最近、営業に関してツールや手法についての本を読み漁っています。建設業における営業は官公庁向けであったり、企業向けであったり、個人向けであったり様々です。これらの中で住宅建築又はリフォームに注目しますと個人向けが多数を占めます。
個人向けの営業には新聞チラシやホームページなど小売業やサービス業でも行っている販売促進のテクニックが多いに役立ちます。特に新築とリフォームを分けた場合、大手住宅メーカは新築顧客をターゲットに大きな宣伝力を軸に規模の経済を狙うべく全国展開を行います。勿論新築ですから個々の売上高は相当高いものになります。
それでは中小企業は?地域密着でやっていくなら当然フットワークが大企業と比較して良くなります。新築と違い展示場も必要なく足を使った”提案型営業”が主となります。新築に比べて個々の売上高は低いものの短い周期でリピートが期待できます。すなわち小売業やサービス業と同じく”お得意様”を作ることができます。地域密着型の顧客サービス・・・地味ですが本当に良心的なサービスを目指すなら受け入れてくれる消費者は多いでしょう。
ここしばらく、主力を向けて研究していくつもりです。
月別アーカイブ: 2005年10月
建設工事もものづくり。そこには職人がいる
建設会社の経営や業務のコンサルティングを行っていると、どうしても受注減が表に目立ってしまい、効率化や原価削減の話が先行してしまいます。しかしそればかりに注目していては”人材”管理が疎かになってしまいます。工事も色々と自動化が進んではいますがやはり「ものづくり」、作業を行う人のノウハウ・技術のことを忘れてはいけません。
そのことを改めて思い起こさせてくれた記事がありました。今井工務店殿のブログ記事『盛土作業 余分な仕事』です。大きな重機を扱いながら「細かく丁寧な仕事」を心掛ける。こういった職人・技術者の考えを聞かなければ「企業の体質を変えろ!」と偉そうなことをいっても意味が無いですし、その方法論も実現性の低いものでしょう。
IT化についても先の記事で考えを述べた通り、本社だけをIT化しても全く意味がないのです。活動しているのは現場。現場を動かしているのは人です。。。。
グッドデザイン賞
先日、グッドデザイン賞が発表された。大賞はテルモ株式会社のインシュリン用注射針「ナノパス33」。東京・東向島の金属加工業、岡野工業との共同開発である。社長の岡野雅行氏は以前からその技術が認められメディアでも顔を出すようになった。
さて、建設関係のグッドデザイン賞を見てみると「建築・環境デザイン部門」の金賞で2つ受賞している。
■金沢21世紀美術館
以下紹介ページの概要文より
金沢市内の中心部に建つ美術館。交流ゾーンと美術館ゾーンを合わせ持つ。どこからでもアクセスできる敷地条件を活かし、表裏のない円形の建物としている。外周部のシアターやライブラリーといった交流ゾーンは、チケットを持たない人でも気軽に館内を一周することが出来る。中心部の美術館ゾーンには、様々な大きさの19の展示室が空間を保ちながら配置されている。それにより、順路規定しない回遊性のある展示空間となっている。
■東雲キャナルコート 中央ゾーン
以下紹介ページの概要文より
「東雲キャナルコート 中央ゾーン」は建設戸数約2000戸の大規模開発プロジェクトです。街づくりにあたっては、各界のオピニオンリーダーで構成された「街並み街区企画会議」が、新しい都心居住の実現に向けた企画・コンセプト提案を行い、建築家チームやランドスケープ・照明・サインデザイナー及びUR都市機構と東京建物で構成される「東雲デザイン会議」が、そのコンセプト提案を踏まえ、まちづくりの概念を示す誘導型の「デザインガイドライン」をベースにまち全体のデザインをコントロールし、設計に取り組んでいます。6つに分けられた各街区には、建築家チームによる斬新な提案を採用し、新しい住宅像を打ち出しています。
特に東雲キャナルコート 中央ゾーンについては1つの建物ではなく、その地域すべてが対象であることが興味深く、近く立ち寄ってみたいと思っている。
関西国際空港
仕事がらよく空港を利用していますが、私の事務所から最寄の空港は関西国際空港になります。もうすぐ利用者が2億人に到達する予定とのことです。今日も宮崎からの帰りに空港を利用しました。
関西国際空港は二本目の滑走路(二期事業)が進行中です。関西国際空港用地造成株式会社のホームページより二期事業の様子が紹介されています。
しかし気になるのは採算性です。先のページでも二期事業の必要性がうたわれていますが、その内容は国際化やグローバル化。伊丹の大阪国際空港より少ない離発着数で何年後かには神戸にも空港ができます。どうしても空港、港湾、道路、すべてにおいて公共工事は予算化するときに過大な収支予測をする傾向があるようで、それを鵜呑みにして工事を決めてしまうのも大問題なのですが。
始めてしまった工事も来年には滑走路供用が始まろうとしています。空港会社も民営化して利潤を追い求めていく体制にはできないものでしょうか・・・
建設業経理事務士
建設業経理事務士という資格があります。
端的にいってみれば簿記と似た資格なのですが、建設業会計に即した経理の専門家育成を目的とした資格です。詳しくは財団法人建設業振興基金の該当ページを見てください。
今日、その資格に触れたのは、この資格、公共工事の入札資格を得るための経営事項審査の加点対象となっています。それが今年度(平成18年3月)までで打ち切りになるという話題が以前ありました。その「期限」についての記載が先のページにもあったのですが、最近確認しましたら無くなっていました。
経営事項審査の加点対象から外れるとこの資格の取得を推奨する建設会社が減り、それが故に建設業会計の専門家育成に歯止めがかかることになります。本当に育成したいのであれば経営事項審査など関係ないのですが、工事を受注しなければ何も始まりませんので仕方ありません。何とか引き続き経営事項審査の加点対象になってほしいものです。
私も2級までは取得し、1級については原価計算と財務分析は昨年度の試験で合格しました。今年は残りの財務諸表を受験する予定です。
阪南市商工会主催建設業IT化セミナー
今日は完全に宣伝モードです。
建設業IT化セミナー | |
平成17年11月11日 14時~15時30分 | |
大阪府 阪南市商工会 | |
特に商工会会員である必要はありません。 阪南市商工会にお問合せ下さい。 |
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我が国の建設産業は需給バランスが崩れ供給過多の状態にあります。過当競争により利益率が低下するなど厳しい経営環境に直面しています。このような背景の中、特に中小・中堅建設業におきましてはit化が遅れており、itの活用による経営の合理化が急務と言えます。しかしながらitベンダーからの一方的な提案についてその効果を十分に吟味しないままit化を進め無駄な投資を行い失敗となるケースが多いのも確かです。>> | |
1.IT化とは何かを理解します 2.どのようなIT化の種類があるか理解します 3.ITの導入前にすべきことを理解します 4.ITの導入段階ですべきことを理解します 5.ITの導入後にすべきことを理解します |
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座学形式 | |
1.IT化についての説明 2.IT化の種類についての説明 3.IT化の手順についての説明 4.事例紹介(ホームページ、グループウェア、ブログ等紹介) |
原価削減のための一策
よく「原価削減できるアイデアは無いですか?」と聞かれることがあります。原価削減といっても主に購買が絡むものを指すのですが、購買活動を対象に考えた場合、短期的に効果が出るが長く続かないもの(代表的なものが買い叩き)、長期的に効果はあるが即効性に欠けるものの2タイプに分かれます。長期の視野でいけば中長期の経営計画の一つの枠として購買戦略があり、協力会社と共存関係を保ちながら強固な関係を築くものとなっていきます。短期で場当たり的に行動した場合、共存はありえません。単に削減を強いられた協力会社は好意的でなくなりいずれ逃げていくことになるでしょう。
建設業においては原価の8割弱が購買がからむ材料費・外注費となっています。(もちろん、重下請構造の孫請け、ひ孫請けなどは外注費率は下がります。)故に戦略的な購買活動は大きな効果を生みます。
最近、協力会社から新素材、新工法の提案は受けましたか?
最近、新しい協力会社の発掘は行いましたか?
最近、単なる値引きを強いたりしてませんか?
最近、協力会社が寄り付かなくなってませんか?
※ホームページ上にセミナーの案内を掲載しました。
大阪府のCALS/EC関連の情報共有システム
10月17日に大阪府のCALS/EC関連の情報共有システムについてのチュートリアル(マニュアル)がホームページに掲載されました。共有された情報はそのまま電子納品へ活用されていきます。
情報共有システムはグループウェアと似ており、社内でグループウェアを活用している企業はスムーズに利用できると推測するが、社内でこのような情報共有を行っていない場合は、概念の理解ができておらずシステムの使い方も頭に入っていきづらいだろう。ただ、このチュートリアルは非常に丁寧に記載されており十分活用できると考えるが、まずは主担当者が理解し、このチュートリアルを活用して社内での勉強会を開催するなどの展開が必要と考えられる。
使うと便利な情報共有システム、使い方がわからず四苦八苦し管理工数が増えて困るようでは本末転倒である。
そしてもう一つのセミナー
先日お伝えしたセミナーに加え、もう一つセミナーを開く予定があります。
建設業の購買戦略についてです。製造業では一般的に材料費、労務費、経費の3要素で原価管理を行いますが、建設業ではさらに外注費を加えて「原価管理の4要素」と呼んでいます。購買がからむ原価要素は材料費と外注費になりますが、この二つを加えると原価全体の7割異常も占めます。
売上高に占める原価全体の割合は約87%なので87%×0.7で売上高に対する購買関係原価は約60%となります。
平成15年度の建設業全体での売上高経常利益率は△0.41%。
もし購買関係原価の1%でも削減できれば、0.6%利益率が向上し黒字になります。
1%の削減。協力会社に強いれば単なる買い叩きです。しかし、協力会社と共存関係を保ちながら戦略的に削減活動を行えば十分に実現可能です。
このあたりの具体策についてセミナーでは述べていく予定です。
また具体的な告知ができる時期になりましたらお知らせする予定です。
建設業IT化セミナー
地元の方で「建設業IT化セミナー(仮)」を開催することになりました。11月中旬です。詳細は決定次第お知らせしますが、自分の思いを発表できる場ができ感謝感謝です。
建設業のIT化といえばまず最初にCALS/ECが思い浮かびますが、私の中ではこれはIT化の分類に入りません。単に発注側の要件に対応しているだけで社内の業務については何も変わりが無いからです。でもIT化のきっかけにはなりえると考えています。CALS/ECのために初めてコンピュータを導入したのであればこれはまさにチャンスであり、これを機会にITリテラシを向上させるべきです。
またセミナーについての情報発信もしていきたいと考えています。