従来のハウスメーカや工務店との一括請負契約を行わない建築手法が俄かに注目を浴びている。住宅を建築する際に、ハウスメーカ等が直接施工することは殆ど無い。各種の専門工事業者に下請工事を発注し、自社では工事管理だけを行う。施主側からすれば、窓口を一本化できるメリットがあるが、中間マージンが発生しコスト高になるケースが多い。
そこで施主自身が各種専門工事業者と直接契約し住宅を建築することができれば、中間マージン分だけはコストを抑えることができる。「だけ」とあるが、この額は実は相当な金額となっている。しかし実際問題、建築の素人がそのような現場管理ができるものだろうか。答えはNOである。ノウハウもなければ、現場に張り付いている時間も無い。ならばその任務を代行する手段が必要になってくる。そこで登場するのがオープンネットシステムである。設計事務所が数多く登録する全国規模のネットワークで、建築士がその任務を代行するわけである。もちろん、設計も行ってもらえばよい。同社のホームページからは工事費が1割~2割程度削減できるとある。この形式を一般にはCM方式とよぶ。
この手法、良いところもあれば悪いところもある。ハウスメーカや工務店などで自助努力を続けている企業は建築する住宅を標準化し設計費用を抑えるなどの工夫を行っていることがある。そういった低価格住宅でも良いということであればどちらを採用するか判断を迷わなければならない。見積りを採るにもCM形式では設計図面がある程度完成していなければ概算も出てこない。価格比較が難しいのである。設計施工型であることが前提となってくる。
しかしCM方式は外国では当たり前の方式で、一括請負方式が日本独特なのである。CM方式の良いところだけを採用し、日本流CM方式が広く普及すると良いのであろう。