組織運営術

 本日、日経産業新聞にて千葉ロッテが一躍人気球団に浮上したワケをフロントの組織運営術として紹介している記事が掲載されていた。監督・選手が活躍する現場と対立することなくファンの心をつかむ仕掛け作りに真摯に取り組んだ成果が現れているようだ。
 組織運営のポイントとしていくつか紹介されているが、建設会社にも適用できるものとしては1.責任分担と情報共有の両立、2.領空侵犯の奨励、3.現場に耳を傾けるの3点であるように思う。3点に絞ったのは理由がある。監督・選手が活躍する現場は建設会社における工事現場に他ならない。その意味で組織形態が似ている部分がある。その組織形態の弱点を補完するポイントがこれら3点なのだ。
 1つめのポイントは情報共有の中でも特に課題共有をすすめたい。現場監督の任務は予定通り品質を保ちながら工事を進めること、経理スタッフの任務は1日でもはやく月次試算表を完成させること等々。それだけでは視野が狭すぎる。自分の任務が会社全体の目的や課題解決にどうリンクしているかを常に意識させることが本当の「共有」である。
 2つめの「領空侵犯」は上述の「課題共有」が実現できなければそもそも無理な話である。会社全体として解決しなければいけない課題を理解していなければ他部門がどのように動いても入力と出力さえ整合性があっていれば関係ないのである。他部門の処理をブラックボックスにしていては全社的な課題解決はありえない。逆にホワイトボックスになれば自ずと他部門への意見も出るものである。
 3つめは現場をないがしろにしないということ。顧客との接点を一番多く持つ現場の意見は顧客満足の視点に立っていればかなりの的を得ているはずである。(単なる現場のわがままとは区別しなければならない。)このポイントは課題発見や改善効果の測定などに多いに役立つはずである。
 組織運営と言ってもまず先決なのは全員の士気を高めること。全員が一丸となって全社課題に立ち向かえば少なからず良いアイデアもでるであろう。