やれる人だけやっている・・・それでいいのか?

 工事を管理する上で工程管理や安全対策、契約書締結から始まる外注管理、実行予算管理など現場代理人が行う業務は多岐にわたる。多くの中小企業では「やればいいのはわかっているが担当者まかせで意欲的な社員だけやっている」のが現状であろう。属人的なやり方では会社として組織的なパワーを発揮することはできない。
 そこで一度検討してみてほしいのが「やらなくていいことはやらない」である。やっていない現場がある現実は法遵守の制約を除けば「やらなくても現場は回る」である。ただし、単に「やらない」というわけではない。
 現場で必要な管理作業がA~Eまであったとしよう。甲社員は全部をこなすが乙社員はABしかできない。しかし乙社員の現場もなんとか回っている。乙社員が次にやるべき管理項目はCなのであるが経験や能力から手がまわらない。そこで甲社員がやっているDEの管理を一旦止めてみる。(※ABCは継続する)乙社員の例からするとそれでも現場はやっていけるはずである。手が空いたら乙社員のC業務をサポートするのである。会社としては現場管理業務はABCまでを必須とし、DEは一旦不要としてレベルを揃えるのである。
 特に一人ですべてをこなす現場において別の人間が絡んでくることには相当の抵抗があると思われる。抵抗があるのは自信の無さの表れと認識してほしい。無理強いしてモチベーションを落としては意味がないが「自分だけ・・・」と思わせないで「全社で一斉に行う」ことにすれば少しは抵抗も和らぐものである。

経営情報システム講義(データベース・ネットワーク)

 今日は中小企業診断士合格講座で経営情報システムのデータベース、ネットワークを中心に話をした。先週に続いて内容は多岐に渡る。
 エクセルやデータベースを扱った経験がなくても正規化の概念は情報を効率よく整理する上で役に立つ。ネットワークについてもインターネットはどうしても切り離せない分野であり診断士以外でも実務で使えるようにしておかなければ業務に支障が起きる。(実務でも例えば支援制度への申請書の雛形をメールでやりとりする場合など利用する機会は本当に多い)
 もちろん、この科目はもう少し深く入ったところまで学習する必要がある。実務ではほとんど使うことがないであろう、データベースのスキーマの概念やネットワークのOSI参照モデルなど・・・こちらは合格するために必要な知識。割り切った学習が必要となろう。残りは来週27日の6時間のみ。苦手意識を持つ人が多いこの科目。少しでもその意識を和らげることができればと考えている。

アパマンショップもWeb2.0

 先日、賃貸物件を探すのに何を使うかという話をした。インターネットの活用は思いのほか高くなかったのであるが、今後急速に活用が広がりそうなサイトがあった。CMでもおなじみのアパマンショップである。何がすごいかというと・・・以下の2点がすごい・・・
(1)地図表示でAjax機能が駆使され物件探索を視覚的に行うことができる
(2)3D間取りサービスで立体的に間取りを体験できる(さらに家具の配置などをシミュレーションできる)
 ともにWeb2.0の「リッチなユーザ体験」を見事に実現している。3D体験はウォークスルー機能が無いのと3Dモデルを作成するのに少し時間がかかる部分が残念で改善を期待したい。

人材確保(公的支援)

新しい人材を雇い入れようと考えたとき、優秀で即戦力となる人材を手に入れたいと思うのは誰しも共通であろう。どういった方法で人材を探し出すかが1つキーとなる。人材斡旋会社を利用するのも有効であるが紹介手数料のことを考えると中小企業には少し荷が重い。派遣社員の活用も考えられるがコアとなる事業の技術者などはやはり雇い入れて自社の強みとしたい。
人材をあたる方法としてはまずは知り合いをあたるのが最初であろう。コストもリスクも低くおさえることができる。しかし人材の候補は少なくなりどうしても限られたなかでの選択となる。そこで次の段階で利用して欲しいのが公的機関の人材紹介である。ハローワークはもちろん、雇用・能力開発機構が提供する支援サービスAbility人材Stationも利用してみてはいかがだろうか。地域別に職業訓練を終えた様々な人材を探すことができる。
また雇用の目的が新しい分野の事業であれば中小企業基盤人材確保助成金の活用も検討したい。新分野といっても全く違う事業ではなく細かく区分けされた中での新分野なので例えば専門工事業で別の専門工事にも進出するといった場合にも活用できる。
これらの公的支援も視野に入れ自社の強みとなる人材雇用を成功させてほしい。

ベーシック会社法入門

 会社法の入門書が多く出版されている。地元の商工会議所から送られてくる商工経営ガイドNo79も『この1冊で知る・わかる新会社法』という内容であった。施行される前から現在も様々な書籍が出版されている。そのうちの1冊を紹介したいと思う。
 『ベーシック 会社法入門』は日系文庫から出版されている文庫サイズの入門書。まずは総括的に広く浅く新会社法の全体に触れたい人向けの書物である。経営者が自社の管理上必要な知識を掻い摘むようなリファレンス的な使い方は想定されていないと考える。構成は以下の通り。
 1.企業活動と法
 2.株式会社とは
 3.株式会社の機関
 4.株式の役割
 5.会社の資金調達手段
 6.損益の計算と分配
 7.会社の組織変動
 入門書であるから条文の解説書ではない。また各章の先頭でその内容をチャートにまとめられているため全体を整理するために役立てることができる。また要所要所で図式を用いた解説があり、入門書として初学者でも理解しやすい内容となっている。
 ただ変更になった決算書の様式などには触れられておらず実務的な知識を得るためには別の参考書を補った方が良いかと考える。

京都府でもH19から電子入札全面開始

京都府でもH19年から電子入札が全面的に開始される。H16年の試験運用から順次拡大し続けいよいよ来年から全面導入となるわけだ。拡大にいたって対象工事の規模が中規模、小規模も対象となり、それに伴い大企業、中堅企業と対応が進んできた。いよいよ中小企業も対応を強いられるわけであるが、ここが一番の難関であるように思える。まわりにコンピュータに通じる人材が不足しているケースが多いからだ。
全国各地で電子入札セミナーが頻繁に開催されている。受講者の人数も相当のものであるが、受講後の対応は思いのほか進んでいないのが現状である。『インターネットの接続環境とICカード、カードリーダを用意すればできるようになります。』とは画一的な説明である。
先日ある工務店を訪れたとき、経営者はこう質問された。『インターネットには繋がっているんだけど、これでいけるんでしょうか?』これはむしろ技術的な質問というよりも心配要素である。また別の工務店では回線がISDNであった。1つの回線で電話とFAXを別番号で設けられるという利点を活かして現在でもISDNを利用している場合も多い。『ISDNでも大丈夫でしょうか?』これも心配要素である。答えはともに『大丈夫』なのであるがこの『大丈夫』と太鼓判を押す人がいなければ全面導入開始後の現場の混乱は相当なものになるように考える。
CALS/ECエキスパート・インストラクターの資格制度がある。これらの有資格者を無料・または格安で派遣できる相談制度を支援施策として設けられないものであろうか・・・

住宅業界の広告媒体

分譲住宅の買主、賃貸住宅の借主を探す際に広告媒体をどうするかは販売・賃貸事業者にとって重要な検討事項である。チラシ、インターネット、店舗前広告など色々な手段が考えられるが利用者側は何を情報源としているのであろうか。
インターネット調査会社(株)インフォプラントがiモードサイト「とくするメニュー」上で実施した調査によると、分譲住宅についてはトップが折込チラシで65.9%、ついで住宅情報専門誌(46.3%)、三番目が営業窓口やモデルルームで44.0%となっている。このアンケートはiモードを利用して実施されているため母集団は偏っており平均よりインターネットの利用頻度が高い層と考えられる。しかし「PCインターネット」23.2%、「携帯インターネット」11.2%となっている。母集団に偏りがなければこの数値は無視できないが、偏りを考慮すれば意外に高くないと私は考えている。
ちなみに賃貸住宅情報の場合、同社の調べでは住宅情報専門誌が50.5%でトップ、次いで窓口(46.6%)、チラシ(27.8%)、PCインターネット(22.9%)の順だ。賃貸情報の方は大手チェーン店の方で情報が整備されて検索も可能となっているケースが多くPCインターネットの利用割合はもっと多いかと推測していたがこれも意外であった。
どちらのケースでも住宅情報専門誌の割合が高い。住宅情報専門誌への広告掲載もまだまだ有効なチャネルの1つと考えられる。

フランチャイズを検討する

工務店の生き残りをかけた戦略の1つにフランチャイズ加盟がある。資本力の乏しい1企業では難しい製品開発や営業ツール整備など加盟金を払うことによって入手するのである。今年1月10日の工務店新聞ではそうしたFC・VCネットワーク事業の特集記事があった。
フランチャイズへの加盟を検討する段階で相談を受けることがある。そのときに参考にするのが中小企業診断協会東京支部の登録研究会であるフランチャイズ研究会の発表資料である。評価指標が紹介されているが、これをそのまま活用しても良いし、1つの目安としても良い。重要なのはどういった分野・項目で評価する必要があるかである。検討領域に抜けがあっては誤った判断に繋がりやすい。
特に建設業界の場合、対象とする商品(住宅・建材など)だけを提供し営業ノウハウの提供を行わないネットワークも多く存在する。独自に提案営業ができるのであれば問題ないが、公共工事から民間工事への転換を図っているのであれば営業ノウハウの提供も受けたほうが成功しやすいのは誰が考えても明らかであろう。

経営情報システム講義

 今日から中小企業診断士合格講座の経営情報システムの講義が始まった。前回の春生向けに行った内容と同じであるがいつもの通り1回あたりの範囲が広くて忙しない講義となってしまう。
 ハードウェアにソフトウェア、コンピュータ言語にアルゴリズム、そしてオブジェクト指向。
 オブジェクト指向の説明では何を題材にするのかで数年色々と考えたがここのところ「車」を題材にした説明に落ち着いている。暗記することも多いこの科目。なるべく理解を促し脳の引き出しに効率よく納めてほしいと思う。

福祉住環境コーディネーター合格

 今日、福祉住環境コーディネーターの試験結果が届いた。おかげさまで3級、2級のダブル合格ができた。前回3級で落ちていたので正直2級は無理かと思っていたのだがギリギリの合格ラインだったようだ。
 この資格は合格したからといってその後何もしなければ何も起こらない。学習したことは使わないと身にならない。今後は実務よりな活動に推移していきたいと考えている。