たまたま2件連続で販路開拓の相談がありました。1社はサービス業で、もう1社は小売業です。
サービス業の方はホームページも設けられており、特定のキーワードで上位に表示されます。それでもなかなか顧客増に結びつかないようです。ヒアリングをしてみたら提供するサービスは3種類(仮にA、B、C)あり、Aが主流ですが先細り。今後はB、Cを伸ばしていきたいとの意向。でも検索で上位表示されるというキーワードはAに関係するものでした。
相談にあたっては例えばCの新規顧客を頭の中に思い浮かべてもらうところからスタートです。性別は?年齢は?どこに住んでいる?生活スタイルは?なるべく具体的に思い浮かべたら次はその人の行動を予測(仮定)します。
「○○に不便を感じたら、きっとインターネットで◆◆というキーワードで検索する。そして表示された何件かのホームページで価格以外に■■を比較検討するだろう。電話番号を載せておいても、すぐに電話するのではなく、問い合わせをするにもきっとメールか問い合わせフォームだろう。」とか、
あるいは「ポスティングされたチラシをみてもすぐに電話しない。でもインターネットで調べるのも苦手な年齢層だからきっと同居している息子又は娘に調べてもらうだろう。だから利用者は高齢者でもホームページはその下の世代向けがいい。息子又は娘はきっと何件かの候補をピックアップし本人に提案するに違いない。価格、サービスともそう変わらない。とすれば、背中を押すために期間限定のキャンペーンを打ち、利用者本人だけでなく息子又は娘も喜ぶような商品をプレゼントしたらどうだろう・・・」といった感じです。
今は文章で書きましたが、これをAIDMAというステップに置き換えていき、インターネットやそれ以外でも今後何をすべきかを1つ1つの行動と目標を定めていきます。あとは結果と改善効果の測定。行動の仮定が間違っている場合もありますが、それも随時変更していきます。
小売業の方は比較的高額な商品を年配の方向けに販売。販売にあたっては来店いただいての販売が中心とのことでした。リピーターも多いのですが、新規の顧客が伸びません。とすれば紹介キャンペーンを検討してみます。
紹介にあたっては、単に「紹介いただいたら500円引き」と価格のメリットを訴求してしまいがちですが、「年配で高額な商品を買う顧客層」を考えてみればミスマッチです。価格以外で満足を感じてもらうための仕組みが必要です。紹介者だけが商品が購入できるとか・・・「だけ」という特別感が大切。
また紹介にあたっても「販売には来店が必要」という点にも配慮しなければなりません。紹介した人が一人でお店を訪問することは考えにくく、できれば紹介者と一緒に来てほしい。とすれば紹介者が次に店に来てくれるタイミングを狙うのがよさそうです。そこで必要になるのが顧客別の購買頻度、購買期間データ。データといっても頭のなかでさばける件数であれば別にIT化する必要もありません。
「そろそろ購入のために来店いただけそう・・・」というタイミングの少し前に手書きの手紙です。良いものをより多くの人に使ってほしいという想いと、紹介いただける方と是非一緒にご来店いただきたいという願いをしたためます。そして商品を簡単に説明できるような資料をつけておく。頭の中で紹介者と紹介される人との会話を想像することが大切です。これも仮説をたてたら検証と改善が必要です。
販路開拓は想像力。いかにお客様側にたって配慮できるかがポイントです!!