利益の出る工事を選別受注

 選別受注。最近よく耳にする言葉である。採算のとれる工事しか受注しないことを言う。他業界の人は「何を当たり前のことを・・・」と思うかもしれないが建設業にとってはこの当たり前のことが進んでいないのである。採算が取れるかどうかは見積積算をしなければわからない。しかし公共工事などは積算などしなくても失敗さえしなければ利益は出た。最初は苦しくても追加工事となればそこから利益を得ることができた。しかしそうした時代は終わりつつある。
 公共工事にも一般競争入札が導入され、自由競争に近くなった。価格の叩き合いで工事を受注することは簡単であるが採算が取れなくなってきたのである。そこで「見積積算しなければ・・・」となってきたのである。こうした流れは各地方都市でも顕著で、一部応札企業が1社もない工事が発生している。今までは積算などしなくても利益が出た。しかし今は落札価格も下がり、さらに積算にかかる費用・時間まで必要である。旨味が少なくなった企業が公共工事離れを起こしているのである。公共工事を離れることができる企業はまだ良いが土木を中心に他業種への展開が難しい場合は競争力をつけるしかないのである。
 日経コンストラクションの11月23日号は「もうかる仕事の見分け方」と特集をうっている。是非参考にして欲しい。