工事の予算・実績管理は最後の比較検討が一番大切!!

 昨日は和歌山県有田郡の方へ。ある建設会社に管理会計について支援した。
 実は3回目の訪問で管理会計が全くできていない状況で工事の採算も個別にはわからず決算が終わってみなければわからないという状況。予算・実績管理の必要性を強く説きモデル工事を選定し1回目で予算立案、2回目で原価情報の収集をテーマとした。今回はほぼその工事が終わったとのことで予算と原価の比較を行い改善点を見出す一番大切な部分がテーマであった。
 予算の内訳ごとに比較すると「この作業は作業量自体が少なかったので単価が合わなかった」などの問題点が出てくる。「作業が少ないのなら仕方がないか・・・」で終わっていては進歩がない。
 「何故作業量自体が少ないと単価が合わないのか?」
  ⇒「半日で終わる作業でも職人への手当ては1日分必要だから」
 この問題への解決策の1つは積算・見積段階で材料と人工(加工費)の部分を分けることである。人工は半日であっても0.5とせず切り上げて1にする。明細で表示されているので発注主に対しても説明しやすい。
 また型枠工事で予算オーバしていた。「今回は少し難しい型枠工事だったから・・・」
 「何故難しい型枠工事なら予算オーバなのか?」
  ⇒「1?あたりの単価設定が1つしかないから」
 だったら難易度にわけてA、B、Cランクぐらいに単価を設定してもよい。また型枠が自社のものを使うのか調達しなければならないのかで当然単価も変わる。
 予算管理は大変である。大変だから実行予算をたてただけで満足してしまう。実績と比較しながら問題点を見出し改善しなければ実効予算なんてたてる時間がもったいないだけである。
 「すでに予算実績管理なんてやってるよ!」という企業も是非「管理の目的が何か?その目的は達成しているのか?」を自問自答してほしい。