朝来市商工会で「『売れる仕組み』をつくる 事業計画策定セミナー」の講師を務めました。
今回のセミナーでは、事業計画書の組み立て方を基本から説明するとともに、小規模事業者持続化補助金の活用を念頭に、採択されるためのポイント、加点対策、審査の観点、電子申請、そしてAIを活用した申請書作成まで幅広くお話ししました。
参加者の多くは、すでに事業をされていて一般型の活用を検討されている方でしたが、創業型を検討されている創業準備中の方もいらっしゃいました。
「本音」と「建前」の両方をお話ししました
通常の事業計画書作成セミナーであれば、
「まず自社の現状を分析し、強みや弱みを把握する」
「市場や顧客ニーズを分析する」
「経営方針や目標を設定する」
「目標達成のための具体的な事業計画を立てる」
というのが王道です。
今回も、もちろんそうした基本的な事業計画の組み立て方から説明しました。
一方で、補助金の申請を考えている方の本音は、必ずしもそこから始まるとは限りません。
「この設備を導入したい」
「ホームページを作りたい」
「新しい販路開拓に取り組みたい」
すでにやりたいことが決まっていて、
「これをやりたいから、補助金を通す方法を教えてほしい」
という場合も多いと思います。
そこで今回は、事業計画作成の本来の考え方という「建前」だけではなく、「では、実際に採択される可能性を高めるためにはどう考えればいいのか」という「本音」の部分にもかなり踏み込んでお話ししました。
採択される事業計画には「つながり」が必要
補助金の申請書だからといって、補助金で購入したいものや実施したいことだけを書けばいいわけではありません。
自社にはどのような強みがあるのか。
市場や顧客はどう変化しているのか。
どのような経営課題があるのか。
これから会社をどうしていきたいのか。
そのために、なぜ今回の取組が必要なのか。
そして、その取組によって売上や利益がどのように増えるのか。
これらが一本のストーリーとしてつながっていることが大切です。
セミナーでは、強みを「ヒト・モノ・カネ・情報」という経営資源と、「品質・コスト・納期・サービス・環境(QCDSE)」という競争優位性の両面から考える方法なども紹介しました。
また、売上についても単に「売上を増やします」ではなく、
単価
見込客数
成約率
リピート回数
1回あたりの購入個数
のどこを伸ばすのかまで具体的に考えていただきました。
加点措置は「知っているかどうか」も大切
今回、特に反応が良かったテーマの一つが「加点措置」でした。
持続化補助金には、一定の要件を満たすことで審査上の加点を受けられる仕組みがあります。
セミナーでは加点項目を紹介するだけではなく、「どの加点なら対応できそうか」「比較的取り組みやすいものは何か」といった実践的なところまでお話ししました。
申請書の文章を一生懸命作ることはもちろん大切です。
でも、制度として用意されている加点措置があるのであれば、それを調べ、自社で対応できるものを検討することも補助金申請の大切な準備の一つです。
実際に申請書を書くための資料も配布
今回は講義用の資料とは別に、私が作成した「持続化補助金 記載事項まとめ」も配布しました。
「自社の概要には何を書くのか」
「経営課題はどう考えるのか」
「市場動向や顧客ニーズには何を書くのか」
「強み・弱みはどのような視点で整理するのか」
「経営方針・目標と補助事業をどうつなげるのか」
といったことを、実際の申請書の記載項目に沿ってまとめたものです。
講義を聞いて「なるほど」で終わるのではなく、実際に申請書を作成するときに手元に置いて使っていただければと思っています。
AIを使わずに計画書を作る時代は終わった。でも「丸投げ」はダメ
そして、もう一つ反応が良かったのがAIの活用方法です。
私は今回、
「AIを使わずに、すべて自分の言葉だけで計画書を作る時代は終わった」
とお話ししました。
ただし、
「ChatGPTに申請書を書いてもらえばいい」
という意味ではありません。
むしろ、AIへの丸投げはおすすめしません。
今回のセミナーでは、実際に私自身が小規模事業者持続化補助金に申請し、採択された際のChatGPTの活用方法を紹介しました。
最初から申請書全体を書かせるのではなく、まず自社についてAIに理解してもらう。
そして、「自社の概要」「現在の売上・利益」「経営課題」「市場動向・顧客ニーズ」「強み・弱み」「経営方針・目標」と、一項目ずつ対話しながら作っていく。
さらに、AIが知らない自社固有の情報や具体的な数字を人間が加え、文章→追加質問→修正→数値化という作業を繰り返していきます。
最終的には、
経営課題
↓
取組
↓
必要な経費
↓
期待する売上効果
までが一本につながった申請書に仕上げていきます。
AIの価値は、単にきれいな文章を書いてくれることだけではありません。
自分の考えを投げかけ、質問してもらい、違う視点からアイデアを出してもらい、数字の整合性を確認しながら計画をブラッシュアップしていく。
AIを「代筆者」として使うのではなく、「参謀」「右腕」「パートナー」として使う。
これからの事業計画作成では、そんなAIとの付き合い方がますます重要になると思っています。
「やっぱりわかりやすい」がうれしかったです
セミナー終了後、主催者の方から、
「安田さんの話はやっぱりわかりやすい」
と言っていただきました。
講師として、とてもうれしい一言でした。
補助金の制度や事業計画書の作成は、どうしても難しい言葉が多くなります。
だからこそ私は、制度を説明するだけではなく、
「結局、何を書けばいいのか」
「なぜ、それを書く必要があるのか」
「実際に自分の会社ならどう考えればいいのか」
まで理解していただけるようにお伝えすることを大切にしています。
今回のセミナーが、参加された皆さんの事業計画づくり、そして持続化補助金を活用した新たな取組の一助になればうれしいです。



















