セミナー依頼で講演テーマを考える

来年のセミナー・講演依頼が重なって入ってきました。1つは公的な支援機関が実施する製造業向けのIT活用について。もう1つは企業が開発するシステムを販売するための経営セミナーでの基調講演。
どちらも講演内容は未確定でテーマ案の提出を求められています。
テーマを考える際に、主催者の意図や狙いを考えつつ、受講者ニーズに対応する方も考慮します。
私にとって「直接の顧客」は主催者。でも「本当の顧客」は受講者です。どちらのニーズも満たすためには「本当の顧客」の満足度を高めることに重きが置かれます。
公的支援機関のニーズは何でしょうか。商工会議所などでは会員の満足度を高めることと考えられがちですが、会員外にも門戸が開かれているセミナーが多いので、会員・非会員問わず公的支援機関の存在価値を高めることが考えられます。そのほかにこうしたセミナーは国など行政からの助成で行われていることも多く、助成元に対して実績や助成成果をしっかりとPRできる内容にすることも大切です。そのためには受講者がたくさん集まり、受講者の満足度(多くはアンケート)が高いことが求められます。そのため広く受講者が集められるテーマが良いということになります。そして内容は高度過ぎず、簡単すぎず、受講者にとって新しい知識がそれなりに得られることが大切で、もちろん講師の印象やわかりやすい説明、資料などは必須といえます。
それに対して後者のシステムの拡販のための経営セミナーについてはどうでしょうか。ニーズは簡単です。システムが売れることです。そのために見込客となる層の受講者が集まる内容であることが重要です。基調講演のあとはシステムの説明が行われることが多いので、その説明を多くの人に聞いてもらえること。しかもその「人」は誰でもいいというわけではなく「見込客」である必要があります。そのシステムが例えば会計システムであれば経営者か会計担当者が対象ということになります。テーマは収益や資金繰り、今であれば消費税増税についてなどが有効でしょう。販路開拓やマーケティングなどをテーマにしてしまうと会計担当者ではなく営業担当者が来ることになってしまいます。内容の難易度は先ほどの例と同じ。ただしあとのシステム説明につなげるために会場全体の居心地を良くすることが大切で、もう1つは基調講演で「おなかいっぱい」にさせないことです。
そのようなことを考えつつ、最後に自分の専門性をどう活かすかということも忘れてはなりません!!