ある建設会社の経理部門の業務見直しのお手伝いをさせていただいている。以前までは経理部門の仕事は以下のような内容であった。
■仕訳の入力(毎日) ◎
■小口現金の清算(社員個人ごと・都度清算) ◎
■領収書の整理(工事別・日付順) ◎
■現預金勘定の残高あわせ(毎日) ◎
■支払処理(月に2回)
■入金確認処理(毎日)
■試算表の作成(月に一度・締日より1ヶ月ほど遅れ)
経理部門を単なる事務屋ではなく会社の戦力に変えるにはまず省力化を行わなければならない。「経営に役立つ財務的な資料の提出」が経理部門の重要な役割の1つであるが試算表の提出に何日もかけているようではまず無理だからだ。
省力化はまず毎日やることからはじめる。上記の◎の部分だ。そこで以下のように質問を投げかけてみた。
■仕訳の入力(毎日) ◎
・毎日やる必要があるのか?2日に1度とか3日に1度集中して入力してはどうか?
★小口現金の清算(社員個人ごと・都度清算) ◎
・小口現金は廃止できないか?
・社員に立て替えてもらい、月に一度給与支払時の振込みとしてはどうか?
■領収書の整理(工事別・日付順) ◎
・領収書を整理した綴りを見たことがあるか?
・工事別・月別ぐらいで集中整理する日を設けたらどうか?
★現預金勘定の残高あわせ(毎日) ◎
・上記仕訳入力日だけ合わせるようにしてはどうか?
特に小口現金の廃止と現預金の残高あわせの改善はセットで行う。現金が社内にあればそれだけ管理コストがかかると考えてほしい。
余った余力は経理的な視点で試算表の分析を行い、分析した結果を経営者に報告するようにしてほしい。決算書が読める経営者が増えてきたがやはり経理部門の人間にはかなわない。経営者と一緒に戦う経理部門。そんな経理部門に変えたいと思ったら是非相談して欲しい。