丸投げ

 偽装問題で大手建設会社の関与が話題になっている。鹿島などの大手建設会社が元請となり、木村建設へ丸投げしていたという。鹿島がいうには「建築主の不動産業者から『欠陥があった場合の責任は木村に負わせる。ポイントで監理をしてくれればいいから元請けになってほしい』と頼まれ、建設費の数%を受け取る契約で応じた」ということらしい。
 なぜそんな面倒なことを受けるメリットがあるのか。
 ■建築主、不動産会社:大手企業が施工しているとアピールできる。
 ■大手建設会社:監理料収入があることと、工事実績をあげることができる。
 ■下請け会社:大手建設会社から大型物件を請け負うことができる。
 これらの関係に消費者のメリットは全くない。すなわち各社が得られているメリットに対するデメリットはすべて消費者に向けられているのである。
 業界特有の下請構造の中、大手建設会社すべてが自身で施工することは不可能である。下請けは仕方がないとしても消費者にとって有益化どうかを常に意識しなければならない。