保守作業は新規開発より劣るのか・・・

 現在和歌山大学で保守について講義を行っている。そのなかで保守についての問題点を議論する機会が得られた。保守対象を理解することから始めるため通常の開発作業とは技術的にも異なるが、経営者、営業マンからの保守に対するイメージも異なることから色々なところで問題が起こりがちである。そうした問題点と解決策を思うように列挙したので掲載する。
■理解不足
・ドキュメントの整備
・開発段階からの保守要員確保と教育
・要員交代における引継手順ルールの運用
・メンバー間(社内外)のコミュニケーション
■管理上の優先順位
・出荷、リリース前の出荷検査の実施徹底
・顧客窓口担当者の教育
・リリース計画(納入予定日)の事前通知
・保守品質と再発の因果関係分析
■モラル
・保守作業の重要性を理解するための教育
・期間内の売上・利益主義の撤廃
・将来収益を加味した人事評価
・ジョブローテーション
・メンバー間(社内外)のコミュニケーション
■プロダクト
・開発成熟度(CMMI)の向上促進
・作業工程の見直し
・ISO9000シリーズのような品質マニュアルの導入
・初期作業見積と結果実績の差異分析と将来への活用
■テストの困難さ
・テスト作業工程の洗い出し(WBS)
・テスト作業計画の作成と提示・周知徹底
・困難さがQCD(品質・コスト・納期)にもたらす影響の共有

他にも色々な切り口で議論のやり方もあるだろうが、1つ言えることは「保守は儲かることに早く気付く」ことが一番重要である。

保守作業は新規開発より劣るのか・・・」への2件のフィードバック

  1. 私の会社のカラープリンターも出力が多く
    かなり酷使しているので、保守点検をお願いする事もあるのですが、技術屋さんの多くは
    依頼したときだけ来て、あまり言葉をかわさず、点検だけ済んだらさっさと帰られます
    「時々来てもらうなら保守契約した方がいいですか?」と投げかけても
    「どちらでも・・」と消極的な回答
    何もトラブルなくても「終わりました」と言われたら、依頼者は安心の代償の対価として
    高額な出張費だけでも払うのです
    ときどき営業の電話いれるだけで、点検の
    仕事がとれるかもしれないのにもったいないって
    いつも思います
    人同士のコミュニケーションから生まれる売上が
    あるんじゃないかなって思います
    それが一番ピュアな純利益だと確信しながら・・
    保守は儲かりますよぉ

  2. motchyさん、コメントありがとうございます。
    確かにハードの保守担当の人ってぶっきらぼうな方多いですよね。技術職なのであまり営業的な思考を持ち合わせていないんでしょうね。
    自分だったら「どちらでも・・」なんて回答は絶対しません(笑)
    既存顧客のフォローをしない理由は色々あるようです。1つは新規顧客の方ばっかりに目をうばわれている。既存顧客の方が安定収入になる要素が高いのに・・・
    もう一つは納めた商品のクレームが面倒で対応したがらないケースもあるようです。
    様々ですが、やはり保守しないのはもったいないですよねぇ

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