経理の仕事というものは

先日、経理の仕事役割について話すことがありました。
ここ最近は経理という言葉が古臭いといった理由で会計や財務という言葉に変えられ経理課も会計課や財務課といった名称になってきています。
しかし私は「経理」という言葉が大好きです。
「経」の字は経済や経営の「経」。機織りの縦糸を表すこの字は連綿と継がれていく時代の流れを連想させます。経済は経世済民。世を経て民を救済する。経営は営みを経る。会社を守る。社員を守っていくことです。
企業経営の中では絵に描いたように追求すべき理念を定め、中長期的なビジョンを示し会社全体で歩んでいかなければなりません。経理の「理」はきちんと筋道を立てる。整えるという意味があります。道を整えることが経理の仕事です。過去に歩んできた道を整えるのが簿記。でも整える道は過去ではなく未来です。経営者はビジョンに向かって歩んでいきます。ビジョンを目標に歩んでいきます。その視線の先にビジョンがあります。もし歩むべき道が整っていなければどうなるでしょうか。つまづいたりしないか、穴に落ちたりしないか、心配でビジョンという目標ばかりに目を向けていては危なくて安心して進めません。足元を見なければならなくなります。「道は私が整えますから、ビジョンだけをまっすぐ見て進んでください!」と経営者をサポートするのが経理の本当の仕事です。
未来の道は何があるかわかりません。それを予測し対応していく。経理にはそうした役割があるのです。重要な役割です。その役割を果たすためには知識や経験が必要ですし、判断力や行動力も大切です。
「経理」という言葉。私はとっても大切にしていますし、その仕事に携わっている方を尊敬しています。