元気つうしん 2023年2月号 Vol. 91

~事務所だより~

こんにちは。安田コンサルティングの安田です。本日は1月下旬に実施しました「旅館業向け財務研修」の様子をお伝えしたいと思います。

「旅館業?うちら建設業やし関係ないやん・・・」と、思う方もおられますが、業界によって管理会計の進め方が異なること、業界平均の把握の仕方などもお伝えしますのでお付き合いください。「旅館などの経営者向けに財務研修をしてほしい」という依頼のもと、いつも行っている全業種向けの研修を旅館業向けに組みなおして行いました。対象が若手経営者・後継者ということもあり、まずは興味を持ってもらうことが大切と考え、業界平均の統計データを示したのです。

「旅館業の粗利ってどれくらいでしょうか?」

「業界平均でいうと利益率はマイナスのところが多いですね」

「優良企業と全体との平均との差はこれぐらいです」 といった感じです。

ただ、統計に登場する様々な財務指標の意味や計算方法が理解できないと、自社の決算書と比較することができません。そこで損益計算書と貸借対照表の管理会計的な読み方を説明させていただきました。研修全体の構成は以下の通りです。

  1. 業界平均の活用について
  2. 損益計算書(利益3兄弟とコスト3兄弟)
  3. 貸借対照表(ゼイ肉3兄弟)
  4. 売上拡大の方策(掛算で考える)
  5. 付加価値と労働生産性(付加価値の上げ方と増やし方)
  6. 無駄減らしによるコストダウン

持ち時間は90分。これらの内容を90分で話すのはなかなかタイトでしたが、大切な要点はうまく伝えられたと感じています。終了後、たくさんの方から名刺を交換していただけました。概ね満足いただけたようで良かったです。

ちなみに業界平均は日本政策金融公庫の「小企業の経営指標」が便利です。以下にURLとQRコードを記載しておきますのでご活用ください。

https://www.jfc.go.jp/n/findings/shihyou_kekka_m_index.html

 

~建設業ニュース~

【国交省が維持・修繕工事で将来像を提示。複数年度契約拡大や企業連携促進も】

国土交通省は担い手の確保などに課題を抱えるインフラの維持管理分野で今後必要とされる検討事項をまとめました。維持工事は1者応札が多い現状を踏まえ、企業が中長期的な視野で若手採用や資機材投資に取り組めるよう契約期間の長期化や、小規模であっても地域精通度が高い企業間の連携促進が必要と指摘。不調・不落が発生しやすい修繕工事ではフレームワーク方式など対策効果が高い発注方式の活用を拡大する方向性を提示しました。

将来的に維持管理・更新費が増大する中、維持・修繕工事の担い手不足が懸念されます。国交省は1者応札率に地域差がある実態を示し、地域・現場条件への精通が求められる維持管理を長期にわたり継続していくには地域特性を踏まえた対応が必要と強調しました。

会合では直轄の維持・修繕工事で試行している新たな発注方式として、▽長期性能保証▽性能規定方式▽修繕ECI▽設計工事連携型▽地域維持JV型▽事業協同組合型▽参加者確認型随契▽フレームワーク方式-の8類型を検証しています。