和歌山商工会議所の会報に記事が掲載されました


和歌山商工会議所の会報『わかやま月報』12月号で安田の記事が掲載されました。
経営ナビのコーナーでタイトルは『経営事項審査Y評点の8指標についての解説』です。もしよろしければご覧ください!
お持ちでない方のために、、、、以下がその内容です。
経営事項審査Y評点の8指標についての解説
安田コンサルティング
 代表 安田 勝也

建設会社が入札に参加する場合に受審する経営事項審査。様々な評価項目があります
が財務についての評価点数をY評点と呼びます。Y評点を構成する8つの財務分析指
標を解説します。
建設業に関係ない業種の皆さんも是非ご一読下さい。他の業種の方々でも利用できる
分析指標ばかりですし、また取引先が建設会社で経営事項審査を受審している場合に
は審査結果が公開されていますので与信管理などで利用することができます。詳しく
は一般財団法人建設業情報管理センターのホームページをご覧下さい。

1. 純支払利息比率
売上高に対してどの程度の利息負担があるかを表します。改善させるには利息負担を減少させる。すなわち負債の減少、条件が改善する借換えの2つがあります。
2. 負債回転期間
ここで負債とは借入金だけでなく仕入債務や各種引当金等も対象です。この指標を改善させる方策は大きく2つ。売上を伸ばすか、負債を減らすかです。売上増を図る際には仕入債務が増えすぎないように配慮が必要です。手形を減らし支払サイトを短くすることも有効です。
3. 総資本売上総利益率
この指標を改善するには収益性を高める(売上総利益の増加)か、効率性を高める(売上高の増加又は総資本の圧縮)といった2つの方法があります。売上総利益は売上高の増加又は売上原価(工事原価)の減少により改善します。受注を伸ばしても仕掛工事が多い場合は総資産が増加するためにこの指標は悪化する可能性があり注意が必要です。
4. 売上高経常利益率
収益性を分析する際に利用されます。改善させる方法は3つあります。1つ目は完成工事原価の減少。2つ目は販管費の減少。3つ目は営業外費用、すなわち支払利息の減少です。完成工事原価、販管費を減少させることで価格競争力を高め、得られた利益により借入金を返済し支払利息を下げるという手順が王道です。
5. 自己資本対固定資産比率
純資産と設備投資との比率です。設備投資資金の調達が借入か自己資金かを表しています。この指標を大きくするには自己資本を増やすか、固定資産を減らすかです。
「固定資産を持たない建設会社が評価されるのはおかしい」とよく話題になる指標です。
6. 自己資本比率
自己資金と借入金の資金のバランスを表します。改善方策としては1.自己資本を増やす2.借入金を減らす3.全体の資産を減らすの3つが考えられます。自己資本を増やすための方策としてはさらに「利益を出す」ことが基本となります。
7. 営業キャッシュフロー
本業でキャッシュがプラスになっているかを測ります。増加させるには?引当金・減価償却を増やす1.売上債権を減らす2.仕入債務を増やす3.棚卸資産を減らす4.未成工事受入金を増やすなどが考えられます。
8. 利益剰余金
利益剰余金は貸借対照表の純資産の部に含まれる項目です。改善方策はもちろん利益を出すこと。そして配当など社外流出を抑え内部留保を厚くすることが大切です。

以上です。財務分析の参考にしてください。

安田コンサルティング 安田勝也( yasucon@ea.main.jp http://yasucon.jp )