著者の山田日登志氏は日本の工場からベルトコンベアーを排除した(すなわちセル生産方式や一人屋台生産方式を導入した)、生産現場改善の第一人者。
大量生産時代から多品種少量生産時代へ移行するにつれ、生産性が低下し収益を圧迫し始めた生産現場が新たに活路を見出した生産方式がセル生産方式。単能工から多能工へシフトし、最終的にはすべての工程を一人で担当できるようにする。一人で担当するため工程間に柔軟性が生まれるほか作業者自身の自発性・モチベーションが高まり創意工夫も生まれる。そういったメリットがある。
ムダとりは生産性の無駄を排除すること。
5Sは整理・整頓・躾・清掃・清潔。工場内の整理・整頓・清掃を推し進める企業は多い。それ自体は推奨されるべきことであるが、大きく陣取っている無駄な生産設備は無いだろうか。目に見えるゴミ・ほこりを捨てるだけでなく、作業工程の無駄も捨て去ることが本当の5Sのように思える。
そんなことに改めて気付かされる一冊であった。