最近の建築確認件数動向

 建築基準法変更により一時大混乱した確認申請による着工数の減少だが、最近はどうなっているのか気になっていたところに国交省の発表があった。

 施行された平成19年7月以降、前年同月比はマイナスが継続していた。逆に激減した7月、8月、9月の1年後(すなわち平成20年の7月から9月)は反動でプラスとなっているのだが、その後10月から12月はマイナスに転じている。このあたりからようやく法改正による影響を外して動向を見ることができるが、景気悪化や金融ショックのあおりをうけてマンションなどの住宅販売の見込みが悪化したこと、設備投資の中止・延期などによる工場建設案件の現象などが主な原因と考えることができる。

 さらに景気は冷え込む予想もあり、今後もマイナス傾向は継続するだろう。建設業界の企業淘汰も進んでいく。有名企業の倒産にももう驚かなくなったが、多くの下請建設会社や建材会社は貸倒のリスクに怯えながらも存続のために危ない橋を渡らざるを得ない状態だ。

 こうしたなか活路を見出す画一的な方法は打ち出せないが、企業ごとにやり方はあるように思える。これから公共工事が増える時期である。工事が増えれば経営者も忙しくなりそうした方針を見出せなく慌ただしく日は過ぎていく。しかしこの時期こそ工事の立替も大きくなり貸倒のリスクも大きくなっていくことを忘れてはならない。

経営事項審査のポータルサイト『経審ポータル』を正式オープン!!

 安田コンサルティング(大阪府貝塚市、代表:安田 勝也)は公共工事の入札に参加する建設業者の客観数値を得る仕組みである経営事項審査に関する様々な情報をトータルに提供するポータルサイト『経審ポータル』を1月30日(金)に正式オープンさせました。

 『経審ポータル』の提供する主なコンテンツは以下の6つです。

  1. 経営事項審査に関する情報
  2. 地方自治体の経営事項審査情報へのリンク
  3. 全国の経営事項審査をはじめとする建設業関連の申請にかかわる行政書士事務所の情報
  4. 経営事項審査に関するQ&A
  5. 経営事項審査の評点計算を行うシミュレーションソフトの情報
  6. メールマガジンの発行

Keishin

 すでに昨年12月11日に仮オープンさせておりましたが、多くの行政書士事務所にご登録いただき、サイトが充実してまいりましたので正式オープンする運びとなりました。

 安田コンサルティングは建設会社に経営支援サービスを提供することを主な事業としており、本サイトを活用することで建設業界が活性化することを願っております。経営事項審査を受ける建設会社はもちろん、建設業関連で申請をサポートする行政書士事務所、シミュレーションソフトを開発販売するソフトウェア会社などに利用頂きたいと考えています。

 同サイトでは現在同サイトの趣旨に賛同いただける行政書士事務所の登録を募集しております。登録によるメリットが以下のように3つあります。

  1. 無料
      初期費用、月額・年額などの期間費用を一切いただきません。
  2. 宣伝効果
      貴殿の事務所の宣伝効果につながります。
  3. SEO
      貴殿ホームページへの集客数向上が期待できます。

【本件に関するお問い合わせ先】
 安田コンサルティング
 代表:安田 勝也 (ヤスダ カツヤ)
 Mail:yasucon@ea.main.jp Tel:072-437-6266 Fax:072-437-6266
 〒597-0023 大阪府貝塚市福田20-1-206

建設業コンプライアンス入門(2009-6/100)

建設業コンプライアンス入門 (大成ブックス)

建設会社が遵守するべき法律は建設業法、建築基準法をはじめ多岐に渡る。

建設業界でコンプライアンスについて語られる多くの場合は下請取引に関するものである。一般の中小企業には下請代金支払遅延防止法があるが、建設業の下請に関しては建設業法がそれにかわっている。また建設という産業は多くの産業廃棄物を排出することから建設リサイクル法をはじめとした環境分野の法律にも配慮が必要である。
法務部門がある大手建設会社ならともかく、こうした法律の同行を1つ1つ追っていくのは至難の業であり中小建設会社においては総務・経理・人事と一人で担当している企業も多く存在する。そうした企業においては深く掘り下げることは難しいが、広く浅い知識をインプットしておき、具体的な事案にあったときには専門家を利用するなどが現実的であろう。
本書はそうした建設会社が遵守すべき法律を広い範囲にわたって解説している。なかには企業によっては関連が薄い法律も含まれているが一読して浅くてもいいので法律知識をインプットしておくことが大切だと考える。
著者は弁護士や大手ゼネコンのCSR担当者があたっている(複数の著者による共著であるがゆえに担当章ごとに言い回しが異なるところが少し気になった。)
経営事項審査においても行政処分による減点措置が平成20年より始まっている。年を追うごとに罰則も厳しくなってきている。企業としての信頼性を守るためにもコンプライアンスには気をつけたいところだ。

行政書士試験、今年もダメでした

 今日は行政書士試験の結果発表の日です。結果はNG。ある程度予測していたもののやはりくやしいです。(落ちてくやしくなければ取り組み姿勢がおかしいかもしれませんが・・・)

 郵送で点数の内訳が届くまで敗因は不明ですが来年度への作戦も含めて少し考えてみました。

  1. 今年度は昨年度と違ってインプットのやり方を変えた(サブノートを作成した)
  2. サブノート作成に時間がかかったことと、作成すること自体が目的となっていた
  3. アウトプットは答案練習講座を受講したが、あとの復習が完全に消化不良だった。

 そこで来年度向けの作戦ですが・・・

  1. 来年度の答案練習講座までサブノートでの復習、昨年度の答案練習講座でのアウトプットを継続する
  2. 答案練習講座を再度受講する
  3. 受講後は答案練習講座の復習に専念する

 といったところでしょうか。今日からできることをみつけて進んでいきます。

改正建築士法及び関連政省令等の解説(社団法人日本木造住宅産業協会)(2009-5/100)

建築士法が改正され段階的に施行が始まっている。改正の目的は1.建築士の資質・能力の向上、2.専門能力を有する建築士による構造設計及び設備設計の適正化、3.設計・工事監理業務の適正化と情報開示などである。

新しい構造設計一級建築士や設備設計一級建築士制度が創設されたり、昨年11月に施行された重要事項説明の義務付けが与える負担増など色々と話題がつきないが、当の建築士、または建築士に設計を依頼する建設会社やあるいは施主においても今回の改正により過去の耐震偽造問題などに対してどう対応・改善していくのかは注目すべきことだ。

先月社団法人日本木造住宅産業協会より「改正建築士法及び関連政省令等の解説」が発刊された。これは法改正の概要と施行スケジュール、さらにはQ&A形式にて70もの疑問点に解説が成されている。主には建築士向けであるが前述の関係者も是非参考にしてほしいところである。

同書は書店ではなく、同協会のホームページから購入可能である。

図解 NPO法人のつくり方・運営のしかた(2009-4/100)

図解 NPO法人のつくり方・運営のしかた

最近NPO法人の設立方法についてたずねられたので自分の知識の整理・確認のためにわかりやすい解説書を探して発見したのがこの本です。

NPO法人についての解説書には設立方法を説明するものと運営(特に経理面)方法を説明するものがあります。本書はその両方についてわかりやすく解説しています。

設立方法についてはその手順を図解し作成する必要がある書類については記載例も掲載されているため実際に設立作業を行う際に大いに役立つでしょう。

また、運営については法的に公開する必要がある書類の作成や内部の経理作業にも触れられているほかに、多くのNPO法人が行き詰っている収益面についての考え方やその方法についても言及しています。NPO法人は非営利ですが継続のためには収益が必要です。非営利というのは儲かった利益を構成員に配分してはいけないというだけです。こうした考え方は本書内にも「NPOによくある誤解」として解説があり、NPO法人の設立がまだ検討段階である団体にも有効な道しるべになるように思えます。

dareというサービス…個人情報の載せ方としてこれはどうか!?

 ホームページやブログで公開されているプロフィールなどを自動収集して「ヒト+ヒト つながりデータベース」として公開するサービス「dare」。私のプロフィールも自動登録にて公開されていた。

 運営会社であるサイバーズ株式会社に、「同意もしていないのにどうして公開されているのか?」という旨の問合せをした。回答としては「これは検索エンジンサービスなので公開されている情報を引用して表示している」とのこと。

 公開されているプロフィールはmixiなどSNSライクに作られており、見た人によっては自動収集したものではなく私自身が登録したように誤解されるだろう。また、出身地も単に「安田」というキーワードにて「高知県安芸郡安田町の人」として紹介されていた。

 問合せの回答にあわせて私のデータは削除された模様だが・・・

 ホームページにてプロフィールを公開している知人の多くが掲載されていた。皆さんも自分が載っているか調べてみては??

平成21年度住宅・建築関連先導技術開発助成事業の公募

 国土交通省が住宅・建築に関する先導的技術の開発と実用化に取り組む企業の開発案件に対して助成する公募をはじめた。

 募集する技術の内容は以下の通り。

  1. 住宅等におけるエネルギーの効率的な利用に資する技術開発
  2. 住宅等に係る省資源、廃棄物削減に資する技術開発
  3. 住宅等の安全性の向上に資する技術開発

 技術開発といえば大手企業が行うことと考えがちであるが中小企業でも十分可能である。廃棄物が削減できる工法の開発やエネルギー効率を高める建材の開発など色々と考えられる。

 募集期間は平成21年1月22日(木)から2月27日(金)まで。詳しくはこちら

ジョーコーポレーションの栄華と倒産

3年以上前(私の創業後すぐのころ)に私のホームページにジョーコーポレーションのすばらしい経営姿勢を記述した書籍の紹介をさせてもらったことがある。以下はそのときの書評だ。

松山にある株式会社ジョー・コーポレーションは不況業種である建設業の中で一貫して売上高を年率約20%ずつ伸ばし続けている。請負型の業務から「建設総合メーカー」として変革を遂げ、分譲マンション「サントーレマンション」シリーズなどを提供している。
この書物はその経営手法を特効薬的に記されたものではない。度々書の中で紹介される、「社長」、「経営理念・ビジョン」、「ビジネスモデル」、「システム化・型決め」、「行動環境」の5要素を中心にして経営の1つのあり方を示している。その取り組みについてオープンに記述されているが、他社が真似をしたとしても長期間継続して実となるものばかりである。しかしながら、経営手法の雛形としては建設業に限らず広く応用できるものであろう。一部でもかまわないので取り組める部分から実行してみて欲しい。私としては経営者自身がこの経営手法にある「社長」であるべきところから開始することをお勧めする。人財が企業文化・企業風土を育成するのである。従業員は社長のファンとなることで何倍ものパワーを発揮する。そして会社は顧客満足は勿論のこと従業員の満足までサポートしていくことにより「行動環境」が出来ていくのである。そして顧客は企業のファンと化していく。この形が形成できれば売上・利益は必然的に生み出されるのである。(2005.10.04)

あの頃から建築基準法がかわり今はマンション不況と経済不況がマンション業界を取り巻いている。乱立するマンションも空室が目立つ。それでも良い企画・立地のマンションは売れ行きが好調と思われていたがそれも今は疑問視せざるを得ない。

急成長する企業はフローに対してストックが脆弱であることが多く、ヒト・モノ・カネ・情報の経営資源がついていかずうまく歯車が回らなくなる。今回の破綻もマンション建築費用の多くが借り入れによる調達であり、売れたお金で返すという好調なときには有効に働くモデルが止まってしまったことによるところが多い。

手を止めれば従業員の給料など固定費が支払えなくなる。しかし建てれば赤字がかさむ。売れないものを無理に生産しても増えるのは不良在庫だけでキャッシュフローはすぐさま悪化する。

キャッシュの流出を防ぎ収益構造を改善するためにリストラを行う・・・言葉で記せばこれだけであるが気の遠くなるような作業である。しかし復活のためには・・・というところだろうか。

最後の授業 ぼくの命があるうちに (2009-3/100)

最後の授業 ぼくの命があるうちに

 この本の存在を知ったのは1月7日、堺市内の書店で見かけたときだ。「最後の授業」というタイトルと帯に記された「余命半年」という言葉に大きく引き付けられた。「自分の命があるうちに伝えておきたいこと」を少し考えた。ただそのときはこの本を手にすることはなかった。

 次にこの本のことに触れたのは読書力の本で紹介されていたとき。短い間に2回の出会いがあった。すぐさま書店に出向き購入した。癌が再発し余命半年といわれた筆者の境遇ち最後の授業の内容を想像しきっと自分は涙を流すだろうと予想していた。

 しかし読み進めるうちにすぐにこれは癌との闘病記などを綴ったものではなく、タイトルの通り筆者がカーネギーメロン大学で行った「最後の講義」の続きとして書かれたもので、筆者が自ら様々な子どものときの夢を現実のものにしてきた経験とこれから夢を実現したいと考えている人たちへのメッセージが主な内容となっている。

 ともすれば涙を流すという予想は外れそうであったが最後のところでやはり予想通りとなった。悲しさと感動と半々だと思う。

 筆者はITのバーチャルリアリティという分野を専門とするカーネギーメロン大学の教授。バーチャルリアリティという言葉とカーネギーメロン大学。私が過去に勤めたことのある企業でこの2つのキーワードは大きな関連があり親近感も覚えた。

 色々な思いが駆け巡りながら読み進めていくことになったが、読み終えた感想としてはやはりこれからの人生を生きていく中でヒントになることを多く得ることができたということ。

 「幸運は、準備と機会がめぐりあったときに起こる」という一節があった。これと同じことを数日前に受けた相談の際に相手に伝えた。それは間違っていない考えだと再認識できた。

 「レンガの壁」がよく登場する。目の前に壁が立ちはだかったとき、自分がそれを超えられるか試されているチャンスと捉える。私は筆者と同じくして楽観主義者だと自分を分析しているが、厳しいことに立ち向かうよりはそれを避けていることの方が多いように思える。それは楽観主義ではなく単なる怠け者だと気付きを与えてくれた。これからはそのチャンスをものにしたいと思う。

 この本もまたいつか読み返したい一冊となった。

※実際の最後の授業の様子はYouTubeで見ることができる。