建設会社向けに財務分析を解説するセミナーの講師を富山、金沢で務めます。
今日は1日目、富山での開催でした。
このテーマでのセミナーはこれまでにも何回か行われ、このブログでも何度か紹介しています。
※今回の主催者の案内ページはこちらです。午前:あさかわシステムズ株式会社殿 午後:北陸コンピュータ・サービス株式会社殿
今日はそのセミナーの中でもキャッシュフローについて語った内容を紹介します。
企業経営は高度経済成長期の売上重視経営から利益重視経営、そしてキャッシュフロー重視経営に推移しています。何を重視するかで方法論はかわりますが、企業が存続するために何が必要かという原則はかわりません。それは売上、利益ではなくキャッシュ・現金です。現金がなくならなければ企業はつぶれない。そのために利益が必要であり、利益を得るために売上が必要なわけです。
それでは結局利益だけを見ていればいいのでしょうか。
残念ながらそれだけでは足りません。キャッシュフロー経営においてキャッシュ・現金を増加させる方策は8つあります。
- 売上債権を減らす
- 商品、仕掛品を減らす
- 固定資産を減らす
- 減価償却を行う
- 仕入債務を増やす
- 借入金を増やす
- 増資をする
- 利益を得る
このように「利益」追求はキャッシュフロー経営においては8つのうち1つしか重視していないことになります。
そして中小企業がキャッシュフロー経営を行うための問題点が1つ。それは損益計算書や貸借対照表と違ってキャッシュフローの情報を得るキャッシュフロー計算書が作成されていないことです。税務申告にも使うことがないので・・・でもキャッシュが経営上一番大切なのに・・・とここに矛盾があります。
それではキャッシュフロー計算書を作成すればいい。その方法は3つです。
- 会計ソフトの「キャッシュフロー計算書」ボタンを押す
- 税理士に依頼する
- 自分で作成する
このセミナーでは簡易法で3の方法を紹介しています。簡易法なので誤差もありますが、管理会計で必要なのは正確さよりスピードです。貸借対照表を2期分並べれば誰でも5分もあれば作成できます。これは自社のものを作成することはもちろん、ゼネコンが協力会社に対して経営指導をする場合などにも有効です。
簡易法で営業CF、投資CF、財務CFを得られたら、営業CF+投資CFで表されるフリーキャッシュフローをどうプラスにもっていくかを前述の8つの方策で考えていきます。
・・・と、これだけでも1日語れそうな内容ですが他のテーマも含めて持ち時間はちょうど100分。表面的な知識の提供しかできないのが残念ですが、それでも1社でも多くの建設会社に財務分析の本質を講義できることは自分の理念に照らし合わせてとても幸福なことです。
明日に金沢開催の方もがんばります。今日本番で気がついた問題点を改善するためにいまからパワーポイントの資料を少し変更します!!