RICEの「建設投資の中長期展望」をみる

Phm01_0976 建設業大好きコンサルタントを自負するものにとって、建設業界の動向といった情報は定期的に入手するようにしている。

そのうちの1つが建設経済研究所が毎月発行しているレポート「MONTHLY 研究所レポート」だ。

今月号のなかで「建設投資の中長期展望」の記事があったので、簡単だが紹介する。

1.政府建設投資全体
 今後も大型災害の発生が予測されるなかで国民の安全、安心を守るための多くの課題を解決する建設投資は、少なくとも経済成長率と同じ水準で推移する。成長戦略シナリオでは、2011~2020年度で平均年2%程度上昇。

2.政府維持修繕工事
 維持修繕工事は今後も急増し、2030年頃には現在の倍程度が見込まれる。また壊れてから直すのではなく、壊れる前に手を加えることでトータルコストを抑える考え方が広まる。
 【安田補足】ちなみに今現在建設投資全体で維持修繕が占める割合は25%程度といわれているので、投資全体が伸びないとしたら倍、すなわち50%。全体の半分は維持修繕工事となる時代になるということ。

3.民間住宅投資
 消費者ニーズにあわせて安価な住宅が提供される流れは投資額全体を押し下げることになるが、震災以後の防災意識や自然エネルギー活用の流れは逆に押し上げる要素となる。2020年の着工戸数は90万戸と予想され、投資額全体でも2009年度比で7.6%増の13.8兆円と予測される。

4.その他
 その他にも民間非住宅は微増、民間土木は横ばいと予測されている。

建設投資は下がり続けると考える人が多い。しかし必要なところにはお金をかける。特に安全安心は建設投資にあたって重要なポイントとなる。公共土木にあたっても防災に関する分野は今後も増加が見込まれる。こうした流れとなる可能性は高いと考えている。

建設会社の経営者の皆さん。こうした情報を取り込みながら、自社の強みを伸ばして、どう進んでいくのか、是非考えてみてください!!