきて色々と意見交換がなされました。

事業を検討する際によく言われる3つの「や」ですが、

やりたいか:このパース図を見てワクワクしない人はいないと思います。また、市内の商業者など対外に発信することで、「こんな夢あふれるアイデアを考える人が市内にいるのか」や「こんな夢みたいなアイデアをまだ考えてもいいのか」という希望を与えると思っています。またこうしたアイデアだけでも対外的に発信することでこの都市が注目を集めるかもしれません。

やるべきか:事業の目的は商業活性化です。このアイデアがどれだけ集客や利便性向上に貢献するか、そして実現にかかる時間や費用を考慮して投資価値があるのかを考えなければなりません。

やれるか:資金の問題や地権者との調整、都市開発の規制など様々なことがあるのは間違いありません。それらを1つ1つクリアにして判断しなければなりません。

でも、アイデアを考える段階ではやはり夢があふれて皆がワクワクするような絵を描かなければいけないと思った実行委員会でした。

CPDSセミナーにてBCPと独禁法について語ってきました!!

昨日21日は和歌山県の龍神市民センターにてCPDSセミナーの講師を務めてきました。主催は広域商工会くまの協議会 ・ 和歌山県商工会連合会(上富田町商工会・牟婁商工会・大塔村商工会・中辺路町商工会・本宮町商工会・龍神村商工会)です。
内容は以下の通りです。
『建設業のBCP対策』 (2時間)
1.BCPの概要
2.BCPにおける建設業の特徴と災害リスク
3.BCPの策定と運用
「独占禁止法の遵守について」 (3時間)
1.厳しくなった独占禁止法
2.違反の際の罰則について
3.建設業の独占禁止法
4.禁止される行為
5.官製談合の防止
CPDSとは建設業界にある継続学習の仕組みで、対応セミナーを受講するとポイントが得られます。また和歌山県は独禁法の遵守マニュアルの整備やセミナーの受講などの要件を揃えると入札に有利になる制度があります。この2つをまとめてしまおうというのがこのセミナーの企画です。
CPDS対応の講習は様々なところで行われています。安田コンサルティングも登録講習機関ですので、ご希望の場合はご連絡ください。
今回の内容はBCPと独禁法です。
BCPの方ではなぜ事業継続が必要とされているのかという話から。いつもこうしたセミナーではその必要性を説明するようにしています。受講生が何のために1日時間をつぶして話を聞いているのか、その理由がわかれば集中力・姿勢とも変わってきます。受動的な姿勢から能動的な姿勢に変化するのです。
BCPの場合は継続⇒永続。すなわち経営理念追求のためです。地域に必要とされる企業を目指すのであれば、その企業の事業が継続されなければ当然地域の人は困るわけです。「自社の商売なのだから・・・」という自分本位な理屈は通用しません。また雇用の受け皿という公器と考えればなおのことです。顧客から支持され、社員を守り、地域に必要とされる会社となるにはBCPは当然必要となってくるわけです。
もう一つは独禁法について。もちろん入札談合等を防止するためのセミナーです。ただ独禁法の法律知識、罰則、課徴金などの規定を説明してもこの問題は解決しません。(飲酒運転には厳しい罰則が科せられることを皆が理解していますが、飲酒運転がなくならないのと同じです。)だから、独禁法の説明に入る前に、「法と倫理、人間性」について説明しています。また人間の判断基準について、そして判断していても行動できるかどうかは別物であること、人間は完全ではないから理想の姿に今すぐには到達できない。それでも理想の姿を目指さなければならない。といったことを最初に伝えています。
5時間におよぶ長丁場。こちらの達成感は十分だったのですが、受講生の満足度はいかに・・・

 

セミナーの開催は多くの方々の協力のもとに実現するのです

建設業消費税増税セミナー会場「セミナー開始に間に合いそうもない!!!」
ドキドキドタバタのセミナー報告です。
9月4日に津市商工会建設部会様向けに「建設業のための消費税対策セミナー」というテーマで講演してきました。開始時刻は19時。最寄駅の到着予定時刻は商工会の担当Iさんと打合せして18時。大阪鶴橋駅から予定通りの特急電車に乗ったところまではよかったのですが、心配なのは天気でした。
出発前、大阪でもかなりの強い雨が降っていました。出かけるころは少し弱くなっていたのですが・・・でも津市は大阪から東方向。「雨に追いつくかも・・・」と思っていたら案の定でした。特急電車が名張駅につく少し前。車内アナウンスで青山町駅の先の雨量が規定量を超えたので特急電車の運転は名張までとなるとのこと。すぐにIさんに連絡をとり対応を相談。名張から津市商工会まで通勤されている方の情報も得て、名張駅からすぐタクシーに乗ることになりました。そして名張駅到着。でもホームの向いには青山町行きの急行が・・・少しでも電車で先に向かった方がはやいと考え青山町まで電車で向かうことにし、ほどなく青山町駅到着。急いで降りてタクシーに乗ろうとしたところ・・・改札を出るまでも大行列。「これはタクシーの列に並ぶだけで開始時刻過ぎてしまうだろうなぁ・・・」ということで再びIさんに電話。青山町まで迎えに来てもらう方向で検討していました。来てもらって再び会場に向かうのに往復1時間。ちょうど間に合うかどうかの時間でした。大雨の混乱も考慮すると遅れるかも・・・と考えていたところに駅の構内アナウンス。「伊勢中川駅まで普通列車を運行します。」伊勢中川駅は目的地の向こう。というわけで各駅停車ですが電車に飛び乗りました。改札までの行列が回れ右で電車にどんどん乗り込みます。2両編成の車両はすぐにすし詰め状態。それでも動いてくれるだけマシです。
結局最寄駅に30分前に到着。会場には開始20分前の到着で事なきを得ました。それでも結果オーライには違いありません。遅延リスクを考え18時到着のつもりですが、それ以上の遅延リスクがあったということです。これを「想定外」というのでしょうね。でも想定はしてるんです。想定して、するべきことを行動に移せなかっただけなんです。猛省しなければなりません。
反省するとともに感謝すべきは、そんな大雨にもかかわらず何とか電車を運行してくれた近鉄電車。そして随時電話連絡で対応を即決いただいたIさん。そしてそんな悪天候にもかかわらず集まって頂いた受講者の方々。多くの方に支えられセミナーを開催できていることを強く認識した1日でした。

工事業の皆さん向け消費税増税の注意点

消費税増税対策消費税増税に関するセミナーで講師をつとめたと先日このブログでも紹介しました。そのセミナーの質疑応答や、ブログからのお問い合わせで特に注目されている部分を紹介します。
この図にありますとおり、平成25年10月1日までに契約したら増税後(平成26年4月1日)の引き渡しであっても税率は5%で良いというのが経過措置の基本です。得意先に対してはこの理解で十分。ただし、その工事を実施するにあたって資材の購入は外注工事の発注がある場合は注意が必要です。
注意点1:単なる資材の購入については経過措置は適用がありませんので増税前であれば5%、増税後であれば8%の税率が適用されます。そのことを契約時に把握しておくことが大切なんです。契約時の見積書には当然この資材代金が入っていると思いますが、自分は経過措置が受けられるからといって、積算明細の税率を全部5%にしておけばいいのかというとそうでもありません。資材購入の日が増税後であれば8%となります。工期の後半で発注するような資材は注意が必要ということになります。自分は5%分の消費税しかみていなくても、建材屋さんからの請求が8%となってはこの税率の差額負担をどうするかという問題になります。
注意点2:外注工事については請負になりますから適用措置の対象となる場合があります。外注工事の引き渡しが増税前であればすべて5%で処理してもらってもかまいません。適用措置を気にする必要があるのは外注工事の完成予定が増税後になる場合です。指定日(平成25年10月1日)までに発注された場合は5%、指定日以後の発注であれば8%となります。これも見積時に工程表と照らし合わせて気を付けて税率を設定しましょう。ただし、適用開始日前に完了する予定(税率5%)だったのに工事が始まったあとのトラブル等で完了日が遅れた場合は、契約時に予定していなくても税率が8%となってしまいます。工期には余裕を持っておくことと、こうした事態が発生した場合の増税分負担は発注者がするのか請け負った方が負担するのか事前に取り決めを行っておきましょう。
もう一つ、やっておくべき対策は見積積算の明細を外税表示にしておくことです。内税だと本体価格と税の内訳がわかりにくいため、そうした交渉がやりにくいからです。
ご不明な点はお問い合わせください!! 安田コンサルティング:担当 安田 yasucon@ea.main.jp