またまた週間ダイヤモンドの建設業ランキングの季節がやってきました。
ここで危険度が高いとされた企業は得意先や金融機関への説明に追われます。
ここで危険度が低いとされた企業は「週間ダイヤモンドで安全と評価されました!」とPRを行います。
1つの雑誌で一喜一憂する建設会社と、そのランキングを真に受ける読者。ランキングは経審の客観的な数値で行われるので恣意性は低いけれども、ランキングの指標とされているパラメーターの選び方、その数値の本当の意味するところを把握する前に順位が先走るのはいかがなものか。
自己資本比率1つにとってもそう。純資産と総資産を単純に比較しても借入金の中には経営者資金が入っており実際は純資産とイコールとみなせるものもある。支払利息額と借入金の額から利率がわかる。極端に低い場合はそうしたことも考慮すべき。
「そこまで詳細に分析するのではなくパッと見ただけでわかるパラメータ」も大切ではあるが、実態を表していない可能性を大きく説明しておかなければ、ランキングが先走り、顧客は発注を取りやめ企業の収益悪化に拍車をかける。残念ながらこのランキング記事の影響力は相当大きいのである。だから説明責任も大きいはずなのだ。