海馬―脳は疲れない (新潮文庫) (2009-26/100)

『海馬―脳は疲れない (新潮文庫)』

脳科学者の池谷祐二氏とほぼ日刊イトイ新聞で有名な糸井重里氏の脳に関する対談をまとめたものです。

脳科学といえば、今ドラマでやっている『ミスターブレイン』を思い浮かべてしまいますが、ドラマの中でも登場する「海馬」はこの本でも触れています。

私がこの本を読もうと思ったのは記憶について知りたいと思ったからです。商売柄、知識やノウハウを売りにしているため、今後衰えていくであろう脳をどう効率的に活用したものかと・・・そこまで真剣に悩んでいるわけではありませんが。

本書によると脳の記憶(メモリー)には2種類あって、知識としてのメモリーとそれらを組み合わせて活用する、いわゆるノウハウとしてのメモリーがあるとのこと。特に年を重ねることによって後者のメモリーの使い方が巧みになるらしいです。

確かに昔吸収した知識を組み合わせる方法で今の課題にあたることがあります。また新しいものがそんなに入ってこなくても過去の経験で対応できることもあります。脳ってすごいと思います。

また、考えるのに疲れて息抜きをする場合も、運動などでリフレッシュすることは良いとしてもその間も思考はやめないほうがいいそうです。私もそう思う経験があります。考えが行き詰ったとき、市のスポーツセンターにあるルームランナーを使って走ることで考えがまとまることがあります。

そんな風に自分の経験と照らし合わせながら読むと面白いと思います。

実践 工事進行基準の戦略的活用方法―新会計基準に対応する経営革新をどう進める! (2009-25/100)

実践 工事進行基準の戦略的活用方法―新会計基準に対応する経営革新をどう進める!

この4月以降の会計期において建設業の売上、原価計上が原則進行基準採用となりました。今までは原則が完成基準であったため大きな変更です。本書はそうした進行基準採用にあたり、単なる会計規則に則った会計業務の遂行だけでなく、本来進行基準を推し進めるにあたって必要な情報収集のための仕組み作りをもとに企業の体制を強化し経営に役立てようという趣旨のものです。

進行基準を採用するにあたり最もポピュラーな方法は原価比例法。これは請負金額と見積総原価、現在までに発生した実際の原価の3点を把握する必要があります。建設業の悪しき商習慣として契約前の前倒し工事があったり、実行予算を組まずに施工したりと・・・今までの方法では進行基準を採用することはできません。としたら採用にあたって皆が意識を変えて取り組むようになるのでは??と考えたいところですが、そこは今までのどんぶり勘定の延長線上で適当な(あるいは恣意的に)進捗率を見積もって計上するか、何らかの理由をつけて完成基準でいくかのどちらかでしょう。本書でもそうしたリスクが存在することに触れています。

そうした抜け道を探るのではなく、この機会に体制作りから行いたいという企業には良い指南書となると思います。進行基準採用には客観性、合理性等が不可欠で、そのためには内部統制が必要になってきます。そこで進行基準のためだけでなく、施工管理の強化、現場への予算原価管理ノウハウの展開などを念頭にすすめることで経営にプラスの効果が現れてきます。そうした部分の記述もありますので参考になります。

ただ、「戦略的活用」のステップやチェックシート、仕組み作りの図解などが無く活字中心の構成となっている部分が少しわかりづらいように思えました。

チャンスがやってくる15の習慣―Skill With People (2009-24/100)

チャンスがやってくる15の習慣―Skill With People

表紙のカボチャのイラストに魅せられて思わず購入してしまった本。

チャンスはいつでも目の前にあふれているというのが私の持論です。そのチャンスを捕まえるだけのものが自分に備わったときにはじめてそのチャンスが見えてくる。

というわけでチャンスを逃さないために自己研鑽をするのですが、それよりも心がけているものは「笑顔」です。兎にも角にも人と会うときは笑顔を絶やさないようにしています。それは心がけからいつしか自然に出るようになってきました。

この本にも「笑顔」が大切だと書かれています。他にも大事なことが書かれています。中には賛成できないものもありましたが・・・大筋自分の心がけと大きく離れていなくて少し安心しました。

にっぽん町工場遺産(2009-23/100)

にっぽん町工場遺産 (日経プレミアシリーズ)

この本は羽田空港内の書店で偶然見つけた本。表紙のぬくもりあるイラストに魅せられて手にすると数年前にANAの機内誌で連載されていた記事をまとめたものであった。ちょうどそのころは頻繁に飛行機に乗っていたから見覚えがあったのだろう。

著者の小林泰彦氏は温かいイラストを書くライターさん。本人が日本の様々なものづくり企業を訪れ取材しイラストを付けて記事を書いている。

読み覚えのあった記事がいくつかあったが今はとても有名になった注射針の岡野工業さん。・・・ここでもしやと思って過去のブログ記事を検索してみるとやはり書いてあった。『代表社員』参照。みると日付は2006年2月。もう3年以上前の話だ。

空港内で見つけたのもまた偶然でおもしろい。あと、ここで紹介されていたカバンが欲しくなった。値がはりそうだがいつか手に入れたいと思う。

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則(2009-22/100)

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則

この本は先日書きましたコーディネーター研修の休憩の間に読む本を探しに本屋にいってみつけたものです。

私も面倒くさがりやの一人です。すべてではないのですがムラがあります。

著者の本田直之氏はレバレッジシリーズで多くのヒット本を生み出している話題の人です。本田氏がいう面倒くさがりやというのは2種類あるとのことで1つは将来面倒くさいことになるのがいやで今のうちに少しがんばれる人、もう1つは今少しがんばるのが面倒くさくてあとで余計大変な目にあう人。

私は前者の人は面倒くさがりとは言わないような気がしています。面倒くさい問題を解決するためにやり方を変えたり事前に準備をしたり・・・という人は便利なサービスを生み出すことができ多くの起業家がそうだろうと思います。

55の法則のなかで一番印象に残った法則は

『二度と同じことをしない』

です。失敗を繰り返さないために反省し改善する。常日頃から心がけて実行していきたいものです。

経営戦略1分間トレーニング スキマ時間に「経営力」を鍛えよう! (その1分があなたを変える!)(2009-21/100)

経営戦略1分間トレーニング スキマ時間に「経営力」を鍛えよう! (その1分があなたを変える!)

すき間時間ができて、読む本が無い・・・そこで近くの本屋をのぞいて衝動買いしたのがこれです。「経営力」を鍛えるために1分間でトレーニングする問題が60問入っておりそれぞれに解説がつけられています。

一応すべての問題にチャレンジしました。解答については筆者の西村克己氏の考えと同じものや違うものでバラバラ。違っていても解説に「なるほど」とうなずくところと「それは自分の考えと違う」と納得できないものでバラバラ。

それでもあえて肯定的に捉えるならば経営には王道がありませんし正解もありません。経営上の意思決定をするためには様々な情報を集め選択肢それぞれに対して効果やリスクなどを踏まえた決断をしなければなりません。今回の60問についてもどれが正解かを選ぶのではなく、「この選択肢が正解になるケースはどういった場合だろうか?」と自問自答しながら読み進めていきました。それが自分の意見を持つためのトレーニングになるように思えます。

900円と求めやすい価格なので皆さんも一度チャレンジしてみてはいかがですか?

銀座流売れっ娘ホステスのほめ方・ほめ言葉―好意をもたれ社交上手になるための会話のしかた(2009-20/100)

銀座流売れっ娘ホステスのほめ方・ほめ言葉―好意をもたれ社交上手になるための会話のしかた

決してホステスになろうともクラブ通いを始めようとも思っていません・・・

コミュニケーションの能力向上のために参考になるかもと思い手に取りました。内容はやはり女性向けに書かれている部分が多いのですが私が読んでも「なるほど!」とうなずくところも何箇所かありました。

ほめ方・ほめ言葉のボキャブラリーやテクニックを学んだり、顧客対応の問答集をマニュアル化したりすることはほとんど意味がありません。(とこの本にも書かれています。)大切なのは相手を常に気に留め、敬い、気遣い、配慮するという気持ちだと思います。相手のことを気に留めておかなければ変化に気がつくこともありません。変化に気がつかなければかける言葉も見つかりません。

よく家人が「今日、どこかいつもと違うところ無い?」と質問し、私は回答に悪戦苦闘することが多いのですがそれは普段から気に留めてない証拠なんでしょう。そこは努力して改善したいと思います。

ビジネスの上でもそうです。マニュアル的な応対よりも慣れ親しんで名前を呼んでくれる方がうれしく感じられます。相手の名前も覚えていないというのはそれだけ相手に対して配慮が足りないということでしょう。

そのあたりは改めたいところが多いです。気に留める、配慮するなどはまず最初に相手に興味を持つことだと思います。相手に興味を持つためには普段から色々なことに興味を持っている必要がありそうです。あまり多趣味な方ではありませんが色々なことに興味を持つこともこれから心がけたいところです。

技術者倫理の世界 (2009-19/100)

技術者倫理の世界 第2版

今度大学で技術者倫理について講義することになったので知識の整理のために購入した本です。技術者倫理といえばコンプライアンス、法令遵守、CSR、製造物責任、内部告発など多くのテーマがありますが、この本は様々な事例を題材にして議論・考察を進めています。また演習問題として議題を提供するなど学校教育はもちろん企業内の技術者倫理教育でも使えるのではないでしょうか。

私はシステム開発会社に勤めていたことがありますが、そこでもこの技術者倫理が話題になることがありました。倫理を蔑ろにしてまで利益を追求すると企業の存在意義自体が危ぶまれると考えています。バグの無いシステムは無いと言われていますが、それは技術者側の言い訳に使われるべきものではありません。利用者側が受け入れるべきリスクとしての言葉です。またそうした意識が「逸脱の正常化」につながり大きな事故につながるものと考えています。

そうしたことを改めて意識するためにもおススメの一冊です。

情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (2009-18/100)

情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)

いつも手帳は持ち歩いています。内容は年間のスケジュールを把握するためと、訪問先や電話での打合せ内容をメモしたものの2種類。でも私はメモしてもそれを整理することが苦手です。書類の整理も下手。そこで試してみようと思ったのが本書に書かれているA6版ノートに全部記すということ。

早速100円ショップにいってA6ノートを買ったら三冊で100円でした。またエクセルでA4一枚裏表の年間スケジュール表を作って4つ折でA6サイズに。ノートの最後の2枚で作ったポケットに格納します。これで完成。毎日の出来事は時系列にメモします。取り交わした書類、届いたFAXなどはこのノートに貼ってしまいます。

ポイントはノートの内容のインデックスを電子データとして残すこと。A6ノートは恐らく2週間に一冊ぐらいのペースで使っていきます。どこにどんな記載・書類があったのかタイトルだけでもインデックス化する必要があります。これが続くかどうか。

さらに作成したインデックスはPCと携帯の両方で参照・変更できるようにしておきます。そうした意味でいまだに使っているNOKIAの702NKは役に立ちそうです。Outlookのメモ形式にしておけば連携も検索もらくらくです。

この方式、4月から試しています。いつまで続くかはお会いしたときに安田が持っている手帳を見てください!!

朝日キーワード2009→10(2009-17/100)

朝日キーワード2009→10

もう2ヶ月ほどカバンの中でずっと重しになっていた書籍です。私は何冊も並行読みをするのでカバンには雑誌や書籍などが何冊かいつも入っています。それにパソコンも入っているのでいつもカバンは10キロ近くあるのです。今考えたらお米の10キロ袋をいつも抱えているのと同じなんですね。それだけ運動しているのにこの体型なのは・・・

重しというと失礼な感じがしますが、政治・経済・国際・スポーツなどなど様々な分野での記述があり読みごたえ十分です。私がこの本を読もうと思った理由は主に2つあります。

  1. 記憶力が悪く新聞を読んでも過去とのつながりが認識できず記事のもととなった経緯がわからず理解できないことが多い
  2. 行政書士試験の一般常識問題対策として

特に政治と国際。これはこの本でまとめて読むことにより理解が深まったように思えます。学生のときには就職活動対策で手に取った本でしたがあのときは途中で挫折しました。今回最後まで読めたのは問題意識と興味があったからのように思えます。

来年も新しいのがでたら購入したいと思います。