[新訳]南洲翁遺訓(2009-32/100)

[新訳]南洲翁遺訓

南洲翁遺訓は西郷隆盛の遺訓集。他に読んだ本で紹介されていたので繋ぎ読み。本書は数ある遺訓を政治、時代、事業、人生の4つの教えに分類して、それぞれの訓えに対して筆者の松浦光修氏が解説を入れている。松浦氏の解説は現在の様々な事象を例にとって説明しているが賛同できるところとそうでないところがあり、それがゆえに自分の考えをしっかりと持って読むととても読み応えがあった。

特に「自分のとらわれるな」という訓えに対して論語で引用した言葉が印象的であった。

「わがままな心がない。むり強いする心がない。かたくなな心がない。独りよがりの心がない。」

3つ目の「かたくなな心」は肯定的な意味で使われることが多いと思うが、それすら捉われないというのも自然を受け入れて流れるような人生を全うするには必要なことかと思い至った。