公共事業の評価書

 国土交通省より個別公共事業の評価書が発表されています。これは公共工事によって得られた利便性向上などを貨幣換算して投下費用などと比較しているものです。費用対効果を比率で表していますのでわかりやすい評価内容となっています。
 企業が何か投資する際にも費用対効果を分析する必要があります。単純に回収期間や収益率を見たり、財務会計の教科書的な方法では将来キャッシュフローの現在価値を考える方法などがあります。
 この評価書をみて気になるところがすべての公共事業において効果の貨幣換算額が投下費用を上回っていることです。投資にはリスクが伴いますので当然思うような効果が得られない結果になることも少なくありませんが、この評価書を見れば100%投資効果が費用を上回っているという結論になります。ちまたでは不必要な道路が多すぎるとの声も聞きますがそのギャップはどこにあるのでしょうか?(おそらく貨幣換算する際の評価数値なのでしょうが・・・)
 道路などでは1日あたりの交通量と目的地までの短縮時間などを貨幣換算したりします。おそらくは交通量。ここに大きな誤差があると推測しています。そうした部分には第三者からの客観的評価が必要になってきます。

 評価書の内容はともかく、企業内部における「評価」の作業というのはないがしろにされがちです。
 「昨年かったユンボは計画通り稼動しているか?」
 「こないだ導入した情報システムはきちんと稼動しているか?」
 一度評価してみることをおすすめします。