打ち合わせ現場で不信・不安だらけの顧客の緊張をやわらげる方法

打ち合わせ現場で不信・不安だらけの顧客の緊張をやわらげる方法にどんなものがあるだろうか?

コミュニケーション術、交渉術など色々とテクニック的なものがあるが、1つオススメですぐに実践できそうなことは「はい」と答えられる質問を最初に3回ほど繰り返す方法。

例えばリフォーム現場見学会に訪れた顧客に声を掛ける際に・・・

「今日はどうしてこちらの見学会のことをお知りになったのですか?」ではなく、

「新聞の折込チラシを見られたのですか?」ときく。(もちろん、見学会の宣伝は折込チラシしかしていないことが前提)

「いかがですか?こちらのリフォームは」 ではなく、

「リフォームによって少ない予算で住みよい住宅になるといいですよね?」と尋ねる。

「どういったリフォームをお考えですか?」ではなく、

「対面キッチンで団らんしながら料理や片付けができるといいですよね?」と尋ねる。

「はい」と答えるうちにコミュニケーションができてきます。そうした場ができてくれば、次はYes、Noで答えられる質問を。ただし、できるかぎりYesで答えられる方の質問にする。

さらに信頼関係が少しずつできてくれば、一言では答えられないような質問を投げかけてみる。

これは簡単なテクニックです。会話にテクニックを持ち込みたくないという方もおられます。しかし、顧客の本当のニーズを引き出すことは双方にとってメリットのあることです。顧客のことを考えてこうした質問手順にも気を配るようにしましょう。

もちろん、その場で臨機応変にできない場合はあらかじめ「Yesと答える質問集」を準備して練習しておくと良いでしょう。

堺商工会議所の創業塾が終わりました

堺商工会議所の創業塾が終わりました。

5週に渡って創業について色々と学んでいただきました。事業計画書の作成にも挑戦してもらいました。そして自分で書けない項目が多くてまだまだ準備不足であることも認識してもらいました。

それでも今日の最終回でのプレゼン大会では、皆さんそれぞれが自分の夢を語っておられて良かったです。感動して少しウルッときた場面もありました。

創業とは熱い思いを形にする作業。形にするための知識や必要な準備作業は多岐に渡りますが、夢を実現するまでのステップでしかありません。創業塾で多くのことを伝えました。消化不良を起こしていた方もおられました。ステップで折れてしまうのも折れずに進み続けるのも自分次第です。創業とは自分に責任を持つこと。誰にも強制されないので折れるのも自由です。誰も何も文句を言いません。

それでも、そんな心配をよそに皆さんが大いに夢を語られた。そんなパワーみなぎる最終回に私自身もパワーを頂きました。12月のフォローアップでお会いできるのが今から楽しみです。

化学物質対策を住宅に施すことも顧客ニーズを満たす1つの策

建材に使われる化学物質により体調不良を起こしやすい人向けの配慮・サービスを考えてみたい

「シックハウス症候群」、ホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの化学物質が引き起こす症状であるが、厚生労働省などが定める基準値以下であれば必ず起きないというものではない。しかもこうした化学物質に強い体質と弱い体質があり住宅建築にあたっては施主やその家族に対する配慮が不可欠となる。

千葉大学を中心に行われているケミレスタウンプロジェクトでは施主の体質を簡易判定できるソフトを公開している。こうしたソフトを利用して施主や家族の体質を判定し使用する建材を検討することも大切である。

今はホルムアルデヒドに関してFスター表示があるが、F☆☆☆☆表記のものを使用していれば大丈夫ということではない。ほかの化学物質に関しては別途考慮する必要があるからである。

シックハウス、ホルムアルデヒドなどは施主もインターネットなどで学習しており、こうした対策を講じられるように要求されることが多いが、住宅の専門家としては他の化学物質の特性を知り、それぞれの対策にはどういったものがあるのかを予め調査・学習しておく必要があろう。

住宅業界で慣習化する「値引」を避けるためには

住宅業界で慣習化する「値引」を避けるためにはどうしたらいいだろうか。

  • 値引されることを想定しあらかじめ高めに設定しておく

これは論外。しかし論外であっても十分な見積根拠を示していない場合や顧客との信頼関係を築くことができないような工務店であればある意味仕方がない。顧客の視点に全く立ててないのであるから目先の価格ばかりで勝負するしかないのである。

見積根拠といっても見積書を書面でわたすことは当たり前。しかし明細がない場合や、あったとしてもそれぞれが「○○工事 一式 ○○円」というものであれば明細の意味を成さない。材工一式もダメ。そうした含みが顧客に不信感を抱かせ信頼関係構築の障害となる。「あわよくば儲けてやろう」という考え方自身が値引をなくせない最大の理由なのだ。

顧客の信頼については徹底的に「顧客の視点」に立つことである。提供する住宅は顧客の人生を豊かにする手段でしかないことを認識すること。住宅を提供することでお手伝いをしているに過ぎないのである。だから「営業」ではなく「サポーター」として接することを心がけるべきなのである。

「当社は値引欄を設けていません。」と潔い企業の皆さん。明細に「一式」という文字はありませんか?

リフォームの無料セミナーが全国で開催されています

リフォームの無料セミナーが全国で開催されています。

省エネ・バリアフリー回収事業者向け講習会:日本コンベンションサービス

住宅リフォームステップアップセミナー:住宅リフォーム推進協議会

こうしたセミナーを受ける際に注意すべきことは「有益かどうかは自分次第」ということ。「無料だから申し込んでおくか・・・」だと忙しさを理由に行くのを取りやめにしたり、参加したもののずっと居眠り・・・になりかねない。

自分なりに「何を吸収するのか」という目的意識を持って参加することが大切。

建設業向けの融資が低調。貸し出し残高が25年ぶりの低水準。

2009年9月9日の日本経済新聞の記事より。

建設業向けの融資が低調で貸し出し残高が25年ぶりの低水準とのこと。

貸し出し残高が減った要因は景気や建設業界全体の低迷により金融機関が貸し出しに慎重になっていること以外にもう1つあり、それは建設業界で新たな資金需要が減ってきていることもある。

公共投資の減少はもちろん、住宅においても戸建、マンションとも着工戸数は減少している。マンションに限っては統計をとりはじめた85年1月以降過去最低とのことである。

民主党は公共投資の大幅削減を主張している。すでにダムなどの大型工事について具体的に言及している。無駄な公共事業を省くのは当然とも言えるが、ハード面での必要性以外に公共事業によるソフト面(経済面)の効果についても考慮に入れるべきであろうし、日本の建設技術の発展を担ってきたという公共事業の役割についても忘れてはならないと思う。

いずれにしても建設業界の大きな流れとして市場規模の拡大は望めない。企業努力もせず何ら特徴・優位性を見出せない企業はやはり淘汰されていくのだと思う。特徴・優位性は何も工法などの技術的な事柄だけではない。サービス業を中心に培われている顧客満足の視点に立つこともその方法の1つだと思う。

国土交通省が工事監理ガイドラインを策定し発表しました

国土交通省が工事監理ガイドラインを策定し発表しました。

以下はニュースリリースからの抜粋です。(文字色の装飾は安田がつけました。)

構造計算書偽装問題への対応としてとりまとめられた「建築物の安全性確保のための建築行政のあり方について」(平成18年8月社会資本整備審議会答申)を踏まえ、今般、工事監理ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)を策定いたしました。
このガイドラインは、「建築士法第二十五条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」(平成21年国土交通省告示第15号)において、「工事監理に関する標準業務」とされているもののうち、「工事と設計図書との照合及び確認」の確認対象工事に応じた合理的方法を例示するものです。
適正な工事監理を行うためには、ガイドラインの内容を建築主及び建築士双方が理解のうえで、個別の工事に即して、工事と設計図書との照合及び確認の内容、方法等を合理的に決定することが重要と考えられます。
なお、この際にガイドラインに基づいて工事監理を行うことが強制されるものではありません。
こうした点に留意のうえ、このガイドラインを実態に即して、適宜活用していただければと考えております。(引用ここまで)

ポイントとしては工事監理の内容について建築主にも理解を求めている点にあります。施工する側としてはこのガイドラインをもう少しわかりやすく、またとっつきやすく編集したものを用意し、施主に提供・説明すると良いでしょう。ガイドラインは工種ごとに示されているため工程表とリンクしたかたちであればなお喜ばれると思います。

[新訳]南洲翁遺訓(2009-32/100)

[新訳]南洲翁遺訓

南洲翁遺訓は西郷隆盛の遺訓集。他に読んだ本で紹介されていたので繋ぎ読み。本書は数ある遺訓を政治、時代、事業、人生の4つの教えに分類して、それぞれの訓えに対して筆者の松浦光修氏が解説を入れている。松浦氏の解説は現在の様々な事象を例にとって説明しているが賛同できるところとそうでないところがあり、それがゆえに自分の考えをしっかりと持って読むととても読み応えがあった。

特に「自分のとらわれるな」という訓えに対して論語で引用した言葉が印象的であった。

「わがままな心がない。むり強いする心がない。かたくなな心がない。独りよがりの心がない。」

3つ目の「かたくなな心」は肯定的な意味で使われることが多いと思うが、それすら捉われないというのも自然を受け入れて流れるような人生を全うするには必要なことかと思い至った。