建設会社における5S

 5S活動というものがあります。整理・整頓・清掃・清潔・しつけの頭文字Sをとったものです。

 主に製造業の生産工場などで行われる改善活動ですが、同じ「ものづくり」という面では建設業でも活用できる側面があります。木工所や加工所など社内生産加工を行っている場合はもちろんですが、現場でも5S活動は大切です。
 ただし、現場の責任者は元請企業ですので下請専門工事会社などが独自に現場で5S活動を進めることは不可能です。しかし各社が5Sを心がけ実施することで現場全体に5Sが行き渡るようになります。逆に現場の責任者だけが5Sを心がけていても実作業を行う側の協力がなければ効果は現れません。
 建設現場はその都度作業を行う人員が異なるためチーム意識の醸成が難しくQCや5S活動が根付かないといった意見がよく聞かれます。それを補うために活用すべきは安全協力会といった協力会社組織でしょう。この協力会も元請会社主体ではなく、各社が自社の5Sの取り組みを紹介し提言していくような積極的な関与が大切です。この積極的な関与が元請企業にとって掛け替えのない協力会社になっていくわけです。

 建設現場における5Sは作業効率の向上以外にも安全対策の効果もあります。資材の整頓やゴミの掃除、重機などの整備点検、決められたことを守って実行するというしつけ。どれも欠かせないものばかりです。各人・各企業が意識的に取り組むことで少しずつ効果が現れてくるものです。皆さんの現場での5Sはどうですか?